揚羽舞う渋滞の道悠々と
中学生ハンカチ額に部活動
蒸暑し街の中行く選挙カー
外に行く孫の手に籠と捕虫網
「捕ったよ」と戻りし孫に西日差す
油蝉孫は籠から取り出して
孫の籠覗けば飛蝗底にいて
風通る緑陰求めてする散歩
ジョギングの初老の額に光る汗
蒸暑し猫の寝そべる木陰かな
緑陰に鳥鳴く声を暫し聞く
中学生ハンカチ額に部活動
蒸暑し街の中行く選挙カー
外に行く孫の手に籠と捕虫網
「捕ったよ」と戻りし孫に西日差す
油蝉孫は籠から取り出して
孫の籠覗けば飛蝗底にいて
風通る緑陰求めてする散歩
ジョギングの初老の額に光る汗
蒸暑し猫の寝そべる木陰かな
緑陰に鳥鳴く声を暫し聞く
揚羽蝶の舞う姿は時間と空間を超越したような非現実的な感じがあり、男性であれば誰でも子供の頃憬れた事があると思います。車が渋滞している道路に揚羽蝶が突然迷い込んだ光景だと思いますが、その揚羽という非現実性と、車の渋滞という現代の超現実の取り合わせが、まさに俳諧に於ける諧謔の妙味ではと感嘆しするばかりです。