南天の実は難を転じる植物

中国原産、日本の南部で自生している。山口県北部の山間部川上村遠谷金山の急斜面約2平方メートルが、ユズ及びナンテンの自生地として1941年12月13日、国の天然記念物に指定され、その後盗掘・枯死で数が激減、今ではすっかり忘れられ、数年に1人の見学者があるとか。
中国名は南天竹。漢名の南天は、南天竹あるいは南天燭の南天からつきました。
難転（ナンテン）にかけて、難・災いを転じるというので、松・竹・梅・福寿草などの年の初めの正月のおめでたい植物となっています。

ドメスチンというアルカロイドを含んでいて、抗菌作用があるとのことで、お祝いの赤飯を配るときナンテンの生葉を置きます。昔、諸毒を消すといわれ、箸にも用いられています。
牧野富太郎著：植物記五「ナンテンとヒイラギナンテン」の項に、ナンテンの床柱はその家に幸福を招くといって古来珍重されると記載されているが、他の人の本にはナンテンはそれほど太くはならなくて、それはきっとイイギリ（別名ナンテンギリ）のことだろうと書いてありました。

白い実をシロナンテン（シロミナンテン）、薄紫色をフジナンテン、淡紅色で大きいウルミナンテン、葉が細く糸状の変わり葉、変わり実、斑入り葉などの変わりナンテン。白い実と赤い実がまじってつくものをサラサナンテンという。シロナンテンの種子から必ずシロナンテンが出るとは限らない。白い実も赤い実も、薬効には変わらないそうです。
　果皮には発芽抑制物質が含まれ、シュロ、センリョウ、ツルムラサキなどのような小鳥が食べ
、消化管を通過することによってよく生える。採種してまく場合は果皮を取り、水でよく洗ってからがよい。小鳥にとってナンテンの実はごちそうなのか、すぐ食べられてしまい、正月までにはなくなってしまう。関東での結実が少なく、花崗岩地帯ではよく結実するそうです。花が咲く頃、雨に当ると結実しなくなる。子供の頃、軒下で便所のそばの手洗(ちょうず)鉢(ばち)の周辺にナンテンが植えてあった。ナンテンにとって半日陰、半乾燥、雨が直接当らないという理想的な場所である。また雪兎を作ったときにその真っ赤な実を埋め込み、耳はナンテンの葉とした。薬用には、果実および葉をよく使用するそうですが、ときには茎や根を用いるとのことです。
以上は効果効能を保証しません。