消しカスビート_人参方程式-(ん)

農業高校生、のらりくらりと日々過ごしてます。

バレンタイン記念小説

2012-02-13 22:57:20 | 短編小説

 君が紡ぐ物語

 

携帯には受信メールが1件。

   『放課後、非常階段で待ってます。 水谷優菜』

 

1ヶ月前、非常階段に呼び出し告白して、断られた相手からのメールだった。

フられた相手から、フられた場所に呼び出され…

正直良い気はしない。

それと同時に期待を拭いきれないのも悔しいところだった。

昼休みに届いたメールを何度も読み返し、5時間目終了とともに返信する。

   『わかった。行くよ。』

どちらも絵文字なし。冷たい文字だけが並んでいて、相手の感情が読み取れない。

期待はしない、自分の胸に何度となえても頭の片隅には「もしかしたら」の文字が消えない。

6時間目が終わるのが待ち遠しい。呪文のように頭の上を通り過ぎてゆく数学の公式に「くあっ」っと欠伸が出た。

 

「きょーつけぇー れーぇ」   授業終了の挨拶でふと意識が戻る。

「お前、途中から寝てたよなw

前の席から振り返って話しかけてくる霧嶋に適当に頷きながら、放課後に呼び出されていたことを思い出す。

「ゃべっ、霧嶋、ちょっと俺、部活遅れるっ」

「ぇ、なんかあんの?」

先輩に伝えるのが面倒だという、不機嫌な顔。

「ちょっと呼び出された」

誰から、とは言わない。先生に呼び出されたとでも思うのが普通だろう。

「…あ、あぁ、なるほど、モテる男はこれだからね~先輩に伝えとくよ」

モテる…?てめぇに言われたかねぇよ。

 

教室に水谷さんの姿はもぅ見えない。

机の上に放り出されていた黒いケータイと、鞄からはみ出る茶色のマフラーを掴み、早足で教室を後にした。

 

「…よす。待った?てかここ寒ぃな。」

首にぐるぐるに巻いたマフラーに顔を埋めるようにして話しかける。

「大丈夫。…久米君、呼び出してごめんね。ちょっと…話聞いてほしくて。」

…はなし…ねぇ…

「ある女の子の話なんだけど…

  …………

 あるところに、高校1年生の女の子が居ました。

 その女の子は高校に入学したときから…ぃや、その前からずっと好きだった 男の子が居ました。塾が同じで、難しい問題を教えてもらったそのときから、その子のことが好きでした。

 高校は同じで、同じクラス。席は離れていましたが、すぐにその男の子だと わかりました。

 女の子は先月、その男の子に告白されました。

凄く、凄く嬉しかったけど、女の子は相手のことが信用できず、フッてしまいました。

 その男の子はほかの女の子からも好かれ、自分が相手をしてもらえるとは到底思えなかったからです。

 でも、その男の子をフッてしまってから1ヶ月、女の子はずっと後悔していました。せっかく、相手も勇気を出して告白してくれたはずなのに、信用できずに……

 2月14日、女の子はお昼休みに男の子にメールしました。

 彼をフッてしまった、非常階段に放課後、来てほしいという内容で。」

「…水谷さん?」

「そして、彼はそこにきてくれました。女の子は、今度は自分から言ってみようかと思います。」

 

「久米くん、好きです、付き合ってください。」

    Happy Valentine's Day

 

頭を下げながら差し出された、綺麗にラッピングされたそれは、

      君が紡いだ物語は、何処までも優しく、俺の心に響いた。

 

 

 


ん。これが書きたかった。

いや、でも俺視点はいやだった。

僕がよくて何度も悩んだ。

結果「俺」。

 

展開が早すぎるって??

いいんだよ、風呂場での思いつきの案なんだから←

 



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
『俺』がいいです。 ( rose-k.)
2012-02-14 14:22:37
消しカス先生はどなたか…『俺さん』に『バレンタインのチョコレート』を差し上げましたか?正直にお答えあそばせ!
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Unknown (消しカス方程式)
2012-02-14 19:00:04
>rose-k.さん

え…いないですね、ハイ。

クラスの女子14人と、お世話になってる先生(男)2人には渡しましたが、
一人称「俺」、にはあげてないです←
本当にです。
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