相撲太郎

“相撲好き”の相撲マニアック日記

三賞選考を考える

2005-11-30 00:18:29 | 本場所どこにも載ってない話
 今場所の三賞選考委員会は、千秋楽の27日午後1時からおこなわれた。現在、三賞選考委員は24人。内訳は会友(相撲記者OB)4人、溜り会から3人、現役相撲記者17人。それに押尾川審判部長、九重、三保ヶ関の両副部長の3人を含む27人で委員会は構成されている。ただし、今場所は出席者がわずか16人と委任状提出が1人という状況で、過半数は9。
 ちょっと揉めたのは、元大関雅山に三賞を与えるかどうかという点。「今の大関を3人倒したところで、三賞に値するのか」という意見もあり、多数決で一度は否決されたものの、進行役がそれ以前にも挙手の数え間違えを続出させていたため、もう一度やり直したところ、当選してしまった。
 単純な数え間違いなのか、誰かが1回目の多数決の結果を見て賛成にまわったのか、今となってははっきりしないが、どちらにしても釈然としない結果に終わった。それと「三賞ください」と親しい選考委員の記者にアピールする力士が獲得するケースも、特に最近は少なくないように感じられる。
 「賞金(200万円)を出すのは協会なんだから、委員の方には、しっかりと力士を選んでもらいたい」とは選考委員会前日の押尾川審判部長のことばだ。(写真は27日の三賞選考委員会)
 

琴ノ若引退会見

2005-11-26 19:27:53 | 雑記
 琴ノ若が昨日停年を迎えた前佐渡ヶ嶽親方(元横綱琴桜)とともに、引退会見に臨んだ。思い出の一番として、昨年名古屋場所の横綱朝青龍戦(かばい手が認められず負け)と、今年夏場所の安美錦戦(両者顔から落ちて、マゲの差で勝ち)の二番を挙げた。
 前師匠は、スカウトしてしてすぐに温泉へ連れて行き、「この子は将来、横綱になる」と思いながら、背中を流したという。
 「まだ取りたかった」と昨日は涙ながらに語った琴ノ若の心中は、さぞ無念であっただろう。来年はヤクルトの古田がプレーイングマネージャーとなる。ここまでの実績を残してきた琴ノ若に対しても、相撲協会は現役と親方を兼任できる「二枚鑑札」をなぜ認めてやれなかったのか…。

影山六連勝

2005-11-24 19:40:15 | 本場所どこにも載ってない話
 三段目、影山(春日野部屋)が今日、門元(境川部屋)を両差しからの寄り切りで破り、六連勝。序ノ口だった大阪、序二段だった夏で、高校時代からのライバル、澤井との全勝対決を落とし、優勝を逃してきた。今日の相手、澤井と同じ境側部屋の門元もかなり強敵だ。
 「相手は馬力が強いんで、立ち合いに押し込まれないようにいった。対戦したことはないが、教習所のけいこでやったことがある。五分五分でした」。
 七番相撲の相手はおそらく、ロシア出身、若ノ鵬だろう。「教習所でやったことがある。分はいいが、がっぷりになると相手は強いんで」となんとか、食いついて攻めたいところだ。
 「気持ちは普段どおりで集中できている。優勝は意識してない」と、自然体で悲願の優勝を目指す。

猛虎浪、関取へ一歩前進

2005-11-23 19:40:18 | 本場所どこにも載ってない話
 今場所の幕下上位には新鋭がズラリと並び、しのぎを削っている。特に今日の幕下の終わり三番は、まさにサバイバル競争であった。
 4勝1敗同士の豊真将と里山の一戦は、里山が下からうまく攻めて押し出し、5勝目を挙げ、関取をほぼ手中にした。そして猛虎浪は元十両の琴春日を寄り切った。「今場所は思った相撲が全然取れてない」と言いながらも、動きの中で勝機を見出す相撲で勝ち越しを決め、「今日は緊張した。勝ち越しを意識しちゃった。うれしいですね」と笑顔いっぱい。名門立浪から久々の関取誕生の可能性がグッと近づいた。幕下最後の一番は、宝智山が高見藤のはたき込みに敗れ、負け越し。4度目の正直もならなかった。
 豊真将の師匠で、記者クラブ担当の錣山親方(元関脇寺尾)は、弟子の相撲が始まる前から、ソワソワと落ち着かない様子。注目の一番の直前には、とうとう記者クラブを出て行き、どこかへ消えてしまった。
 見ていて、本人よりも師匠のほうが緊張しているのが、ありあり。親心とはこういうものなのだろう。(写真は取組を終えた猛虎浪) 

澤井、5連勝!

2005-11-22 23:23:33 | 本場所どこにも載ってない話
 幕下西32枚目、澤井が北大樹(北の湖部屋)を寄り切りで破り、5連勝と元気だ。「(今場所は)体が動いていると思う。体調もいい」と好調要因を語った。先場所は、首と左手を痛め、やや精彩を欠いて勝ち越すのがやっとだったが、今場所は本来の出足が戻ってきている。場所前は尾車部屋で若麒麟、錦風、豪風、若兎馬らと、玉ノ井部屋で芳東、渋谷らとけいこを積んだ。尾車部屋の関取衆とのけいこでは、芽を出していた(勝っていた)そうだ。
 六番相撲はおそらく北勝岩との対戦だと思うが、今場所は速攻が冴え渡っており、優勝の可能性は十分。来場所は一気に関取を狙える地位へ躍進だ。兄弟子の宝智山が幕下筆頭で苦戦しており、澤井が一足先に新十両なんてことが、来年早々にでも実現しそうな勢いだ。(写真は今年五月、部屋でのけいこにて)

九州場所がなくなる!?

