「とある飛空士への恋歌 」3巻
気づかないうちに発売されていたのを見つけたので買ってきました。
ただ、2巻が全編学園パートだったので
正直、あんま期待してなかったんですよ、3巻。
2巻ラストでちょっと物語が動き出したかと思ったのに3巻も最初はやっぱり学園パート。
ちょっと下がり気味のテンションで読んでいたんですが、
漠然とした死の予感を感じさせる描写の直後、
中盤から一気に怒涛の空戦パート!
こっからは作者の本領発揮って感じで
密度の濃い、凄惨で、刹那的なリアルな空の戦いが3巻最後まで続きます。
いやーやっぱこの作者はギャグっぽい話書くより
こーゆーシリアスな話書く方の力のほうがあると思いますねー。
前半と中盤以降じゃあなんか文章に籠もってるエネルギーの量が違う気がしますもん。
3巻の主役はやっぱり中盤で大活躍だった「ミツオ・フクハラ」ですよねー?
正直2巻読んでから時間も経ってたし、出てきても「誰だっけ?」って感じではあったんですが、
ミツオは漢だった!!
多分、彼が出撃した時点では、
彼が置かれた状況では、
ほぼ最良の結果を彼は残したと思います。
惚れた女も守れないのは男じゃない!!
この3巻で俺が最もウルっときたのは
ミツオとチハルの機体を見つけたときの
正規軍雷撃隊の指揮官の心境とか叫びとかのところですねー。
これで燃えなきゃ男じゃねーですよ!!
あと、過去の経歴が分かってから一気にカッコいい活躍の場が出来たバンデラス先生。
2巻ではただのギャグ要員かと思いきや、
3巻ではちゃんと見せ場あり。
かつカッコイイ大人でした。
個人的な趣味なんですが、
やっぱり大人がちゃんとカッコイイ物語は好きです。
主役である少年少女に道を示す大人がカッコ悪い物語って何かしまらない気がしません?
俺はそれまでの経験をちゃんと踏んできた良識的で強い大人が出てくるほうがいいですね。
あと、ちゃんと「とある飛空士への追憶」を読んでいる人はこの3巻を読むと
「おっ!」
って思うかもしれませんよ。
3巻をより楽しみたい方はまず「とある飛空士への追憶」も読むことをオススメしますね~。