カズコ、カトリーナ、コンドリーツァ~暴走する聖者の行進
IT'S HARD TO BE A SAINT IN THE CITY?
最近の「紳助のPQテスト」はそろそろネタがつきてきたのか、番組の序盤は老化防止のリハビリみたいなゲームに費やされるようになった。
そのゲームの中でアメリカ人を表す画像としてダラス・カウボーイズのチアーリーダーのものが使われていた。
こういうのを見る度に、こんなんでもカウボーイズになにがしかの料金を払っているのかなぁ…といちいち気になってしまう。NFLはその普及目的から日本での放送権料は安いと聞くから、普及のために無料なんてこともあるかもしれない。
或いはこれは放送局用の素材フォトストックの中の一枚だったのかもしれない。
そう、このダラス・カウボーイズのチアーリーダーの写真や映像というのはアメフト番組でなくても今回のようにイメージ素材としてよく使われる。別にプロのアメフトチームやそのチアーは30以上もあるというのに…である。
多分、それはダラス・カウボーズがアメリカズ・チームと呼ばれ、そのチアーである通称カウガールズはアメリカズ・スウィートハート(アメリカの恋人)と地元第一のアメリカ・スポーツ・シーンにおいてさえも別格の扱いを受けているせいなのかもしれない。
日本人初のNFLチアーとなった三田智子さんが、すでに合格していた他チームを蹴って(正確にはちょっと在籍)カウボーイズ入りに賭けたことからもその格の違いというものが伺える。
さて、もう先々週のことになってしまったがニーヨーク・タイムスに「カウボーズが好きかどうかにかかわらず、いまやセインツがアメリカズ・チームとなった」というような論調の記事が出ていた。
セインツというのは勿論、プロフットNFLのニューオーリンズ・セインツのことだ。ハリケーンのせいでホームでの開幕戦を敵地で迎えることとなってしまった同チームに敵地ニューヨークのファンをも含め全米が声援を送っているというわけだ。
ハリケーンに関してはファンのみならずNFLがリーグをあげて救済に立ち上がっている。NFLは主に日曜日に試合をするが好カードをセレクトして1試合だけ月曜日に開催するマンデーナイト・ゲームというのがある。
第二週19日の本来のカードはさっきも名前が出たカウボーイズとレッドスキンズのゲームだったが、さらにニューオーリンズ・セインツとニューヨーク・ジャイアンツのゲームを時間をずらして開催して異例のダブル・ヘッダー放映となった。それにあわせて、ジョン・エルウェイやアート・シェルといったNFLの殿堂メンバーたちが実際に電話の前に座るという、チャリティ・テレソンも行われた。
ルイジアナ生まれのペイトン&イーライのマニング兄弟も当然のように救済活動に立ち上がった。金だけですませたくないと実際に救援物資の積み込みなども手伝ったり、弟のイーライはリーボックの救済キャンペーンCMにも出演した。
上の写真はそのキャンペーンのTシャツを掲げるイーライ。
不謹慎かもしれないが、ジャイアンツのイーライがセインツカラーのジャージーを着ている姿はコアなファンにとっては貴重なシヨットではないだろうか。逆に言えばそれだけ異例の事態なのかもしれない。
Tシャツには「Be A Saint」と書かれている。これはみんな聖者のように広い心を以て救済に協力しようという意味なのだろうが、強奪などで荒れ果てた現地へも向けているのかもしれない。
阪神大震災の時にあるマンションの住人たちが、我先にと暴走することなく一致団結して協力しあったというエピソードを聞いて日本もまだまだ捨てたものではないなぁ…なんて思ったりもしたが、今回のハリケーンで略奪や強盗などが続発したときいて哀しくなった。
日本の高名な女性占い師は、この行為に関して、子供のためなら略奪もやむなしと言ってのけた。
強盗をとっつかまえた後で、事情によっては情状酌量というのならわかるが、ハナっから強盗やむなしというのはいかがなものか?
影響力の強いおばさんがテレビでこんなことを言ったせいで、今度日本のどこかでまた大災害が起きたときに「子持ち」を免罪符として振りかざして暴れまくる親たちが続出したらどうするのだろう?
