「千葉会」土曜日の部に参戦。
TRIGUNさんと「EP/CMJ40日露戦争」をプレイしました。
事前の相談で私がロシア軍を担当することとなってました。
TRIGUNさんは先の「信長包囲戦リーグ」で12戦11勝の御方。
山崎美鶴さんを御相手に、最近VASSAL上で「日露」を連日プレイされており、「めきめき上達」との評判。
私はソロプレイ歴こそ長いですが、対人戦は過去わずか4戦ですので、これは多少準備しておかないと吹き飛ばされそう。
そんな訳で、今回は序盤の鴨緑江戦がうまくDRで逃げられれば、思い切って「旅順方面強化策」で行こう、と計画しました。
従来の私は満州軍優先で、旅順方面にはあまり増援、補充ポイントを送らないのですが、今回「旅順方面強化策」を思い立ったのには幾つかの伏線があります。
・過去2回のVASSAL対戦で、varonさんの見事な南山~旅順遅滞戦術に苦しめられた。
・「シミュレーションゲーム共用掲示板」の過去ログに
「旅順篭城策」が紹介され、かつ諸先輩により考察されていた。
・山崎美鶴さんが「南山強化策」(遼陽初期配置の2個旅団を南山に鉄道輸送強化)を好まれるとの情報。
(遼陽の2個旅団がなくても山地で守れる?かも・・)
・CMJ40号の新保氏の記事でも「8輸送Pで15戦力送る」(シベリア師団と砲兵2個旅団ですな)の記載あり。
そんな訳で、諸々検討してロシア軍の初期計画は、
1、鴨緑江のセットアップはDRが1/3で期待できる、
varon式3-0-1配置。
2、それで鴨緑江戦がDRなら、旅順方面を重点強化。
具体的には第1ターンの輸送P10のうち6Pを旅順に使用。
(残り4Pで遼陽に2個騎兵旅団増援。)
7-6師団1個を増援配置し、2補充ポイントを備蓄、
(旅順に計8P)。
3、そして遼陽の初期配置旅団のうち1個を金州(南山前面)に鉄道輸送、というものです。
私の意図は「旅順強化遅滞戦術」です。さすがに共用掲示板の「篭城策」のような「満州平野完全無視」は好みではないので、ある程度の部隊を満州軍に残しつつ、自分なりに精一杯の援軍を旅順方面に送ることにしました。
金州に1個旅団を送るのは、第2ターンに南山が直接攻撃されるのを防ぐ為と、期待値50%以上でその部隊もDDで生還できる事を考えてでしたが、直前検討で大穴があることが判明。(第2ターンでの南山陥落の可能性を減少させる点では有効ですが。)
でも、その穴を突かれれば、日本軍の勇気に脱帽して無視することにしました。
旅順に無理して師団を送るのは、南山西の地峡部での戦闘比を考えてです。ここで運よくARでも出てくれれば1~2ターン余計に時間が稼げるかも。
事前の感触では旅順陥落は9~10ターンとなり、サイの目に恵まれれば最終ターンまで粘れそう。水兵部隊も編成すれば、日本軍5個師団程度を拘束でき、北方での決戦に遅らせることができるのでは?と考えました。
「奉天最終決戦」にパットンじゃなくて乃木第3軍を参加させないのには、を考えての旅順強化構想のスタートでした。
え、鴨緑江戦がDR以外(確率2/3)なら?
その時は普通~に、プレイするつもりでした(笑)。
確率の高いところの対策をしていないのは、今に始まったことではありませんので・・・。
以下、対戦時の画像をはさみますが、全ての局面は撮影していないので、一部説明のため、記憶からの再現によるイメージ像もあります。予め御承知おき下さい。
・第1ターン
土曜日午後2時、TRIGUNさん率いる日本軍は黒木第1軍による鴨緑江渡河作戦が開始されました。
そして運命の戦闘結果はDR。ロシア軍は部隊損耗を出さずに撤退。日本軍は騎兵を戦闘に追撃。
そしてロシア軍は当初計画どおりの旅順方面強化策。

<第1ターン、南山・旅順方面>
ここでロシア軍、鴨緑江方面でとんでもない失策を犯したのです。
下図は日本軍の戦闘後前進終了時ですが、騎兵旅団を道路沿いにもってくると、丁度日本軍騎兵旅団を包囲できる。
varon師匠のお言葉、「騎兵を見たらヤルでしょう。」に従って、思わずやってしまいました。

