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靖国神社について(3)-靖国神社と外交問題

2006-06-19 07:03:22 | 靖国神社・愛国心・天皇問題
■現在、表面化している最大の靖国神社問題は、外交問題としての靖国問題である。外交問題として靖国神社参拝を考えるときに、靖国神社参拝継続を主張する立場の主な理由は、中国による参拝中止要求は内政干渉であり、主権侵害であるというものである。

■現在の、国際化に伴う国家間の関係において、いかなる要求が内政干渉であるかという判別は非常に難しい。現代においてはまったく他国に影響されることなく、自国の政策を決定することは難しくなってきている。

自国の内政が他国の政策に影響を与えるという場合も多々見受けられることから、自国の政策でありながら他国の干渉を受けるということはよくあることだ。アメリカによる年次改革要望書などは、その際たるものだ。

■特に安全保障に関しての政策は、他国との相対関係で決定されるので、他国の軍備のあり方に言及することはままあることだ。最近の中国脅威論(中国脅威論が正しいかは別として)なども、中国との関係における日本の中国に対する意見表明である。

これらは中国にとっては自国の防衛という内政問題なのであって、それに言及する日本は中国に対して内政干渉しているのか。と問われれば、(中国がどう思ったとしても)けっしてそうではない。

他国の内政であっても、自国に影響が及ぶような政策であるならば、それに懸念を表明し、言及することは当然のことである。極端に言えば、他国に言及する場合は、全てにおいて内政干渉なのである。(外交そのものが他国に対する内政干渉といえる)もし内政干渉という言葉に否定的な意味合いが込められるとするならば、その要求が不当なものである場合だと思う。

■この事を踏まえて考えるならば、中国の靖国神社参拝中止要求は、不当な圧力としての内政干渉ではないと考える。まったくなんの背景も無く、突然、中国が靖国神社は認めないと主張するならば、それは不当な圧力としての内政干渉と言えるかもしれない。

しかし、中国との過去の関係において、侵略という背景があり、その侵略の責任をA級戦犯に押し付けることによって、現在の日中関係がある。この前提を反故にしかねない靖国神社参拝に、中国が中止要求するのは当然な反応である。だから、靖国神社参拝そのものではなく、A級戦犯が祭られていることを問題視しているのだろう。

もし、靖国神社が靖国史観をもたず、A級戦犯を合祀していない、単なる戦死者の慰霊施設であるなら、ここまで反対しないのではないか。中国にとっては、A級戦犯や靖国史観を日本政府が肯定しているかのような態度に対する抗議であるのだから、靖国史観を日本政府が否定しているのなら、これに答えて参拝を中止することも別におかしなことではない。

■小泉氏の「いくなと言われるから、いかないのか」に代表されるように、靖国神社参拝中止は、中国に屈服する事になるという意見もあるだろうが、両国の外交関係における日本側の前提が、過去の侵略を否定するものであるなら、この問題は中国の方に分があるのだから、仕方がない対応であると思う。しかし、よく言われているように中国政府が靖国参拝中止をきっかけにして、他の日中間に横たわる問題に譲歩を求めてくるのなら、「それはそれ、これはこれ」である。

「貴国は過去、我が国を侵略しましたね。だから、尖閣諸島を中国領と認めなさい」。といわれても、まったく関係のないことである。「過去に侵略はしましたが、尖閣諸島の領有は我が国にあります」と言えば済むだけの話であり、相手の主張に利があれば認め、無ければ断る。ただそれだけの事だ。

■以前に靖国神社をあたかも国立の宗教施設であるかのように、ふるまっている政治家の現在のあり方に疑義をていしたが、外交問題としても同じである。中国や韓国との関係を壊してまで一宗教団体との関係を優先する事に、ここまで固執するべきものなのかは、はなはだ疑問である。

日本政府はもっと実質的な問題、東シナ海のガス田問題や尖閣諸島の領有権問題に力を注ぐべきだと考える。もし、この問題であっても、中国側が首脳会談を拒否するのであれば、その非を世界に堂々と打ち鳴らせばいいだけの話だ。(こちらの方が中国けしからん派の人たちは好都合ではないか)。


★以上が私の考える、Chobiさんにコメントいただいた、外交問題における靖国問題に対する私の意見です。


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4 コメント

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Unknown (ナツメ)
2006-06-27 19:27:52
小泉政権(安倍政権)に本能寺の変は起きるか?
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ナツメさん、こんにちは (管理人)
2006-06-28 06:18:16
>小泉政権(安倍政権)に本能寺の変は起きるか?



これは国民がどう思うかによって変わってくるでしょう。選挙による本能寺の変でしか、この国のあり方は変わらないのではないでしょうか。
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TBありがとうございました (寒北斗)
2006-07-01 17:17:00
中国もA級戦犯の合祀以前は靖国参拝について見て見ぬふりをしていたようです。それを靖国の一人の宮司が勝手に、昭和天皇の意向を無視して、合祀した。これって一宗教法人が国家の専管事項に介入したことにならないんでしょうか。
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寒北斗さん、コメントありがとうございます。 (管理人)
2006-07-01 23:45:17
>中国もA級戦犯の合祀以前は靖国参拝について見て見ぬふりをしていたようです。



「参拝するのはけしからん」の頭には「A級戦犯の祭られる」なのですから、それの頭が無かった時は抗議しなかったということでしょうか。中国から見ると「政教分離」などどうでもいい事ですからね。



>それを靖国の一人の宮司が勝手に、昭和天皇の意向を無視して、合祀した。これって一宗教法人が国家の専管事項に介入したことにならないんでしょうか。



んー私は、靖国神社がいかなる人物を祭ろうが、問題は無いと思います。しかし、問題は靖国神社がする行事を行政が後押ししていることではないでしょうか。



首相の靖国神社参拝は、「国家の慰霊施設は靖国神社」とお墨付きを与える行為であり、明らかに政教分離に反すると思います。



もし靖国神社以外の宗教が同じような施設を作った場合に、同じように厚生省が名簿を渡したり、首相が参拝したり、特殊法人化しようというはずは無いでしょう。



もし、どの宗教にも靖国と同じような態度で臨むのであれば、「靖国だけ特別扱いしていない」と言えるかもしれませんけど。



話は変わりますが、文化だからOKとかいってる人がいますが、それを止めようという事で20条は作られたわけです。ですから、その理論は完全に憲法違反ですよねー。



伊勢神宮参拝も、公費を使い首相として参拝しているなら、違憲の疑いが強いと思います。「だれも訴えない=合憲」とはならない。とどこかで読みました。



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