少なくとも阪神大震災までは(いや、新潟でも)まだまだ捨てたものではなかった日本人の礼節が、いっきに崩壊しないかと心配だ。
報道の向こう側にある現実に想像力をめぐらせろ…という意見には賛成だが、このおばぁちゃんの想像力は一体どこまでめぐっているのか?
多分、彼女は某ニュースでインタビューに対し「子供のために仕方なくやった」と涙ながらに答える強奪パパの姿を見て全体像を判断なされたのかもしれないが、略奪者がみな同様の立場とは思えない。
ニューオリンズの貧困層という現状も考慮に入れるべきだとしても、それ事態を免罪符にしてしまったら貧困故に多発する(非災害時の)強盗事件までも社会が悪いのでやむなし…ということになりかねない。
この国はスポーツチームが優勝しても暴れるし、黒人が差別されたという件で起きた暴動でもなぜか黒人が経営する店まで破壊されるというお国柄なのだ。
想像力をめぐらせろ…というのなら、なにより犯罪には必ず被害者がいるということにも思いを巡らさなければいけないハズだ。
このばあさんはフジテレビの27時間テレビでITの小デブに「防犯のための完璧な施錠システム」を作れとアドバイスしていたが、この一見、毒にも薬にもならないような発言の中にも世の中を悪くしかねない重大な間違いが潜んでいる。
これについてはまた後日、書きたいと思う。
よく日本の女性政治家(叉は候補者)が
「戦争は男がやるもの。平和のためには子供を産む立場の女性の視点が必要」
などと声高に叫んでいるのを聞いたことがあるが、だったら女性であるライス長官なぜ躊躇なく引きがねを引けるんだろうか?とかねがね疑問だった。
でも、
「自分の子供を守るためなら他人をも殺す」
というのがアメリカの母性なのだとしたら、今回の略奪もイラク戦争も銃社会の擁護派に女性がいたりするのもすべて合点がいく。
イラクやアフガンで放射能をまき散らしたのが十字軍だというのなら、子供のために略奪をする父親もアメリカ式にいえば聖者なのかもしれない。
【関連記事】
2005-09-27 22:36●スポーティな面白フラッシュ広告集
2005-09-13 22:06●マーク・メシエと日本人のちょっとした関係
2005-09-04 01:10●…マリファナから郵政民営化まで
2005-09-04 00:44●高校球児からマリファナまで…
2005-08-28 01:03●A Global Language or A Killer language ?
2005-08-27 20:48●So what?Taguchi bats cleanup/ソー・タグチが四番?それがどうした
2005-08-22 22:42●ラインマンがサドンデスでNFLは大揺れなんデス
2005-08-15 00:19●NCAA vs FSU~“征服されない”セミノール魂は誰のもの?
2005-08-13 01:28●井口資仁はマジMVPなのか?
2005-08-13 00:16●だってヤツは三番打者なんだぜ!とシーツは言った
2005-08-11 18:10●NHLも見出しでポン クロスビーに負けるな!
2005-08-07 00:33●どうなのよオーウェンス
2005-08-06 21:53●モスがレイダーズ王国を食い尽くす?
2005-08-04 21:21●松井秀喜といじわるじいさん
2005-07-29 16:56●中村俊輔は我らがBHOYなのだ
2005-07-25 00:05●がんばれ!ベアーズ日本に来る?(後編)
2005-07-24 23:48●がんばれ!ベアーズ日本に来る?(前編)
2005-06-28 21:00●BSE(狂牛病)で学ぶアメリカンジョーク(ジョハンズ農務長官迷言集)
2005-04-14 07:35●マツイで学べ、デマと英語シリーズ最終回?
2005-04-13 18:11●YESがノーというなら、こっちは日テレにノーだ(笑)
2005-04-13 17:31●松井は今年もハンター・ハンターになれるか?
2005-04-11 04:21●Super Blooper~松井そして、野茂
2005-04-10 17:32●Bronx Bummer~ボールパークだけに“公園デビュー”?なんちゃって(笑)
2005-04-10 07:12●Patience pays off for Tribe~彼らは我慢しているだけなのさ?
2005-04-08 05:34●「Fever Pitch」~松井で学ぶ英語シリーズ番外編
2005-04-07 06:45●松井で学ぶ、デマと英語 その2
2005-04-05 05:17●松井で学ぶ、デマと英語 from NY POST online edition
2005-04-04 18:08●Godziilla dazzlez !!~メジャーも開幕、松井が一面だ!
