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SuperDryな一徹の徒然草

自称・アサヒビール・スーパードライのアンバサダー 見たり、聴いたり、触ったり、歩いたり、走ったり。呑む他に暇なしの徒然草

9999

2013-02-21 12:48:09 | アサヒビール
ブログ休載中に多くの出会いと良書に恵まれた。今日はその感想を込めて臨時アップします。
厳しい寒さが続くがいろんな春を感じる。仲たがいして親の会社を飛び出した業者の青年。4度目の自営業を目指して脱サラした青年。春は「入り」と「出」の季節。出会いの季節。こういった場面を目のあたりにして自身のことを想いだす。今では、携帯電話や自動車のナンバーなどに、好きな番号が選べるサービスがある。ホテルに泊まると、「死」を連想させる4や、欧米で不吉とされる13などが欠番しているところもある。気になり出すと、捨てておけないのが数字。私自身も卒業直前、開学時から数えた卒業番号が9999番と知った。他人から見れば小さなことだが、自分に自信が持てず他人と比べてばかりいた当時の私は「あと一つで10000番だったのに。 やはり私はダメな人間なのか」と思い詰めてしまったことがある。昔話である先輩にそのことを話したことがある。先輩は「九」は「求」とも読める。そう考えれば「求道」の意味になる。「久」とも読める。そう考えれば「悠久」という意味にもなる、と。以来、9999という数字が私の原点になった。いい数字といえば、ラッキーセブンの7や末広がりの8が思い浮かぶが、「9」と答えるようにしている。「10に一つ足りない」ところがいいではないか。10を目指して努力するところに成長があり、希望があると思う。人格の完成、目標の完遂を目指し、懸命に挑戦する。その姿こそが人間として美しい。人生の最も輝ける時となる。


「三奪」

2013-01-10 08:46:09 | アサヒビール
年始早々から暗い事件が飛び込んでくる。スポーツ名門校でクラブ顧問の叱責による生徒の自殺。教育法による体罰が禁じられているにも拘らず年々増加するばかりだ。直木賞作家の葉室麟氏が小説『霖雨』で、近世日本最大の私塾「咸宜園」(大分・日田市)を巡る人間模様を描いている。初代塾主・広瀬淡窓の教育への信念を、「努力を粘り強く見守ることが、ひとを教えるということ」と綴っている場面が印象的だ。本年、生誕230周年の広瀬淡窓は、江戸時代にあって「三奪」を唱え、塾生の年齢・学歴・身分の三つを〝奪って〟平等に遇し、個性重視の人間教育を行った。明治になって、大分の隣県・熊本には、第五高等学校(現在の 熊本大学)が設置された。そのキャンパスには今、「師弟の和熱ハ育英ノ大本タリ」と刻まれた碑が立っている。夏目漱石が、同校の開校10周年記念式で、教員総代として述べた祝辞の一節である。努力を重ねる学生と、その成長を見守り、励ましに全力を注ぐ教師・・・両者が和して互いの情熱が燃え盛るところに、教育・育成の根本がある。

本日の読書:1/1,962冊目 インヘリタンス 果てなき旅 上巻 クリストファー・パオリー著 大蔦双恵訳 静山社
インヘリタンス 果てなき旅 上巻 (ドラゴンライダーBOOK4)インヘリタンス 果てなき旅 上巻 (ドラゴンライダーBOOK4)
価格:¥ 1,995(税込)
発売日:2012-11-15




正初歳拝

2013-01-07 08:40:51 | アサヒビール
新年あけましておめでとうございます。「正初歳拝」は我が家で伝わる一年のあいさつです。元旦は一年の計とも言われます。元旦に身を正してこの年の無病息災と社会人として使命を果たしていく決意をしています。相変わらず拙いブログですが読者の皆様、本年も宜しくお願いします。
おもいやり
算数の問題。「みかんを1人に2個ずつ、3人にあげるには、みかんは全部で何個いるでしょう」。学校で教える解答は「2×3=6」。しかし、ある児童は 「3×2=6」とした。児童の考えはこうだ。2個ずつあげていくのに、A君、B君、C君が待ち遠しく思うといけないから、とりあえず1個ずつあげる。それ を2回繰り返したから、3×2の式にしたという(堤未果・佐治晴夫著『人はなぜ、同じ過ちを繰り返すのか?』清流出版)。紙の上の〝お友だち〟への思いやりが、なんともほほ笑ましい。子どもは思いやる天才だ。田端健人・宮城教育大学准教授による東日本大震災の調査報告に、そう強く実感した。被災した子どもたちが泣いたのは、地震や津波に恐怖を感じたからだけではない。大人でも自分の身を案じるのに精いっぱいの過酷な状況下で、家族を思いやり、泣いていたという。大人は、子どもに学ぶべきだろう。人を思いやる心を、家族、友人、地域から日本、世界へ広げていく。そしてその歩みは常に、「一人を大切にする」ことから始まる。
本日の読書:1/1,960冊目 かあさんのこもりうた こんのひとみ作 いもとようこ絵 金の星社
かあさんのこもりうたかあさんのこもりうた
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2012-10-31



