将棋連盟の棋譜管理についての妄想

2006-09-13 23:59:20 | 将棋
12日付のさわやか日記「WEB」(後半を引用)
それから九段がいっぱいいる将棋会館へ。将棋界のネットについての会議1時間半。
それから新宿で外部の人と打ち合わせ。それもネット関係です。
どうやら将棋界もネットでお金をゲットする時代になってきたようです。もっともネットは全て無料が前提です。
あと1ヵ月くらいで取りまとめの原案作成という段取りです。

を読んで、やっと話がまとまるのかなあ、と期待しています。
実際に何をやるつもりなのかは皆目見当がつかないのですが、米長政権発足から、私には期待していることがあります。棋譜データベースの構築です。今までは連盟が自前でやっているわけですが、データベースの開発・メンテナンスと棋譜の販売権をセットで外部に譲り渡して、連盟は定額の代金を頂くようになるのではないかと思うのです。もちろん、“ネット関係”の一部に過ぎず、原案に含まれるのではないか、という程度です。語られている構想ははるか広範囲に亘るものでしょう。

 米長永世棋聖が『近代将棋2002年7月号』で以下のように書いているのを読んで、期待を抱きました。近代将棋をわざわざ読もうと思ったのは、“棋譜と著作権にまつわるMEMORANDUM”を読んでからです。

『近代将棋 2002年7月号』p.20-p.21 「みんなの将棋 第17回 著作権に関する一考察」より
将棋の普及に関する連載の第17回でタイトルは「著作権に関する一考察」、p.20~p.21の最後段
 ところで、本題に戻して将棋の棋譜に著作権があるのだろうか。
 もちろんあるのです。今月号の私の問い掛けは、日本将棋連盟にとって、棋譜の保存は権利なのか義務なのか。
 これはビックリの設問でしょう。
 権利というのは「これは私の物ですから無断で使用したら困ります。使う時にはお金を払って下さい」ということです。収入源でなければつまらない。
 現状はどうか。これを保存するために多額の金を投資して、毎年多額の金を費やしている。
 それでは対価はどうなっているか。金銭のみで計算しますと、収支はマイナスです。そのお金は棋士が負担しているのです。将棋連盟の経費は総て棋士でまかなっている。プラスになれば棋士で分配し、マイナスは棋士が補う。
 全く新しい発想。著作権は第三者に特別契約して譲り渡し、浮いた費用は棋士が分けて飲んでしまう。これだとうまい酒にありつけそう。
 棋譜そのものは社団法人が管理して著作権は私のもの、等とは言ってはいますが、もうからないものは手放した方が良いと思っています。
 ただ、権利ではなく、これは義務ならば止むを得ません。
 古い棋譜は定年後のオヤジみたいなもの。自分だけが極めて重要と思っていて他人は違う目で見ている。


 棋譜ビジネスに金銭的な旨みがないことを承知した上で、そこから収入を得ようとする考え方だと思います。自前で無駄な出費をしながら開発(棋泉)→開発を委託(富士通?,三洋=年鑑CD-ROM&KIFUDAS)と来て、赤字は減っているでしょうが、管理・販売を委託すれば、一挙に黒字になります。

 この連載は永世棋聖の政策表明演説と捉えることも可能で、他の回も現在・未来の連盟の運営方針を示唆すること多大なものがあります。WEBとWEBの違い(笑)について読んだ記憶があるのですが、見つかりません…。