話の種

新聞やテレビ、雑誌などで、興味深かった記事や内容についての備忘録、考察、感想

政治と金について

2024-05-21 12:36:18 | 話の種

「政治と金について」

このテーマは昔からのもので、様々な問題が指摘されているが、ここではそれを一つ一つ取り上げて論ずることはしない。

ただ、このところ連日マスコミに取り上げられている、自民党派閥の裏金問題、政治改革の問題に関連して、朝日新聞の政治改革2024と題した次のような記事(5月12日付)が目を引いたので、ここに記載しておく。

「選挙対策、かさむ出費 地元会合1万円×数百回、風評恐れ減らせず」

「自民党派閥の裏金事件を受け、政治資金の規制強化の議論が本格化している。
しかし、問題の根本は、多額のカネがかかる政治活動にあるとされる。
特に出費がかさむのが選挙対策。一部の有権者にはびこる悪弊と議員心理から、会費がふくらむ実態があるという。」

「年次総会へのご招待」。毎年、年末年始の時期になると、こんな招待状が、多数の業界団体から国会議員の事務所に届くようである。
東京選出の自民議員の元秘書は「議員が出席する団体の会合は、この時期1カ月だけで400件を超える」と話し、招待状の多くは金額の記載はないが、議員側は「会費1万円」を支払うのが相場とのことで、そのため、年末年始だけで会費の総額は数百万円に膨れ上がる。
勿論、出席しなかったり、会費なるものを減らしたりすればよいのだが、選挙での悪影響を考えればそれは出来ないとのこと。

そしてこのようなケースだけでなく、有権者側が議員側に金品を要求するケースも少なくないとのことで、次のような例を挙げている。

「東京選出の野党議員は数年前、地元の祭りにカネも酒も持たずに参加した。すると、主催者側の住民から「何も持ってこなかったのか」とどやされた。
公職選挙法では、政治家が選挙区内の人や団体に対して、寄付をすることを一切禁止している。
そのため、この議員は「持ってきたら違法になる」と説明したが、「あなたの妻の名義で持ってくれば問題ない」と言い返された。「そういうやり方で金品を持ってくる人がいるんだ」と思ったが、議員は渡さなかった。」

「東京選出の別の衆院議員の元秘書は、10年以上前、地元の町内会長にあいさつした際、「酒くらいもってこい」と露骨に要求された。渡せば違法だが、渡さなければ「けちだ」と風評が広まり、支持を失いかねない。元秘書は、後日、日本酒の一升瓶2本を持って町内会長を再び訪れた。
日本酒代は数千円だったが、違法行為のため事務所の経費とすることはできない。元秘書は自腹で支払った。あいさつの場や会合で物品を要求されるケースは「それなりにあった」。1件あたり数千円の日本酒でも、積み重なれば「100万円単位の金額になる」。元秘書は「事務所に裏金があれば、日本酒代はそこから出すことができ、自腹を切らないで済む」と話す。]

これらは私のように東京に住んでいて政治家とも全くつながりのない人間にとっては縁のない話で、多くの人がそうだろうと思うが、地域、中でも地方に行けばよく見られることかもしれない。
そして選挙ともなれば人とのつながりで、政党、政策に関係なく投票してしまうケースも多いかと思う。(現に私自身も知人が衆議院選挙に立候補したとき、意に反した政党だったが、一回だけその人に投票したことがあった。)

つまり何を言いたいかと言うと、政治改革の問題は勿論政治家たち本人の対応・行動の問題で、その責任に於いて対処すべきものだが、一方この問題の根底には政治家に対する有権者の態度・行動の問題もあり、いくら我々が口で政治、政治家がどうのこうのと批判をしていても、有権者の対応及び投票行動が変わらなければ、根本的な問題解決にはならのではと言うこと。(勿論政治家たち自身が大いに反省し変わることが出来れば良いが、彼らの性格や資質の問題もあり、現在の政治資金規正法の改正問題の議論を見ていてもこれは期待できないと思うが、果たしてどうだろうか。)

(追記)

本日のTV朝日「ワイドスクランブル」で、「政治に金がかかるということは選挙に金がかかるということ」とのコメントがあった。
そこで思い出したのは昔「この程度の国民ならこの程度の政治」と言った政治家がいたこと。
(ネットで確認したところ、警視総監から法務大臣になった秦野章氏で、この人は他にも「政治家に徳目を求めるのは八百屋で魚をくれというのに等しい」などの発言をしており物議を醸している。)

更に検索を続けたところ、松下幸之助氏もPHP誌で次のように述べている。
「国民が政治を嘲笑しているあいだは嘲笑いに値する政治しか行なわれない」
「民主主義国家においては、国民はその程度に応じた政府しかもちえない」

そしてこの記事の筆者は次のように述べている。(谷口全平(元PHP研究所取締役、現客員=当時))
(松下幸之助は)国民一人ひとりがもっと自分のこととして政治に関心を寄せなければならないと呼びかけたが、家庭においても学校においても政治の大切さを啓発するとともに、何が正しいか、何が国民全体にとって利益となるのかを見極める眼を育てる教育が大切だと訴えたのである。

「松下幸之助.com」
https://konosuke-matsushita.com/monthly/2016/12/seiji4.php

 

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