気ままな日記~弘前にて~

日々の雑多な出来事や印象深かったいろんな思い出など

雪に想う

2016年02月29日 | 「健康」掲載コラム
(10年ぶり掲載) 
 今年も結構大雪だった。しかし地球温暖化の影響か年々少なくなっているようだ。子供の頃も毎年雪は降っていたのだろうが、雪で大変だったという記憶はない。無邪気にソリやミニスキーで遊んでいた。少し大きくなって親父の雪かきを手伝うようになってから、「何でこんなに降るのか」「雪国の人は余計な労働をしている」などと考えるようになった。以来冬が来る度、降り続く雪にうんざりしながらの雪かきに「こんな苦労をしてまでここに住む意味があるのだろうか」と青森県人でいることのアイデンティティを考える日々が続く。
 小学校は遠かったので、30分近く雪道を通った。吹雪で前が見えないこともあった。昼なのに視界がきかない状況は何だか気が遠くなるようで恐ろしくて思わず足がすくんで歩けなくなった記憶がある。幸い雪で危険な目に会ったことはない。滑って転んでも子供だとけがをしないものだ。真冬の選挙の掲示板は雪玉投げの格好の標的でよくぶつけて遊んだ。(いたずらしてゴメンナサイ。)
 雪が続き一番つらいのは1月で、2月になると日によっては少し寒さが緩む。28日を指折り数える気持ちで3月になるのを待ち続ける。
 毎年2月下旬から3月のある夜、少し生暖かくて乾いた空気を感じる日がある。風はかすかに土や木の葉の香りがして、春がやってくる気配を感じさせる(全く自分流の解釈だが)。この後は揺り戻しで雪が降ることもあるが、必ず雪解けに向かっていく。4月になり、埃をかぶって道路や空き地の片隅に残っている雪を見ては、「今年もお前らに負けなかったぞ」と春の喜びにひたり、桜の花に酔う。この時が「青森にいてよかった」と思える瞬間である。
(第5回掲載分)



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