かわな ますみ / 花冠同人

かわな ますみ の俳句
  ブログ句帳 

秋入日

2023-10-31 20:00:00 | 今日の俳句
秋入日富士を赤茶の影にして
雲も陽も富士へ沈める秋夕焼
 正子先生添削
 雲も陽も富士へと沈む秋夕焼
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夕月夜

2023-10-20 16:00:00 | 今日の俳句
窓八枚真横に秋の雲たなびく
夕月夜世代の違う友二人
 正子先生添削
 夕月夜世代それぞれ友二人
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俳誌『花冠』第369号掲載作品

2023-08-27 16:17:02 | 俳誌「花冠」掲載作品
「囀あふれ」
初御空富士真っ白に晴れ渡り
ベッドより伸ばす左手初明り
春立つ日新しき刃が髪を断つ
菜の花を広場に咲かす五年生
高窓に囀あふれ処置室へ
囀も陽も高窓を零れくる
花曇青の自転車赤のバギー
糊利きし白衣四月の病院に
病牀に今日も長閑という遊び
花冷えや一指を象牙の鍵盤に
ざく切りのリズム弾ける春きゃべつ
車椅子速めに走り五月来る

〈高窓抄〉
高窓に囀あふれ処置室へ
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ゼリー

2023-08-20 17:00:00 | 今日の俳句
大切りのメロンをぐいとジューサーに
旧友と分けるゼリーのきれいな色
揚花火横浜港のリズミカル
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メロン

2023-08-03 22:13:06 | 今日の俳句
青空へ紐を結びし竹簾
 正子先生添削
 青空へ紐を結びぬ竹簾
窓拭けば遠き万緑迫りくる
賜りしメロンをぐいとジューサーに
 正子先生添削
 大切りのメロンをぐいとジューサーに
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盆支度

2023-07-13 09:00:00 | 今日の俳句
にぎやかに母の友らと盆支度
地域猫見上げる先に七夕笹
フラミンゴ水浴びるとき夏日揺れ
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芍薬

2023-06-16 20:40:46 | 今日の俳句
故髙橋信之先生追悼句会
〈2007年水煙俳句フェスティバル〉
天の青知る師と乾杯十一月
芍薬を深く抱く師の薄き胸
青葉雨心あそばせ光りとなる
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五月来る

2023-06-02 18:21:07 | 今日の俳句
ざく切りのリズム弾ける春きゃべつ
車椅子速めに走り五月来る
 正子先生添削
 五月来ぬ速めに走る車椅子
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花曇

2023-04-14 18:36:34 | 今日の俳句
花曇青の自転車赤のバギー
病牀に今日も長閑という遊び
花冷えや一指を象牙の鍵盤に
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2023-04-09 17:04:11 | 今日の俳句
囀や高窓あふれ処置室へ(原句)
 正子先生添削
 高窓に囀あふれ処置室へ
囀も陽も高窓を零れくる
糊利きし白衣四月の病院に
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菜の花

2023-04-04 19:19:27 | 今日の俳句
菜の花を広場に咲かす五年生
春立つ日新しき刃が髪を断つ
新しき鋏の響き今朝の春
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初空

2023-01-14 16:50:25 | 今日の俳句
初空に富士のしろさの大いなり
ベッドより伸ばす左手初明り
初御空富士真っ白に晴れ渡り
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俳誌『花冠』一月号(第368号)掲載作品

2023-01-07 22:00:00 | 俳誌「花冠」掲載作品
「水彩の青」
水彩の青の刷られしサンドレス
また晴れし十三回忌青葉風
命日の夕べざくざくきゃべつ切る
街へ来ぬ素足にかるきハイヒール
空蝉のふんばり碧き羽を背負う
剃刀のあたる襟足夏の雲
髪切って胡瓜どっさり冷や汁に
爽やかにコンテスタント調弦す
竜胆のふれれば傾ぐやわらかさ
初時雨しろき天井仰ぎみる
日向ぼこ猫がそうしていた部屋で
からからと笑うヘルパー小春風

 冬日抄
水彩の青の刷られしサンドレス
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俳句と私(俳誌『花冠』第368号掲載)

2023-01-07 21:50:00 | 散文
俳句を始めたのは二〇〇五年、ピアニストの活動を休み、長期入院中のことでした。高橋信之先生と正子先生に初歩から学べましたのは、この上ないご縁だったと存じます。両先生のお導きで俳句を知るうち、演奏ができなくても俳句なら音楽と同じ道を歩める、同じところを目指せる、と光を見出しました。投句のペースは落ちましたが、今なお「花冠」は希望の場です。

十二年前に父が急死して以来、傍らに死が続きました。祖母、主治医、母、愛猫、ピアノの師。かつては失えば生きられないと想った者の死を、図らず受容している自分に驚きを覚えます。それはおそらく、俳句を通して、自然や季節を見続けた結果なのでしょう。失うのではない、季節が巡るように重なりゆくのだ、そう死を捉えるようになっていました。

花の散る様を、ただ「落ちる」と詠んだ拙句に、正子先生から
 「散る」ことも「散る力」なのです。
とご指導をいただいたことがありました。進行性の難病ゆえ、体の機能はつぎつぎ衰えますが、今はそれも力であると信じられます。

音楽も俳句も命も、自然に倣い、同じ道をゆくのですね。迷わずに進めそうです。拙く遅い歩みですが、これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
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小春風

2022-12-22 22:00:00 | 今日の俳句
月例ネット句会
からからと笑うヘルパー小春風
日向ぼこ猫がそうしていた部屋で
眉墨をやや長くひく今朝の冬
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