2005-11-21 19:50:00 | 本場所どこにも載ってない話
 本日(9日目)の入場者数が4220人と発表された。会場の福岡国際センターのキャパが約8800人であるから、半分以下ということになる。今場所は琴欧州の大関取りという明るい話題があるにもかかわらず、それが観客動員に結びついていない。注目の初日も約5200人だった。東京場所を見る限り、ここ最近はやや持ち直した感じはするが、九州場所の客の入りは、年々寂しくなっている。
 今日の理事長懇談会で、その話題が出たが、北の湖理事長は「昨年と差はない。土俵内容によって、注目していただけると思う」と、語るにとどまった。果たして、協会幹部は危機意識を持っていないのだろうか…。
 そんな危機的状況のなか、ごく一部で、近い将来、「九州での本場所開催見直し」という噂も。このままいけば、年5場所制というのもあり得なくはないかもしれない。
 しかし、これは私見だが、相撲どころの金沢や青森で本場所開催となれば、今の福岡よりは観客動員は見込めるだろう。ここは固定観念を打破して、九州を含む、仙台、札幌など複数都市での持ち回り開催なども、検討してみてもいいと思う。
 いずれにしても、これまでのように人気力士頼みではなく、抜本的改革を断行する時期は、とうに来ていると思うのだが…。

グルジア第3の男、臥牙丸(ががまる)デビュー

2005-11-20 23:35:45 | 本場所どこにも載ってない話
 黒海、司海(黒海の弟)に続く、グルジア出身第3の力士、臥牙丸(ががまる)が今場所、木瀬部屋(師匠は元前頭肥後ノ海)から初土俵を踏んだ。本名=ジュゲリ・ティムラズ、184㌢、153㌔で肩幅が広く、胸板も厚い堂々とした体格だ。
 今年7月におこなわれた世界ジュニア選手権にグルジア代表として出場し、団体2位、個人無差別級3位の実績がある。来日して間もないため、日本語もまだちょっと…といったところで、「ちゃんこ? 大丈夫。けいこ? 大丈夫」といったことぐらいしか、聞けなかった。それでもとっても“いいやつ”というのが分かった。今日は師匠の化粧まわしを借りて、出世披露をおこなった。
 

勢いに乗る、勢

2005-11-19 19:21:28 | 本場所どこにも載ってない話
 今年春初土俵を踏んだ十九歳の勢(いきおい)。珍しいシコ名に思われるかもしれないが、伊勢ノ海部屋伝統のシコ名だ。192センチ、130㌔で肩幅も広く、下半身もどっしりしていて、惚れ惚れするような素材。しかも、マスクもいいし、華もあってスター性十分。長身ながら、両手を下から上へすくい上げるようにして、両差しになり、一気に持って行く相撲が身上だ。
 今はまだ無名の存在だが、大阪生まれで、小学校時代はあの沢井とライバル関係にあった。古市道場出身で、中学時代は沢井と現在、序二段の古賀とともに、阿武松部屋にもけいこに来ていた。高校は相撲の名門、報徳学園を受験するが、失敗。高校へは進学せずに、3年間は独自にジムへ通うなどして体を鍛えていた。
 伊勢ノ海部屋には、小学校の時にけいこに行っていたのが縁で入門。現在は幕下の四ツ車とけいこで対等に渡り合っているらしい。「土佐ノ海関にも胸を出してもらってます。自分の相撲は立ち合いで二本差して、一気に出る相撲ですが、突っ張りも覚えたいですね」と本人が語るように、スケールの大きい相撲を目指してもらいたい。
 何年後かには、稀勢の里を筆頭に、沢井、影山らとともに、幕内の土俵を席巻していることだろう。

ソフトバンクホークス松中選手が支度部屋を訪問

2005-11-18 22:04:08 | 本場所どこにも載ってない話
 ソフトバンクホークス松中選手が、六日目、西の支度部屋を訪問。以前から親交があった琴光喜と千代大海を激励した。琴光喜は「日米野球の時にあって以来の知り合いです。ホークスは昔から好きだったんですよ。強いところだったら、応援してもストレスがたまらないし」。この日、惜しくも敗れた千代大海は同じ九州出身ということもあって、なにやら食事の約束をするなど、仲のよいところをみせていた。松中選手の印象は、結構ゴツイと思っていたが、意外と華奢で顔が小さて、男性モデルのようで、カッコいいという感じだった。
 東の支度部屋では、朝青龍が気合十分、真っ向勝負できた今日の対戦相手、垣添を褒めちぎり、「いつもまっすぐ来てくれて、気持ちがいい。なんだか若い頃の俺を思い出したよ」と横綱として貫禄のコメント。しかし、そのあとで思わず舌をペロリ。「あっ!向こうのほうが二歳年が上だった。年上に向かって失礼だよな(苦笑)」。報道陣からドッと笑いが起こった。

琴欧州黒星スタート、九州場所初日だというのに・・・

2005-11-13 21:03:58 | 雑記
 九州場所初日だというのに、相撲中継も見ずに相撲の原稿を書いていた。六日目から福岡入りなので、それまでに仕上げなければならない(というか締め切りは過ぎている)。さすがに後半戦だけは見たが、あとはビデオでチェック。
 大関取りの琴欧州にいきなり土がついた。明らかに動きが硬かったのがテレビからでも分かった。支度部屋ではやはり貝になっていたそうで、肝心な精神面の課題は未だ克服されてないようだ。
 今場所は最近になく話題が豊富だと思うのだが、客席は六割ぐらいの入りといったところか…。やはり九州場所の観客動員数は魁皇の成績次第ということなのだろう。期待がかかっていないときの魁皇は、無類の強さを発揮する。ひとつここは、期待しないで見守ることにしよう。