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麻生氏の靖国護持案について

2006-08-12 23:48:44 | 靖国神社・愛国心・天皇問題
■靖国神社についての問題は、小泉氏の動向が中心に報道されているが、以前から靖国問題の最大の問題は、中国や韓国との過去の関係からくる「外交問題」ではなく、政教分離の問題であると書いてきた。

古賀氏が靖国神社の「国家護持」を主張したときも、あまりにも不見識であるので、疑義を呈したが、この度の総裁選に絡んで、候補者の一人である麻生外務大臣も、靖国神社の国家護持を主張している。

■― 同神社が自主的に宗教法人を解散した上で、国が関与する特殊法人に移行すること― によって ― 無宗教の国立追悼施設とすることで、憲法の政教分離原則に抵触しない形態とし、天皇や首相が参拝しやすい環境を整えるのが狙い ― であるようだが、これはとんでもない意見である。

この麻生案は、「政教一致」そのものであり、「政教分離」を逃れるための脱法行為と言わざるを得ない。(脱法にもなっていないけれども)。

■ もし、「宗教でない」。とするには、靖国神社そのものを解体するか、建物はそのままであっても、御神体である、鏡と刀を取り除く事になるだろう。また、儀式形態も神道色を一切払拭する必要が出てくる。

しかし、麻生案では ―「自主性の尊重」「寄付行為に対する税制上の特例」を含める必要がある― と主張している。これでは無宗教とは名ばかりの完全な神道の神社である。

実際に靖国神社の要望は、―(1)靖国神社の名称存続(2)施設の保持(3)儀式行事の保持― ―の3条件を求めている。― とあるように、とても「無宗教」と呼べるものではない。この三条件を「自主性の尊重」から認めるのであれば、完全な政教一致ではないか。

■この件についての最大の問題点は、この手続きを取れば宗教であっても国家による保護は可能としてしまう点である。麻生案を認めれば政治に関与している創価学会や立正佼成会、その他の宗教組織についても自主的に宗教法人格を返上して、特殊法人化することによって、国家による保護が可能になってしまう。このような可能性まで麻生氏は考えて発言しているのだろうか。

■それにしても、マスコミはこの麻生氏の発言や主張について、殆んど「政教分離」の問題として反応していない。マスコミはこの発言のおかしさに気付くべきではないか。この発言は、公明党の神崎代表や冬柴氏が「創価学会からいったん宗教法人格を外して、そのあとに特殊法人化する」といっているのと同じではないだろうか。

■政教分離は厳密に適用されるべきであり、例外を認めてしまうと、国家による思想統制に正当性を与えかねない。(戦前の「神道は宗教にあらず、儀礼である」。などはその典型例である)。実際に失敗の歴史があるのだから、もっと慎重であるべきだ。

この問題の本質は、靖国神社に「天皇や首相が参拝できない」ではなく、戦前の宗教弾圧の歴史があるにも拘らず、いまだにしかるべき立場の者が、靖国神社の「国家護持」などを持ち出す姿勢であるのではないか。


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―以下参考記事―
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe6700/news/20060808i103.htm
麻生外相が靖国改革で見解、自主解散し特殊法人に 
9月の自民党総裁選に出馬する意向を示している麻生外相は8日の閣議後の記者会見で、靖国神社の改革に関する見解を発表した。 同神社が自主的に宗教法人を解散した上で、国が関与する特殊法人に移行することが柱。無宗教の国立追悼施設とすることで、憲法の政教分離原則に抵触しない形態とし、天皇や首相が参拝しやすい環境を整えるのが狙いだ。 

靖国神社の非宗教法人化は、自民党の古賀誠・元幹事長、中川政調会長らも提唱している。麻生氏は見解を明示することで、議論をリードしたい考えだ。 見解は、「靖国神社の代替施設はあり得ない」とした上で、「靖国神社を可能な限り政治から遠ざけ、静ひつな祈りの場所として、未来永劫(えいごう)たもっていく」ことが必要だと強調した。

具体的な解決策としては、 〈1〉宗教法人としての靖国神社を自発的に解散し、いったん財団法人などへ移行する〈2〉最終的には国会で設置法をつくり、特殊法人とする〈3〉名称は例えば「靖国社(招魂社)」とする――などを提案した。手続きは、全国52か所の護国神社と一体で進めるべきだとしている。 

また、設置法には「慰霊対象」「自主性の尊重」「寄付行為に対する税制上の特例」を含める必要があると主張した。特に慰霊対象については、「国会が国民の代表として議論を尽くしたうえ、決断すべきものだ」と明記し、A級戦犯の分祀(ぶんし)問題は国会での議論を通じて解決するよう求めた。 

麻生氏は記者会見で、特殊法人化と政教分離の関係について「宗教法人でないわけだから(クリアできる)。地鎮祭などに関する裁判などで、宗教色はないという結論が何度も出ている」と述べた。 

ただ、自民党は過去に、靖国神社を非宗教法人化し国家管理を目指す法案を国会に提出したが、野党から政教分離原則に反すると反対され、廃案になった経緯がある。同神社が自主的解散に応じるかは不透明な面もある。(2006年8月8日13時47分 読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060811-00000025-mai-soci
<靖国神社>名称、施設、儀式の維持確認 非宗教法人化で
靖国神社のA級戦犯合祀問題解決のため、政府・自民党内で非宗教法人化論が高まる中、靖国神社が非宗教法人化にあたっての基本方針を確認していたことが10日、わかった。1963年にまとめた見解を大筋で踏襲し、(1)靖国神社の名称存続(2)施設の保持(3)儀式行事の保持――の3条件を求めている。 (毎日新聞) - 8月11日3時4分更新

http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe6700/news/20060809i413.htm
靖国神社前宮司、非宗教法人化や分祀案を否定 
靖国神社の前宮司の湯沢貞氏は9日、東京都内で行った講演で、靖国神社の非宗教法人化案について、「靖国神社というものが、形無しになり、名前だけというようなことで終わってしまうという心配があり、うかつには乗れない」と述べ、否定的な見解を示した。 

また、日本遺族会会長の古賀誠・元自民党幹事長らが主張しているA級戦犯の分祀(ぶんし)案については、「246万余の御霊(みたま)は大きな一つの座にいらっしゃるわけで、どう考えても無理だ。神社にプラスになるものは一つもない」とし、神道の教学上、不可能との考えを改めて強調した。(2006年8月9日20時50分 読売新聞)


2 コメント

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Unknown (古井戸)
2006-08-13 08:34:16
おっしゃるとおりです。悪いジョークでしかありません。



私のブログ記事:

『これでわかった靖国神社もとい靖国_社』

http://blog.so-net.ne.jp/furuido/2006-08-08
返信する
(^^)古井戸さん、コメントありがとうございます。 (管理人)
2006-08-13 12:39:37
古井戸さん、コメントありがとうございます。古井戸さんのブログにコメントしておきましたので、また、お読みください。
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