<第1ターン日本軍終了時:イメージ>
まあ、過去2戦のvaronさんとのVASSAL対戦で、いずれも序盤に騎兵をヤラレタので、
かなり意識過剰にはなっておりました。

包囲攻撃で、結果EXRで壊滅に成功、戦闘後前進を利用し戦線構築。

<イメージ:こんな具合だった印象>
・第2ターン
さて、TRIGUNさん、旅順方面も鴨緑江方面も予期しない展開で多少驚かれた様子でしたが、さすがは「信包大会」の連続王者、こちらの失着を見逃しませんでした。
このターンの増援を全て安東付近から上陸させ、ロシア軍前線部隊の全滅を狙われました。3個師団と2個騎兵旅団を追加増援されてきました。
「第2ターンの日本軍は南山方面」との私の勝手な思い込みが招いた大誤算でした。

<イメージ:こんな具合に戦力を集中され・・・>

<イメージ:壊滅~戦闘後前進~包囲の見事な連鎖>

<イメージ:3個旅団壊滅・・・・>
実戦とは若干部隊配置など違うかもしれませんが、おおよそ上記のような具合で・・・。
山地防衛のための貴重な3個旅団が消滅してしまいました。
通常であれば、ここでモラル崩壊、「参りました」でもおかしくない状態ですが、幸か不幸か形の上では「旅順重視」ですので、ここは「スラブ民族的ねばり?」の精神で出来るだけ頑張ろう、と継戦を決意。それに元々往生際が悪い性格ですので。
(対戦者には御迷惑をお掛けしますが。)
この時日本軍増援が鴨緑江方面に集中し、南山・金州方面は手付かずとなったので、急遽旅順に初期配置の騎兵旅団を鉄道で北へ逆輸送しました。また次ターンでの南山への攻撃意欲を削ぐため、シベリア師団を南山に配置し、計13戦力としました。
これで金州の旅団はスタックオーバーのためDDでも退却できませんが、時間稼ぎのため諦めることにしました。
・第3ターン
このターン、まずウラジオ艦隊がまさかの壊滅。
山地はかろうじて薄い戦線が張れている状態だが、6個歩兵師団、2個騎兵師団、砲兵の圧力に当然ながら大苦戦。
旅順方面の日本軍攻勢が開始され、予想通り金州の歩兵旅団が壊滅。これを見て事前の検討結果に従い、南山要塞は歩兵旅団1個3戦力のみ残して10戦力分は後退させました。次ターンに日本軍が南山を攻撃する際に、比較的高比率が立ちやすいように、との配慮です。これなら攻城砲目的の低比率攻撃より正攻法を選択されるだろう、と考えたからです。

<第3ターン終了時の山地方面>
・第4ターン
ところが予想に反して日本軍の選択は、南山要塞へ後備旅団1個4戦力での1:1攻撃でした。結果は日本軍にとって最悪のAEとなりましたが。その分余裕のある戦力を満州軍方面に投入されてきました。当然ささえきれず、犠牲部隊を出しながら戦線を薄く維持します。南山は「要塞攻撃失敗」の実績が出来てしまいましたので、再び方針転換して13戦力で篭ります。
・第5ターン
当然ながら日本軍は28センチ攻城砲2ユニットを上陸させます。南山攻撃はその前線到着を待つ形となり攻勢は一回休み。
その分日本第1軍の山地での強力な攻勢が続き、第2軍も遼陽近くまで進撃してきました。
当方は戦線維持のため、早くも一部部隊が山地を下りざるをえませんでした。
・第6ターン
重砲支援を受けての日本軍の南山要塞攻撃3:1はAD。旅順方面の我が軍はある意味当初の想定以上の善戦です。
これに対して、満州平野は日本第2軍の攻勢でシベリア7-6師団が1個壊滅し、早くも遼陽が陥落(というよりは当方が早々に放棄)です。また、最高比率7:1でもDE、DD50%のハズが、TRIGUNさん、こちら側ではダイズ好調で、実質7割、当方の体感では9割でDEを出すので山地側では、部隊数不足 → 低戦力戦線 → 高比率での被戦闘 → 部隊壊滅減少、の悪循環がより顕著に。典型的な戦力逐次投入、各個撃破パターンです。

