○専用演算回路。
無意識機能というものは高速で高い能力を持つ。
回路的にシンプルで短絡的条件反射である無意識機能が意識機能よりも高速で高い能力を発揮するのは当然の話である。
汎用プロセッサーを用いた計算よりも、専用プロセッサーを用いた方が処理が速いのは電子工学的には当然の話である。
電卓というのは数値計算専用プロセッサーを用いているため、小さな太陽電池パネルだけでも高速な演算が可能であるが。同じ計算を汎用プロセッサーを用いた場合は到底小さな太陽電池パネルでは実現不能である。
デジタルカメラの画像プロセッサーなども同様で、同じ処理を汎用プロセッサーで行おうとしても、処理速度は大きく低下する。
意識というのは汎用性機能であって、あらゆる事柄に対して何にでも応用可能な対処対応能力を司る機能であり。速度が遅く能力的に低いのは当たり前である。
パソコンのプロセッサーが持つ汎用性とは比較にならぬ程複雑な事柄全てに汎用性を持つ人間としての意識が、機械的条件反射しかしない無意識機能より速度や能力的に劣るのは当然の話である。
どんなに無意識機能の断片的能力の高さだけを論じても、無意識こそがヒトの能力の全てであることの論理的証明には一切ならない。
チンパンジーの瞬間記憶能力の高さや、無差別殺人犯の偏差値の高さをどんなにたくさん抽出しても、本質的な人間としての知能の論証には全くならないばかりか、むしろ無意識的中毒症状こそが人間としての知能とは相対するものである。
ミルグラムによる服従心理実験、通称「アイヒマン実験」において。無意識的条件反射で権威に服従してしまうことによって、被験者当人の本当の意思に反した行動を採ってしまうのであり。無意識に服従「してしまう。」ことこそが個人の自律的な社会的責任判断能力を阻害するのである。
原発暴走における東電社員達の無責任性というものも、マインドセットという固定観念に基づく無意識的条件反射行動によって危険性が放置されたのである。
本質的な意識/統合的論理検証思考というものが、処理能力が低く、反応速度が遅いというのは、処理する内容自体が動物行動学習的に「整理」されていないからであって、処理の深さや広さに反比例して処理速度は低下するのは必然的結果である。
現在の学力評価試験においては、時間制限による処理速度の速さも評価対象とされており、時間をかけて深く広く考える統合的論理検証能力については評価の対象外である。そもそも統合的論理検証能力というのは検証範囲に際限がなく、試験によって評価出来るようなものではない。衆人環視下において個人の自律を測ることは原理的に不可能であるからだ。
個人の人格を測ることが出来ないからといって、これを無視してよい理由には全くならない。測ることに執着するというのは、測ることによって評価を得ようという利己的欲望が動機であり、これこそが人格性の欠落の証明でもある。
測定不能であるから意味がないというのは、測定によって得られる教育者側の評価だけを意味であると言っているのであり、極めて利己的で社会的役割を無視した身勝手な話に過ぎない。
教育機関の社会的役割とは、社会にとって役に立つ人格者を育成することであって。偏差値が高いだけの無差別殺人犯予備軍や、原発を暴走させるような無責任なデクノボウを大量生産することではない。
広さや深さを必要とする統合的論理検証というのは、動物的行動学習によって得られる無意識的条件反射によって獲得出来るようなものではなく、動物的行動学習によって作り出された固定観念マインドセットによる気分的行動バイアスに無意識に流されることなく自発的に「考え」ることによって獲得可能性を持つものである。
無意識的な機械的条件反射行動というのは、気分的安心満足によって促されるものであり。主体的に統合的な社会全体の安全性や持続可能性を検証することによって気分的な行動バイアスに流されぬように出来るのである。
意識的に自分の行動選択の何が無意識的条件反射であるのかを認識できなければ、無意識的条件反射から逃れることは出来ず、マインドセット固定観念によって促される暴走破綻を止めることは出来ない。
Ende;