4題

2012-12-28 10:47:22 | アサヒビール
今年一年、拙生のブログご愛読者に感謝申し上げます。本日をもって本年のブログアップは終了します。皆様にとって来年は佳い一年でありますようお祈り申し上げます。ありがとうございました。今日は4題をアップしました。
雄姿
日本女子サッカー躍進の立役者である澤穂希選手。2008年の北京五輪のある試合前、チームメートに語った言葉は有名だ。「苦しくなったら、私の背中を見て」防戦ばかり意識していては、攻めてくる相手ばかりが目につく。こちらが攻めてこそ、前を行くキャプテンの背番号「10」が見える。守るより攻めろ・・・何事も〝勝利への執念〟を燃やし、先頭に立って戦うリーダーの雄姿が、全軍の士気を鼓舞するものだ。
本当の勝負
年末に恒例になる話題がある。「今年、世界の舞台で最も輝いた日本人は?」・・・こう聞かれたら、多くの人がノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥京都大学教授を挙げるだろう。偉業もさることながら、真摯な人柄が、さわやかな感動を広げた。ノーベル賞の受賞決定後、真っ先に語ったのは感謝の言葉。「感謝したい人を挙げたら、それだけで何冊も本が書ける」と振り返った。そして授賞式が終わると〝ノーベル賞は過去のこと。メダルは、もう見ることもないと思う。今後は科学者としてすべきことをしたい〟と。苦闘の末、目標を達成した後、どのように生きるか・・・そこにこそ、その人の真価が現れるといえる。山中教授の言動に〝本当の勝負はこれからだ〟と教えられた気がする。人生は無限の向上の道である。歩みを止める〝ゴール〟はない。勝利から次の勝利へ、挑戦する心は、黄金にも勝る輝きを放っている。
聞き上手
今年のベストセラーが発表された。厳しい出版事情が続く中、1位になったのは『聞く力』(文春新書)。テレビ番組の司会や週刊誌の連載対談などでも活躍中の阿川佐和子さんの著作。相手の話に耳を傾ける際のポイントは何か。阿川さんは、ある新聞で、こう述べている。「大切なのは、〝面白そうだなと思って、ただ一生懸命に聞く〟こと。相手の目を見て上手に相づちを打つことが結構大事」。対話は、単なる情報の伝達とは異なる。語った人の感情が 相手の心に届いた時に初めて、心の通ったコミュニケーションになる。〝対話上手は聞き上手〟といわれる所以が、ここにある。〝心のキャッチボール〟の積み重ねが、人との絆を強くしていくことは想像に難くない。「人って話をじっくり聞いてみると、意外な面白さを発見できます」と阿川さん。友の話に耳を傾け ることは、新しい経験を積むことであり、自身の心を豊かにすることでもある。この年末年始、旧友との再会に加え、新しい友との出会いも大事にしたい。
挑戦
日本酒造りに携わる壮年の話。彼は、コンピューター修理の仕事から一転、苦労を重ねて杜氏となった。全国新酒鑑評会で、何度も金賞に輝く。背筋を伸ばし、自らに言い聞かせるように語った言葉は、「酒造りは毎年が1年生です」。日本酒は、米の出来ひとつ、水のおいしさひとつ、酵母の状態ひと つで味が変わる。「毎年が1年生」というひと言に、現状に甘んじることを許されない酒造りの厳しさが、にじんだ。人生の大きな山を乗り越えた時、喜びの余韻に浸りたいのが人情。だが、それが油断となり、次の敗因となる場合がある。仏法の眼から見れば、それこそが「魔」の働きだ。「すこしもたゆ(撓)む心あらば魔たよりをうべし」である。常勝将軍ナポレオンが、イタリア遠征で連戦連勝した時のことを、こう振り返っている。〝当時は得意満面 だったでしょう〟と聞く随員に、「なんの、それどころか!」「一戦済めばはや、その日の勝利のことなど忽ち忘れてしまって、明日の勝利を如何に導くべきかに没頭していた」と(ラス・カーズ著、難波浩訳『ナポレオン大戦回想録』改造社)。生まれ変わった決意で、新年へ出発したい。私の心は、どこまでも勇猛精進である。

本日の読書:1/1,945冊目 15歳の機関助士 川端真二著 交通新聞社
15歳の機関助士―戦火をくぐり抜けた汽車と少年 (交通新聞社新書)15歳の機関助士―戦火をくぐり抜けた汽車と少年 (交通新聞社新書)
価格:¥ 840(税込)
発売日:2012-12