有志による吹田市議会報告会

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市長の予算案に対して議会ができること

2017年04月01日 | メンバー記事
お世話になります、足立将一です。


先日2月定例会が閉会いたしました。
2月定例会は1年間の予算を決める
年4回ある中でも最も大事な議会。
委員会では審議時間をいつもの倍設けられています。


さて地方自治体は二元代表制という制度になっていて
市長も議会を構成する議員も市民の皆様から選挙で選ばれます。

市長と議員の仕事
わかりやすく説明すると
市長は皆さんの税金の使い道を決める(予算編成権)
議員は市長が決めた税金の使い道に対して賛成か反対かを決める(議決権)
ということになります。


先ほども申し上げましたが、
2月定例会は年間の予算を決めます。


例えば子育て支援の施策はこういうことをして、それにはこれだけの税金を使います。
道路の維持管理にはこれだけのお金を使います。
学校の大規模改修にはこれだけのお金を使います。
といった形で、1000を超える事業数について
予算が配分されています。


しかし議案としてはひとまとめになっていて
この事業はオッケーだけど、この事業はだめ、
ということをひとつひとつ判断できません。


なので、市長が提案してきたままだと
すべての予算について賛成か、
すべての予算について反対
という判断しかできないことになるのです。



となると、市としてすべきでない事業が予算に入っていたとしても
個別の事業は止められない、という事になります。
それは困ります。



そこで、議会として取りうる手段は
①「予算修正案」の提出と
②「予算の組み替え動議」です。


予算修正案提出は
議会としてやめさせたい事業を当初予算から削除する手続きです。
直接予算を修正するので当然市長はそれに縛られます。
しかし当初予算から修正するには関連する予算が多いため
かなりの労力がかかります。
吹田市議会では前任期に修正案が出されたことはありますが
いずれも3月に行われる議会以外の定例会での補正予算に対するものでした。


それに対して予算組替動議は
多数決を取るのですが
法的拘束力はなく
市長に対してこの予算を執行しない、あるいは予算編成しなおすように求めるものです。
こちらは議会側が予算をいじらなくてよいので
それほど労力はかかりません。


前の井上市長時代にも共産党吹田市議団により
予算組替動議がなされたことがあり、


今定例会でも吹田新選会と大阪維新の会による
組替動議がなされました。
内容は(仮称)岸部中住宅統合建替え事業の中止を求めるものです。



市長がひとりで予算編成権という非常に大きな権限を持つのに対し
議員ひとりひとりが行使できる力は限られていますが
議会として過半数まとまることによって
はじめて持っている力を行使することができます。


考え方は違っても日頃から政策に関する意見交換を
議員同士が行うことは大事だなぁと改めて考えさせられる2月定例会でした。