かわな ますみ / 花冠同人

かわな ますみ の俳句
  ブログ句帳 

『俳壇』12月号「俳壇ワイド作品集」掲載作品

2023-11-20 16:26:36 | その他掲載作品
「連打音」
凩の止みて定まる朝の青
口紅の唇埋めずショール巻く
懐炉手に祈り無音の舞台袖
手袋をぬぐや舞台のピアノへと
降る雪のごとく始まる連打音
冬天へ最後の主音届けよと
冬の夜を楽譜とドレス背負い帰る



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4 コメント

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コメント (転記)
2023-11-20 21:37:07
懐炉手に祈り無音の舞台袖
次の出番を待つタイミングなのでしょうか。手指が冷えないように懐炉を持ちながら、舞台袖で祈る様子がうかがえます。
(秀之さま)

降る雪のごとく始まる連打音
降る雪という響きが、チラチラと降る雪ではなくしんしんと降り続く雪が連想されます。そんな感じで始まる連打なのでしょう。そこに力強さを感じ取れます。
(秀之さま)


凩の止みて定まる朝の青
心配していたお天気も朝になるとすっかりよくなり、いつも通り清々しい青をたたえた景色に気持ちも落ち着き、よいコンサートとなるような予感がします。
(美知子さま)

降る雪のごとく始まる連打音
激しく降る雪のような連打音が聞こえてくるようです。そしてどのような調べに変わってゆくのか想像がふくらみます。
(美知子さま)

冬天へ最後の主音届けよと
聴衆だけでなく亡きご両親や恩師へと最後の精一杯の主音が届いてほしいと冬天への祈りの演奏に感動を覚えます。
(美知子さま)
返信する
句会より (転記)
2023-12-07 21:43:47
凩の止みて定まる朝の青
凩が吹いたあとは空気中の塵が吹き払われ澄んだ空気に空の青が美しいです。

口紅の唇埋めずショール巻く
女性らしい感性を感じる句です。情景がはっきり見えて素敵です。

懐炉手に祈り無音の舞台袖
お知り合いが演奏されるのでしょう。それを舞台袖で見ておられる。
どうか、無事に普段通りの実力を発揮して演奏してほしいと祈る気持ちが伝わってきます。

手袋をぬぐや舞台のピアノへと
ピアニストは指を冷やさないように演奏の寸前まで指を温めておられるのでしょうか?
手袋を脱いで舞台へ向かう、そこに決然とした演奏者としての姿を見ます。

降る雪のごとく始まる連打音
どんな楽曲の演奏が始まったのでしょう。ピアニストらしい描写にはっとします。

冬天へ最後の主音届けよと
演奏はフィナーレを迎えました。最後の音を弾き終えた瞬間のピアニストの充実感、それを聴き届けた鑑賞者双方の思いが伝わります。

冬の夜を楽譜とドレス背負い帰る
最後の句まできて、これはますみさまご自身の演奏に精進された日々を思い出しての御句たちか、と気づきました。華やかなステージが「ドレス」に、「背負い帰る」に日常が感じられます。
(有花さま)
返信する
転記 (句会より)
2023-12-07 21:52:38
(「俳壇12月号」に7句ご掲載大変おめでとう御座います!!。
その、ご掲載7句の中より、ピアニストとして発表会に臨む緊張感に溢れる下記の3句を特に頂きました。小生も永年ジャズバン演奏をおこなっておりましたので、ステージへ出る緊張感を存じて居ります。)

懐炉手に祈り無音の舞台袖
 寒くて冷たい舞台待ちです!!。手の指が凍えないよう懐炉を持ち、舞台袖に於いて祈るような心情で順番を待っています。

手袋をぬぐや舞台のピアノへと
 懐炉を持って手を温めていた手袋を脱ぎ、やおら舞台に出て観衆に一礼の後、ピアノへ向かいます。

降る雪のごとく始まる連打音
 演奏が始まれば、もう無我夢中です!!。指がかってに動き、寒さも忘れてピアンの連打音の嵐ですね!!。演奏の興奮が見えるようです。
(栄太郎さま)
返信する
転記 (句会より)
2023-12-07 21:58:37
「俳壇」12月号7句掲載おめでとう御座います。
7句とも素敵な御句ですね。
その中でも「凩」の御句、「ショール」の御句、「手袋」の御句、「降る雪」の御句、「冬天」の御句が特に好きな句です。大変勉強になりました。有難う御座います。
(泰與さま)

冬の夜を楽譜とドレス背負い帰る
音楽をする人なしかわからない感覚だろう。演奏の余韻の残る楽譜とドレスを背に夜空を帰るのであるが、その心地よさを感じ取ることがてきます。
(晃さま)

降る雪のごとく始まる連打音
しんしんと降る雪のように、次から次へと指が滑らかに鍵盤へ落ちてゆく姿が想像できます。軽やかさと重みのある音のようです。
(句美子さま)

手袋をぬぐや舞台のピアノへと
侍が盃を割って出陣する如く、手袋を外して颯爽と舞台へ出ていらっしゃる景と意気込みが感じられる素敵な句です。
(洋一さま)
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