アントシアニンで紫外線や寒さから身を護る植物

植物は、光合成で澱粉を作り糖分にも転化する。糖がアントシアニンの主要な構成物質となる。

春の芽だしの頃、紫外線がだんだんと強くなり、幼い葉は紫外線に対する抵抗が弱い。日焼け止めが必要で、アントシアニンを紫外線吸収剤にして身を護る。

カナメモチ、アカメガシワ、バラなどの新芽は赤味を帯びている。葉の成長とともに赤味が薄くなり、緑が濃くなってくる。

葉の成長とともに、病原菌が襲ってくる。戦うために酸素を活性酸素として使うが、戦い終わった活性酸素は葉にとっては有害なので、アントシアニンを抗酸化剤として使用し、活性酸素を除去する。

花を咲かせ、受粉して子孫を残すため蝶や虫を呼ぶため出来るだけ派手な色の花を咲かせる。青、赤、紫にアントシアニンを使う。花の色は、PHによって変わってくる。酸性条件下では赤、アルカリ条件下では青となる。微量金属分によっても変わります。

種子が実り、果実を甘く魅力的にして動物や鳥が食べて種子を運んでもらう。ブルーベリー、ビルベリー、ブドウ、イチゴなどの赤、紫、青紫は、アントシアニン。抗酸化作用を保持するため、赤キャベツ、二十日大根、ナス、黒米、黒ゴマ、黒豆、紫芋など着色している。

秋の紅葉、赤や黄色に野山が染まる。落葉樹の葉の付け根に離層ができて、葉で合成された糖分が枝に流れなくなる。アントシアニンができて紅葉となる。

寒い冬、針葉樹や常緑広葉樹は、寒さに耐えなければならない。葉に糖分を増すことで、凍結から護る。糖によって葉っぱの色がやや黄色や、赤っぽくなる。杉もすっかり赤褐色(ケモノ色)になる。

寒さばかりではありません、雨がなかなか降らずに、乾燥が続くこともあります。
できるだけ多くの水を吸い上げる必要があります。細胞の浸透圧を上げるため糖分を増やし、その時また葉が色づきます。
糖を使った、アントシアニンという一つの化学物質を有効に活用しています。色のついた花、葉、果実、種子、根茎などをいただくと、植物さんからアントシアニンをもらい、目や身体の健康にいいかもしれません。