今日の俳句「春落葉」

春落葉大王松も揺れにけり
さえずりや小犬野原をわがものに
のどかなり来冬用の帽子かな

今日の俳句「春光」

春光を浴びし榛名や鮮らけき
ねこやなぎ秩父連山おぼろなり
産土のおぼろなりたる谷地田かな

今日の俳句「雉」

春暖や朝の人語の清々し
雉鳴くや雪を被ぎし浅間嶺
かたくりや斑雪になりし榛名峰

今日の俳句「たんぽぽ」

たんぽぽや顔くしやくしやの小犬をり
畑焼や日のしりぞけば山後方(しりへ)
春嵐鶴のかたちの県襲う

今日の俳句「猫柳」

水底に夕日染み入る猫柳
梅の香に気づきて歩む小雨かな
春嵐からからからの厩橋

今日の俳句「淡雪」

振り向くやだんびら雪の利根河原
榛名峰淡雪被きて羽音かな
百千鳥しば鳴き利根は迅きかな

今日の俳句「下萌」

しなやかな赤城の裾野枝垂れ梅
ほやほやや耐へし下萌田いちめん
春曉やおぼろの影の恐ろしや
耐へしのち畦に下萌定かなり

今日の俳句「ひばり」

暮れがたき榛名背にするひばりかな
長閑さや草津湯煙立ちゆらぎ
突風も朝寝むさぼる小犬かな

今日の俳句「朝寝」

訪ね来し榛名の里の桜餅
次々と鳶の舞ひをる朝寝かな
窓叩く風の便りや春寒し

今日の俳句「猫柳」

猫柳赤城鍋割はだれなり
一陣の突風ありて追儺かな
夕日射す榛名の峰の斑雪かな