ネムノキ
ねむの木は お寝坊さん
お日さま 山にかくれると
ぐっすり
お眠りいたします
でも 眠っている時に
お化粧に 使ってくださいと
夢みるような
彩りゆたかな
パフの花を咲かせます . . . 本文を読む
ツユクサ
小さなコバルトブルーが
木陰で揺れる
かつて存在した
青空の断片を示す
どこまでも広く
どこまでも高く
抜けるような
青さ
こういう青空が
あったのだと
ツユクサは
教える
物言わぬ空
優しい空
これまで どれだけ
空をいじめてきたことか
空が汚れれば
汚れるほど
地にあってツユクサの
青が美しく輝く . . . 本文を読む
ツキミソウ
月見草の咲く頃
一人歩む道
風が髪なびかせ
黒い雲が飛ぶ
人の目を避け
自分になろうともがく
傷の深さに耐えかね
どこかで奏でるフルート
振り返ると黄色い蝶が
少しずつ舞い昇り
空の彼方に消えた . . . 本文を読む
タンポポ
お日さま お日さま
目をさまし
タンポポ タンポポ
目をさます
お日さま お日さま
笑い出し
タンポポ タンポポ
笑い出す
お日さま お日さま
眠くなり
タンポポ タンポポ
眠くなる . . . 本文を読む
サルビア
大地を
真紅に染め
燃やす炎
あなた
ほんのちょっとでいい
来て
赤い炎の
熱さを
感じてね
脈打つ
高鳴りに
触れてね
あなたが
激しく
手折るまで
メラメラと
燃え
赤さがつのります . . . 本文を読む
ゲッケイジュ
月桂樹の若葉を
口に含む
そつと噛むと
清らかで凛とした
香気が身体を包む
くちびるで
月桂樹は震え
解き放たれ
青空を舞う
ギリシヤ・ローマの頃から
勝利・繁栄のシンボル
でも
月桂樹は
平和で穏やかで
歴史や神話も
関係なく
さわやかだ . . . 本文を読む
くちなし
くちなしは 思い出の花よ
そっと見る 君の瞳の湖に
白さも白い
くちなしの花
くちなしは 思い出の花よ
短い夜 君と歩く小径
香り漂う
くちなしの花
くちなしは 思い出の花よ
そっと触れる 君の手のひら
一輪の輝き光る
くちなしの花
くちなしは 思い出の花よ
風に揺れる 君のうなじ
白さも白い
くちなしの花 . . . 本文を読む