豪雪で知られる山形県庄内地方のある地域では昔、冬の朝、上級生が下級生を自分のマントに包み込むようにして吹雪から守り、小学校まで送り届ける慣習があったと聞く。誰かに命じられたわけではない。「かつての自分がそうされたように、今度は〝守る側〟になった」。白い雪のように純真な心が受け継がれていたことに、胸を打たれる。先月のこと。東京郊外のある私立小学校の児童らが乗り合わせた電車が、事故の影響で途中停車し、一時、運転見合わせになった。すると、5、6年生が手分けをして、車両内にいる同校の児童らを1カ所に集めた。「心配ないよ」「一緒にいるから大丈夫」。不安がる下級生を上級生が励まし続けたという。学年を越えた児童の交流に取り組む学校は多いが、同校にも「きょうだい学年」がある。5年の児童が、同じ数字の学級と出席番号 にあたる1年の児童を日頃から励ましたり、一緒に遊んだり、勉強などをする取り組みだ。それを聞き、電車内で児童が自発的に動いた理由も納得できた。互いを兄弟のように思い、信頼し合う美しい心。平凡かもしれないが、この心こそ、より良く生き、より良き社会をつくる根本の力だ。子どもたちに伝えたい。
本日の読書:1/1,917冊目 「世界基準の授業」をつくれ 川島直子・福田素子共著 時事通信社
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