<第7ターン開始時:奉天周辺>

<第7ターン開始時:旅順方面>
・第7ターン
南山要塞は今度も奮戦しました。4:1で結果はEX。ロシア側も2個師団相当が裏返りますが、ここは貴重な土地と時間を確保することができました。うまくいけば旅順陥落阻止ができるかも・・・。僅かな希望が見えました。
残存ユニット数と補給Pの関係から南山死守は困難のため、足止め部隊のみを残しての遅滞作戦に移行します。
北方では山地を突破した日本軍、真っ直ぐ奉天には向かわずに撫順を落とし、その最右翼を鉄嶺方面へ延伸させてきました。
日本軍としては次ターンに鉄嶺付近で鉄道線を遮断し、ロシア軍主力を大きく包囲する構想だったのでしょうか。
当然ロシア側はそれを阻止せねばならないので、奉天の放棄も決断。司令部だけを奉天に残し、可能なだけの戦力を鉄道沿いに北上させ鉄嶺前面に展開させます。そして日本軍の先頭の2個騎兵旅団スタックに攻撃を集中させ、残念ながらDEは出ませんでしたが撃破に成功。ロシア満州軍は大きな危機をひとつ脱しました。
奉天は大包囲されているので増援ユニットは出さずに全て補給ポイントに回しました。

<第7ターン:鉄嶺の南で日本軍騎兵を撃破>

<第8ターン開始時:南山から防衛部隊主力は撤退、遅滞作戦に移行>

<第8ターン開始時:奉天~鉄嶺方面>
・第8ターン
当然ながら、このターンで南山が陥落。旅順まであと5ヘクスに迫ります。
北部の日本軍は、ロシア軍司令部が後退して増援を出させないように、奉天及び鉄道線を迂回して前進。中立ライン側で撤退しきれなかったシベリア師団を壊滅させましたが、ここで僅かなミスをされました。
どうせ補給切れ壊滅、との判断で、摩天嶺付近のロシア軍を包囲していた部隊を離してしまわれたのですが、遼陽北の戦線が4戦力の後備旅団1枚になっていたのです。
そこに鉄嶺前面のロシア砲兵旅団が鉄道沿いに進撃し、1:1攻撃でDR、補給路を打通してしまったのでした。
この部分だけユニット間が2ヘクスだったので、EXでもZOC消失で補給路回復、ARなら奉天側に退却し、それはそれでOKというのが私の判断でした。
補給再開でロシア2個師団が回復、ZOC内なので未回復ですが、旅団で遼陽を再占領です。
これまた予想外の作戦に、TRIGUNさんの精密頭脳はきっと大混乱なさったのではないでしょうか。

<第9ターン開始時:奉天周辺>
・第9ターン
今振り返ってみると、最終的に勝負を決めたのはこのターンだったのかもしれません。
結果論ですが、旅順が陥落しなかった場合のことを考えて、日本軍は全力で鉄嶺奪取を目指す必要がありましたね。
でも、それには大量の中立侵犯が必要です。でもその場合は一機に四平まで取ればいい。
ただしロシア戦線を破れなかった場合は・・・・・。
そして、その為の強力な武器である28センチ砲は、まだ旅順方面にあるのです。
この対戦においては、TRIGUNさんは鉄嶺奪取を断念されました。
この時点で重砲部隊の北方転用が困難なことと、旅順陥落の可能性をまだ高く見られていたようです。
(このターンの南山西の攻撃がまたしてもDEが出て、部隊数が足りなくなるか心配になりました。

<第10ターン開始時>
・第10ターン以降、北部戦線
日本軍は第9ターンに奉天を占領し、満州軍司令部は鉄嶺に移りました。
以後ロシア側は毎ターン2個師団の増援が到着し、戦線を更に強化。
両軍対峙のまま終局となります。
・第10ターン以降 旅順戦線
このターンの足止め部隊に対する戦闘結果はDDとなり、水兵部隊と合わせれば、旅順の逃げ切りが見えました。
最終第12ターンの攻撃で外郭の2つの要塞は落ちましたが、旅順市街は無傷で保持に成功。
遼陽、奉天、撫順などの他、多数の部隊損失を出しましたが、日本軍VP61点に留まり、ロシア側勝利となりました。
序盤はいったいどうなることか、の展開でしたが粘った甲斐がありました。旅順~南山方面はサイの目にも恵まれました。
なお、この対戦では明石大佐工作は不調で、シベリアの冬と合わせても-4Pだけでした。
もっとも、ウラジオ艦隊も何もしないうちに壊滅でしたが。
事前にある程度検討したつもりでしたが、いざ対戦してみると、予想外の展開ばかりで、やはり実戦に勝る修行の場はないのだな、と痛感しました。
TRIGUNさん、対戦ありがとうございました。
次回は私が日本軍でお願いしたいですね。