衛星劇場HD
13時00分~
https://www.eigeki.com/series?action=index&id=28217&category_id=7
【作】長田育恵(弐「隅田川」) 瀬戸山美咲(壱「道成寺」)
【演出】瀬戸山美咲
【監修】野村萬斎
【出演】瀬奈じゅん、相葉裕樹、清水くるみ、明星真由美、高橋和也、鷲尾真知子
【収録】2020年12月19日/シアタートラム
【上演時間】2時間30分 (道成寺:1時間10分 休憩:10分 隅田川:1時間10分)
能・狂言を土台に現代演劇を創作する、世田谷パブリックシアター芸術監督企画の最新作!
長田育恵 × 瀬戸山美咲のタッグが、現代に生きる人々の幸福について描き出す。
世田谷パブリックシアター芸術監督である狂言師の野村萬斎が企画・監修を務める「現代能楽集」シリーズは、芸術監督方針「伝統演劇と現代演劇の融合」にもとづき、古典の知恵と洗練を現代に還元し、現在の私たちの舞台創造に活かしていきたいという考えから、生まれたシリーズ。
記念すべき第10弾となる今回は、近年、演劇賞を立て続けに受賞している、気鋭の劇作家/演出家・瀬戸山美咲と、たぐいまれな筆力をもつ劇作家・長田育恵により、今を生きる私たちのための現代演劇を創作。
出演者6名は「道成寺」「隅田川」でそれぞれ異なる役を演じ、それぞれの幸福論を立ち上げる。
「道成寺」では、父・母・息子の幸福な家族がさらなる幸福を激しく求めた結果の悲劇を描き、「隅田川」では、運命的に出逢う3世代の女たちが、誰の目も届かない社会の片隅でありえるかもしれない物語が紡がれる。
▼能「道成寺」
紀州の道成寺の釣鐘再興の折り、白拍子が現れ、鐘の中に消える。
荘司の娘が山伏に恋をしたが山伏は寺の鐘に隠れ、裏切られたと思った娘は蛇体となって、鐘に巻きつき、山伏を嫉妬の炎で焼き殺す、という話を住職は思い出し、件の白拍子はその女の怨霊であろうと、僧侶達と鐘に向かい祈る。
鐘があがり、中から蛇となった女が現れるが、祈り伏せられ日高川へ消え失せる。
▼現代能楽集Ⅹ「道成寺」
橘清(高橋和也)は広告代理店を辞め独立したばかり。
妻・真姫(明星真由美)は高級コンサルティングサロンを経営。
息子・清史郎(相葉裕樹)は医学部4年生。
3人は順風満帆に見えるが、まだまだ満ち足りない。
清は作家・安藤千佳(瀬奈じゅん)の小説教室に通い始め、真姫は新たな顧客・白河安子(鷲尾真知子)を迎える。
清史郎はアイドルを目指す奥野あんず(清水くるみ)と付き合い始めるが……。
▼能「隅田川」
隅田川の渡し守の元に、都から我が子を探してやってきた狂女が現れる。
渡し守は、かつて幼子が、人買いに買われ、旅の果てにこの地で母を懐かしみ念仏を唱えながら息絶えた、という話をする。
その幼子こそ狂女の子供であった。
子供の墓は、この川のほとりにあり、狂女は子供の墓に手を合わせ、念仏の中、母子はわずかに再会を果たすが、やがてその姿も幻となる。
▼現代能楽集Ⅹ「隅田川」
夏帆(瀬奈じゅん)は同僚の酒々井(高橋和也)とともに働く家裁調査官。
ある日、万引きをした犯罪少年、彩佳(清水くるみ)を担当することになる。
彩佳の内面に降りていく夏帆。
彩佳は過去にある男(相葉裕樹)と一夜を過ごし、秘密を抱えていた…。
一方、独居老人の悦子(鷲尾真知子)はヘルパーの吉田翠(明星真由美)に世話をされている。
異なる日常を生きてきた夏帆・彩佳・悦子の運命は、川のほとりに結ばれていく…。