萩の花吹く風にあかを膨らませ
空高し体育の子らの背伸びして
金木犀銀木犀と散りにけり
トランポリン跳ねて近づく秋の空
秋の蝶白き軌跡を青空に
秋桜校庭子らの絵描きして
利根川を渡り一面蕎麦の花
秋風に風向計の右左
彼岸花路傍に緑と赤の帯
丸き丘転がる秋の遠足子
博物館数多な木の実展示され
秋の森野鳥調査の双眼鏡
木犀の香のなか子らの鬼ごっこ
赤とんぼ児ら青空に指立てて
木犀の仄かな匂い喪服着る
藍染の工房の庭萩揺れて
風吹ける苅田に二羽の白き鳥
墓参りして訃報入る秋彼岸
秋分の日長袖のシャツ用意して
鰯雲平地の樹々の色付いて
秋風やポプラの葉音のリズミカル
利根川を渡り広がる稲田かな
藍染の体験秋の遠足子
お弁当金木犀の樹の下で
果物屋秋の味覚を店先に
赤とんぼとんがり帽子の時計台
夕茜西へと向かう鳥一羽
梨園で子ら梨をもぎ丸かじり
梨狩りの有様俳句にする子たち
都会の夜街に星明かり月明かり
星々の高きに凛と空澄む夜
星月夜地上に風と虫の音と
図書室に秋風入れて子ら読書
秋桜や新築住宅売られおり
雨止みて空いっぱいの夕茜
空晴れて瞬く星の爽やかに
コスモスの揺れし小路を手をとりて
叢の空中都市や曼珠沙華
がまずみの実に雨脚の白々と
運動会朝の花火の威勢よく
秋空に子ら玉入れの数競う
ビリの子へ拍手声援運動会
マンションに干し物並ぶ秋日和
秋空へ飛行機雲のずんずんと
秋の暮れ都会の街に鐘の音
