Piano Solo - "Someone to Watch Over Me" by George Gershwin (1926)
かって
近代日本は
明治以降
西欧列強との関わりの中で懊悩し逡巡してきた。
中国を中心としてきた世界観が大きく変転し
自らのアイデンティティを見失った。
当時の日本の指導者層には
西欧列強の後追い、模倣が生きる術となり
脱亜入欧のお題目を唱えて
東アジア同胞を蔑視し
覇道の道を選んだ。
そして
帝国主義的な版図の拡大を野望し
朝鮮王朝を滅ぼして植民地とし
中国や台湾や東南アジアをも
領土に組み込まんと侵略した。
その際には
無辜の一般庶民をも虐殺するという
武士にあるまじき蛮行を為した。
愚鈍な指導者層は
15年にも亘る大東亜戦争を続け
沖縄住民と広島・長崎住民の多くの命が凄惨な形で犠牲になって初めて
俄かに豁然として大悟し
終戦の詔勅が発せられたのである。
何れにせよ
西欧列強とは西欧近代の思想を体現したものであり
西欧一般とも
非近代の価値や社会とも
異なる原理を有する。
すなわち
国民国家間の全面戦争・総力戦と
騎士道や武士の戦(いくさ)は
根本的に異なるものである。
戦は
まじめな学生や一般人を招集するものでなく
尋常ならざる一群のならずものを集める
やくざ気なものである。
つまり
近代国家そのものが人間の本質を理解したシステムではないのだ。
今後の世界と日本のミッションは
近代の価値とシステムを灰塵に帰し
新たなる中世的な非近代社会を招来することである。
高橋(王道)