偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

Slice and Dice再び~東谷暁も誤訳?

2008年11月07日 02時50分04秒 | ◎海外スポーツ&ニュース見出しdeポン
「表現者 19号(7月号)」のグローバルマネーの末路と題された榊原英資、山崎養世、西部邁、東谷暁の4氏による座談会の中でこんな会話があった。

東谷 僕なんかにはとても分からないような難しい数学を駆使して、証券を集めたり切り刻んだりという、「スライス・アンド・ダイス」と言うらしいのですけれど…(笑)。
西部 ダイスは分かったけれど、スライスを説明してくれますか。
東谷 ダイスはもちろん「博打をやる」ですが、スライスは証券の塊を「切り分ける」という意味です。住宅ローン担保証券を集めて、それを模式的に言うとだいたい三つくらいに切り分けると言われているんですね。

 う~ん、そもそも「ダイスは分かったけれど」ってところからしておかしいよなぁ。フツーの感覚で言ったら「スライスはわかったけどダイスは何?」だろ。さすがはアウトロー西部邁(笑)。
 ダイスはサイコロ博打をやるっていう意味はあるけど「Slice and dice」というのは賽の目切りにするという意味だ。つまりダイスは文字通りサイコロの意味しかない。
 元々がクッキング用語で情報などを分析するときの手法でもある。

 まぁ、フジテレビの「松坂の球はスライスしていた」よりは遙かにマシで大きく意味が違うことはないけど、最近よくいうカジノ資本主義という偏見で調子にのった解釈と考えると後々危うい姿勢といえなくもない。

 念のためネットで用語集や関連サイトをあれこれ調べてみたけど「Slice and dice」という金融用語も新語もなかった。
 「Slice and dice」という言葉を含んだ投資関係の文章はいくつかあるにはあったけど、どれも売る側の金融工学の手法を説明する言葉ではなく投資する側のポートフォリオの組み方として「投資分野を細かく分ける」という万人が理解できるような「Slice and dice」従来の意味でしか使われてなかったぞ。
 その直後の会話の中で“国際派”の山崎養世氏までが「今度の問題は、先ほどのスライス・アンド・ダイスなんですね」などと言ってしまっているからやっかいなんだけど、彼は単に話の流れにのって使っただけだろう。
 「Slice and dice」された(切り刻まれた)ものがトランシェだという説明には間違いはないのだから。

 …というわけで「Slice and dice」の話題の続きということで海外の記事でもなんでもないけど「◎海外スポーツ&ニュース見出しdeポン」のカテゴリーに入れた。

 で、このまま終わるとあんまりなんでちったぁこのカテゴリーに合ったネタということで「Slice and dice」を検証して回っているときに拾ったウォーレン・バフェットの箴言を紹介。

"Price is what you pay. Value is what you get."
(価格ってのはキミが支払うべき数値、価値ってのがキミが獲得しうる数値なのさ)



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