IT'S HARD TO BE A SAINT IN THE CITY?
最近の「紳助のPQテスト」はそろそろネタがつきてきたのか、番組の序盤は老化防止のリハビリみたいなゲームに費やされるようになった。
そのゲームの中でアメリカ人を表す画像としてダラス・カウボーイズのチアーリーダーのものが使われていた。
こういうのを見る度に、こんなんでもカウボーイズになにがしかの料金を払っているのかなぁ…といちいち気になってしまう。NFLはその普及目的から日本での放送権料は安いと聞くから、普及のために無料なんてこともあるかもしれない。
或いはこれは放送局用の素材フォトストックの中の一枚だったのかもしれない。
そう、このダラス・カウボーイズのチアーリーダーの写真や映像というのはアメフト番組でなくても今回のようにイメージ素材としてよく使われる。別にプロのアメフトチームやそのチアーは30以上もあるというのに…である。
多分、それはダラス・カウボーズがアメリカズ・チームと呼ばれ、そのチアーである通称カウガールズはアメリカズ・スウィートハート(アメリカの恋人)と地元第一のアメリカ・スポーツ・シーンにおいてさえも別格の扱いを受けているせいなのかもしれない。
日本人初のNFLチアーとなった三田智子さんが、すでに合格していた他チームを蹴って(正確にはちょっと在籍)カウボーイズ入りに賭けたことからもその格の違いというものが伺える。
さて、もう先々週のことになってしまったがニーヨーク・タイムスに「カウボーズが好きかどうかにかかわらず、いまやセインツがアメリカズ・チームとなった」というような論調の記事が出ていた。
セインツというのは勿論、プロフットNFLのニューオーリンズ・セインツのことだ。ハリケーンのせいでホームでの開幕戦を敵地で迎えることとなってしまった同チームに敵地ニューヨークのファンをも含め全米が声援を送っているというわけだ。
ハリケーンに関してはファンのみならずNFLがリーグをあげて救済に立ち上がっている。NFLは主に日曜日に試合をするが好カードをセレクトして1試合だけ月曜日に開催するマンデーナイト・ゲームというのがある。
第二週19日の本来のカードはさっきも名前が出たカウボーイズとレッドスキンズのゲームだったが、さらにニューオーリンズ・セインツとニューヨーク・ジャイアンツのゲームを時間をずらして開催して異例のダブル・ヘッダー放映となった。それにあわせて、ジョン・エルウェイやアート・シェルといったNFLの殿堂メンバーたちが実際に電話の前に座るという、チャリティ・テレソンも行われた。
ルイジアナ生まれのペイトン&イーライのマニング兄弟も当然のように救済活動に立ち上がった。金だけですませたくないと実際に救援物資の積み込みなども手伝ったり、弟のイーライはリーボックの救済キャンペーンCMにも出演した。
上の写真はそのキャンペーンのTシャツを掲げるイーライ。
不謹慎かもしれないが、ジャイアンツのイーライがセインツカラーのジャージーを着ている姿はコアなファンにとっては貴重なシヨットではないだろうか。逆に言えばそれだけ異例の事態なのかもしれない。
Tシャツには「Be A Saint」と書かれている。これはみんな聖者のように広い心を以て救済に協力しようという意味なのだろうが、強奪などで荒れ果てた現地へも向けているのかもしれない。
阪神大震災の時にあるマンションの住人たちが、我先にと暴走することなく一致団結して協力しあったというエピソードを聞いて日本もまだまだ捨てたものではないなぁ…なんて思ったりもしたが、今回のハリケーンで略奪や強盗などが続発したときいて哀しくなった。
日本の高名な女性占い師は、この行為に関して、子供のためなら略奪もやむなしと言ってのけた。
強盗をとっつかまえた後で、事情によっては情状酌量というのならわかるが、ハナっから強盗やむなしというのはいかがなものか?
影響力の強いおばさんがテレビでこんなことを言ったせいで、今度日本のどこかでまた大災害が起きたときに「子持ち」を免罪符として振りかざして暴れまくる親たちが続出したらどうするのだろう?
少なくとも阪神大震災までは(いや、新潟でも)まだまだ捨てたものではなかった日本人の礼節が、いっきに崩壊しないかと心配だ。
報道の向こう側にある現実に想像力をめぐらせろ…という意見には賛成だが、このおばぁちゃんの想像力は一体どこまでめぐっているのか?
