今日の俳句「笹鳴き」

寒暁の煌めく空や水清
枯蓮の風にゆられし水面かな
切岸に立つや奈落の冬の滝
笹鳴きや光りあまねく利根川原
顔色の良きと言われし冬落暉
指先も痛さ恐れし初氷

高橋信之先生、正子先生
一年間ご指導有難う御座いました。
来年もよろしくご指導願います。
なお、３１日より４日まで、ブロクをお休みさせて頂きたく
よろしくお願い申し上げます。
本当に有難う御座いました。
良い年をお迎えくださいませ。
　　　　　　　　　　　　　　　小口泰與

今日の俳句「雪」

幼な雪鶏鳴ありて消えにけり
温泉に入りて寒暁の月探しをり
岩風呂に蹠こすりて冬麗
北風に乗りて来向かう鴉かな

今日の俳句「葉牡丹」

葉牡丹や紅の頬つぺの耀える
上州の虎落笛こそ聞きにこよ
神(かん)ながら浅間に積もりし根雪かな
空っ風利根の水音聞き分くる

今日の俳句「月冱つる」

寒暁の唐紅の庁舎かな
枯草の同じ方へと傾けり
月冱つる菓子の出荷の終りけり
空っ風妻かろがろと庭におり

今日の俳句「寒さ」

喧きおなが飛び立つ冬林檎
風早の庭に山茶花散り急ぎ
霜だたみ朝の静寂を醸すかな
蹠より寒さ伸びをり鶏の声

今日の俳句「酉の市」

山の湯の時雨うつうつ夕間暮れ
風割つて飛び交うとんび酉の市
田畑も霜を被りし耳痛し
冬帽を変え散策の道を変え

今日の俳句「白鳥」

冬薔薇や日の当たりおる片ほとり
あけぼのの白鳥数うパンの耳
冬晴れや裾野ゆたかな赤城山
枯草のけぶれる中の鶏冠かな

今日の俳句「熱燗」

熱燗や梢の鳥の喧き
渓よりの強き寒風松の枝
山風に向かいて歩む冬帽子
黒雲に梢弓なり漱石忌

今日の俳句「霜だたみ」

寒暁の秩父連山紅の雲
暁のおなが喧し木守柿
寒暁のかそけき月の静寂かな
東雲の土頑なり霜だたみ

今日の俳句「木守柿」

冬晴るる濡れせんべいの堅さかな
風早の赤城の里や木守柿
浮雲の裾野にありて落葉焚
満月の榛名に沈み十二月