ラッキョウとキャベツ
私 この前ね 彼が部屋に来て
「服 脱ぐわ」と言ったら 彼 最初は嬉しそうに見ていたけれど、
いつまでも脱ぎ終わらないので、とうとう怒って、帰っちゃったの
ラッキョウちゃんが言う
あら 私だって同じよ
「服 脱ぐのを手伝って」と言ったら 彼 鼻の下を長くして
喜んで手伝っていたけれど、服の数が多いうえに、ヒダが複雑で
とうとう彼 疲れて眠ってしまったの
キャベツちゃ . . . 本文を読む
フィロソフィー
ねえ あなた
あなたはどうして
そのように聡明で
思慮深く
慈愛に満ちているのでしょうか
僕に青空を飛ぶ鳥のような自由を与え
宇宙を貫く素粒子にさせてくれました
あなたの気高く 強い意志に
鼓動を止め 言葉を失う
劫初から知識の殿堂に打つ金の釘を あなたから頂きました
僕は震える手でそれを打ち込んでいます
知識を愛することは人間存在そのものです
僕は . . . 本文を読む
ヒマワリとタンポポ
「あなたは、背が高く、
太陽のように明るくステキだわ」
タンポポちゃんが言う
「君だって、ちんまりと可愛く
そっと口づけしたくなっちゃうよ」
ヒマワリくんが言う
「でもね、それは無理っていうものだよ」
僕は言った . . . 本文を読む
ハンサム・ユー
あなたって
どうして そんなに
素敵なの
わたしは あなたの視線に
心は弾み
心は踊ります
どうして どうして
見るもの 聞くもの
心がしめり
心が濡れて
輝く わたし
あなたは わたしの希望
あなたは わたしの命 . . . 本文を読む
冬の少女
霜におおわれた大地を
朝霧がやわらかく包む
ようやく昇る太陽が
通学を急ぐ少女の背を暖め
少女のほほを染める
少女の吐息が
霧となって弧を描き
命を示す
凛とした空に
足音はサクサクと軽やかに
いつまでもこだましている
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露
里芋の葉っぱに
銀の帽子をかぶった
たくさんの坊やがいる
そよ風に踊り
ほほえむとほほえみ返す
銀の坊やにそっと触れると
子供になれるかしら
見ていると
銀の坊やはだんだんと小さくなり
やがて ただの葉っぱになった
私も いつもの私に . . . 本文を読む
緑
緑の道を
どこまでも
歩いてみたい
緑に輝き
緑のかおる
緑の道は
ふるさとの道
やすらぎの道
緑の道を
どこまでも
歩いてみたい
緑にゆれ
緑にささやく
緑の道
あこがれの道
思い出の道 . . . 本文を読む
愛の植木鉢
ねえ あなた
あなたは 変わらないって 知ってはいるけど
愛してる 恋してる 君が好きだと
いつも いつも
愛の言葉を注いでね
わたしは愛に満たされ
わたしは愛にあふれ
わたしは愛に染まって
お空を飛びたいの
ねえ あなた
愛のシャワーで
わたしを濡らしてね
. . . 本文を読む