多分、彼女は某ニュースでインタビューに対し「子供のために仕方なくやった」と涙ながらに答える強奪パパの姿を見て全体像を判断なされたのかもしれないが、略奪者がみな同様の立場とは思えない。
ニューオリンズの貧困層という現状も考慮に入れるべきだとしても、それ事態を免罪符にしてしまったら貧困故に多発する(非災害時の)強盗事件までも社会が悪いのでやむなし…ということになりかねない。
この国はスポーツチームが優勝しても暴れるし、黒人が差別されたという件で起きた暴動でもなぜか黒人が経営する店まで破壊されるというお国柄なのだ。
想像力をめぐらせろ…というのなら、なにより犯罪には必ず被害者がいるということにも思いを巡らさなければいけないハズだ。
このばあさんはフジテレビの27時間テレビでITの小デブに「防犯のための完璧な施錠システム」を作れとアドバイスしていたが、この一見、毒にも薬にもならないような発言の中にも世の中を悪くしかねない重大な間違いが潜んでいる。
これについてはまた後日、書きたいと思う。
よく日本の女性政治家(叉は候補者)が
「戦争は男がやるもの。平和のためには子供を産む立場の女性の視点が必要」
などと声高に叫んでいるのを聞いたことがあるが、だったら女性であるライス長官なぜ躊躇なく引きがねを引けるんだろうか?とかねがね疑問だった。
でも、
「自分の子供を守るためなら他人をも殺す」
というのがアメリカの母性なのだとしたら、今回の略奪もイラク戦争も銃社会の擁護派に女性がいたりするのもすべて合点がいく。
イラクやアフガンで放射能をまき散らしたのが十字軍だというのなら、子供のために略奪をする父親もアメリカ式にいえば聖者なのかもしれない。
【関連記事】
2005-09-27 22:36●スポーティな面白フラッシュ広告集
2005-09-13 22:06●マーク・メシエと日本人のちょっとした関係
2005-09-04 01:10●…マリファナから郵政民営化まで
2005-09-04 00:44●高校球児からマリファナまで…
2005-08-28 01:03●A Global Language or A Killer language ?
2005-08-27 20:48●So what?Taguchi bats cleanup/ソー・タグチが四番?それがどうした
2005-08-22 22:42●ラインマンがサドンデスでNFLは大揺れなんデス
2005-08-15 00:19●NCAA vs FSU~“征服されない”セミノール魂は誰のもの?
2005-08-13 01:28●井口資仁はマジMVPなのか?
2005-08-13 00:16●だってヤツは三番打者なんだぜ!とシーツは言った
2005-08-11 18:10●NHLも見出しでポン クロスビーに負けるな!
2005-08-07 00:33●どうなのよオーウェンス
2005-08-06 21:53●モスがレイダーズ王国を食い尽くす?
2005-08-04 21:21●松井秀喜といじわるじいさん
2005-07-29 16:56●中村俊輔は我らがBHOYなのだ
2005-07-25 00:05●がんばれ!ベアーズ日本に来る?(後編)
2005-07-24 23:48●がんばれ!ベアーズ日本に来る?(前編)
2005-06-28 21:00●BSE(狂牛病)で学ぶアメリカンジョーク(ジョハンズ農務長官迷言集)
2005-04-14 07:35●マツイで学べ、デマと英語シリーズ最終回?
2005-04-13 18:11●YESがノーというなら、こっちは日テレにノーだ(笑)
2005-04-13 17:31●松井は今年もハンター・ハンターになれるか?
2005-04-11 04:21●Super Blooper~松井そして、野茂
2005-04-10 17:32●Bronx Bummer~ボールパークだけに“公園デビュー”?なんちゃって(笑)
2005-04-10 07:12●Patience pays off for Tribe~彼らは我慢しているだけなのさ?
2005-04-08 05:34●「Fever Pitch」~松井で学ぶ英語シリーズ番外編
2005-04-07 06:45●松井で学ぶ、デマと英語 その2
2005-04-05 05:17●松井で学ぶ、デマと英語 from NY POST online edition
2005-04-04 18:08●Godziilla dazzlez !!~メジャーも開幕、松井が一面だ!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます