SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

ドッグフードの原材料を見てみよう〜K9ナチュラル

2019-01-29 22:45:47 | ドッグフード原材料シリーズ
ドッグフード原材料シリーズ3回目です。

今回はK9ナチュラル。ニュージーランド産のフリーズドライタイプのフードです。
ケーナインナチュラル ドッグフード フリーズドライ ラム・フィースト 500g(2kg分)

K9ナチュラルジャパン


フリーズドライタイプのうち、ラム、ビーフ、チキンを取り上げました。

「ワクワクワクワク」


ラム
 子羊肉(人間食用の家畜から生産される)、レバー(子羊)、心臓(子羊)
グリーントライプ(子羊)、血(子羊)、卵、脾臓(子羊)、腎臓(子羊)
骨(子羊)、ひまわり油、フラックスシードフレーク
 昆布、ニュージーランド緑イ貝、かぼちゃ、ブロッコリー、カリフラワー
キャベツ、硫酸カリウム、乾燥昆布、りんご、洋なし、塩化ナトリウム
ビタミンE、プロティネイト亜鉛、プロティネイト鉄、酸化マグネシウム
セレン酵母、プロティネイト銅、プロティネイトマンガン、ベータカロチン
ビタミンB1、ビタミンD3

ビーフ
 牛肉(人間食用の家畜から生産される)、レバー(牛)
グリーントライプ(牛)、腎臓(牛)、心臓(牛)、血(牛)
卵、脾臓(牛)、骨(牛)、ひまわり油、フラックスシードフレーク
 昆布、ニュージーランド緑イ貝、かぼちゃ、ブロッコリー
カリフラワー、キャベツ、硫酸カリウム、乾燥昆布、りんご、洋なし
塩化ナトリウム、ビタミンE、プロティネイト亜鉛、プロティネイト鉄
 酸化マグネシウム、セレン酵母、 プロティネイト銅、
プロティネイトマンガン、ベータカロチン
ビタミンB1、ビタミンD3

チキン
 鶏肉(人間食用の家禽から生産される)、卵、
フラックスシードフレーク、ホキ(白身魚)オイル
 昆布、ニュージーランド緑イ貝、かぼちゃ、ブロッコリー
カリフラワー、キャベツ、硫酸カリウム、乾燥昆布、りんご、洋なし
塩化ナトリウム、ビタミンE、プロティネイト亜鉛、プロティネイト鉄
ひまわり油、酸化マグネシウム、セレン酵母、プロティネイト銅
プロティネイトマンガン、
 ベータカロチン、ビタミンB1、ビタミンD3

ラムとビーフは肉の種類以外はほとんど同じですね。
どちらも人間の食用とされる家畜から供される食材であると説明されています。
内臓肉はビタミン類や微量元素が犬にとって理想的な形で含まれています。
筋肉部分よりもリンを多く含みますが、この製品はリンとバランスを取る骨も含まれています。

グリーントライプはかなり一般的になりましたが、消化途中の草などが入ったままの胃袋です。
内容物は家畜の胃で半消化されているので、消化吸収しやすく乳酸菌なども豊富です。
2022年9月5日追記
本来は犬にとっては消化吸収しにくい植物のビタミン類などが摂取できます。
またオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸をバランスよく含んでいます。
(トライプのオメガ3脂肪酸が犬にとって活用しやすいものかどうか、資料が見つからなかったので、わかり次第また追記します)

血液も原材料に使われているので、Whole(丸ごと全部)に近いバランスが期待できます。

ひまわり油はオメガ6脂肪酸のリノール酸、オメガ9脂肪産のオレイン酸を多く含みます。

フラックスシード フレークは和名では亜麻仁です。オメガ3脂肪酸のαリノレン酸を含みます。
追記
αリノレン酸は体内でEPAとDHAに変換してから活用されるのですが
犬は十分な必要量が摂取できるほどの変換ができません。
そのためフラックスシード はオメガ3脂肪酸の摂取源にはなりません。
フラックスシード には他に食物繊維やミネラル類、抗酸化物質も多く含まれます。

昆布は後に出てくる乾燥昆布と併せてヨウ素の摂取源、また微量元素や繊維の摂取源にもなります。

ニュージーランド緑イ貝、これは関節炎のサプリメントによく使われる材料です。
料理に使われるときはムール貝という名前がよく知られています。
関節炎サプリに使われるだけあって、グルコサミンやコンドロイチンが多く含まれます。
またオメガ3脂肪酸も多く含まれています。

かぼちゃ、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、りんご、洋ナシ、
かぼちゃの炭水化物と、りんごと洋ナシの糖分がこのフードの数少ない糖質のほぼ全てです。
カボチャやブロッコリーの緑黄色野菜はβカロチンなどの抗酸化物質も多く含みます。
野菜や果物に含まれる水溶性食物繊維は、犬の腸内環境を良好に保つのに有効です。

これらの後に続くのはミネラル類です。

硫酸カリウムは硫酸と塩化カリウムから工業的に作ったカリウムです。
ナトリウムとともに細胞の浸透圧を維持調整する働きがあります。
筋肉収縮をサポートする働きもあり、カリウムが不足すると脚がつりやすいのはそのため。

塩化ナトリウムは塩ですね。カリウムとバランスを取りながら細胞の浸透圧を維持します。
他にも筋肉の収縮、神経の情報伝達、栄養素の吸収などに重要な役割を果たします。

プロティネイト亜鉛、プロティネイト鉄、プロティネイト銅、プロティネイトマンガンの
プロティネイトというのはタンパク化合物のことです。
そのままでは吸収されにくいミネラル類をタンパク質と結合させることで吸収を高めます。
製品によってアミノ酸キレート加工とかアミノ酸複合体と表記されますが、同じと考えてOKです。
亜鉛は細胞の再生や免疫力強化、鉄分はヘモグロビンの成分という大きな役割があります。
銅はヘモグロビンの成分となる鉄の運搬役を担っています。
マンガンは骨の形成や、体内の各種酵素の構成成分となります。

前後しますが、酸化マグネシウム。実はこれ、私には???なんです。
酸化マグネシウムって、便を柔らかくする緩下剤としてよく使われます。
何でそんなものを毎日食べるフードに添加する必要があるのだろうか?
2022年9月5日追記
マグネシウムはカルシウムと一定のバランスを保って摂取する必要があります。
つまりこの酸化マグネシウムは、他のミネラル類同様にフードのミネラルバランスを保つために添加されています。

セレン酵母。セレンは抗酸化作用の強い微量元素です。
酵母に含まれる形態では消化吸収がしやすくなります。

βカロチン、ビタミンB1、ビタミンD3は、大丈夫ですね。
説明が必要ならお申し付けください。

ミネラル類については、一般的にドライフードならこれくらい添加されていても普通なのですが
このフードは加熱していない内臓肉がかなり多く使われているわりに添加が多いなという印象です。
2022年9月5日追記
加熱していない内臓肉、さらに骨が多く使われているからこそ適正なバランスを調整するためにミネラル類が添加されています。

チキンにも共通する部分は多いですが、チキンにはホキオイル(フィッシュオイル )が入っています。
これ犬にとって理想的なオメガ3脂肪酸の摂取源ですね。
(なぜラムとビーフには入ってないんだろう?脂肪分が多くなり過ぎるからかな?)
↑2022年9月5日追記
ラムとビーフにはオメガ3脂肪酸を含むグリーントライプが使われているからですね。

食材に熱を通さずにフリーズドライになっているので、栄養素の損失が最小限に抑えられるのがこのフードの大きなメリットのひとつです。

グリーントライプなどは熱を通すとその利点が激減してしまう食材ですし
食材に含まれる必須アミノ酸、そこから合成される他のアミノ酸も高い吸収率が期待できます。

一般的なグレインフリー(穀物フリー)フードは代わりに豆や芋が使われているのですが
このフードには炭水化物源となるものはかぼちゃのみで、かなり少ないです。
この点は犬によって合う合わないがあると思います。

またラムとビーフはかなり脂肪分が多いです。
これは多分グリーントライプを使っているせいかと思うのですが
グリーントライプという食材の性質と脂肪分の多さから、最初はお腹を下す犬もいるかもしれません。
この点も犬によって合う合わないが大きい部分かと思います。

他のプレミアムフードと呼ばれるものに比べてもかなり高価で
製造方法も特別なものなので、大きな期待を抱いて購入する方も多いでしょう。

低炭水化物や高脂肪がダメだと言うのではなく、上記のような可能性を知っておくと「食べさせてみたらお腹を下した!最高のフードのはずなのになぜ?」と途方にくれるだけではなく、対策を立てやすくなると思うのです。


このフードのデメリットと言えば、一般的に見て価格はかなり高いです。
日本価格でニコニヤの1ヶ月分を計算してみたら5万4千円になりました。
これは無理だわ〜(笑)
体重30kgの大型犬で試算すると、1ヶ月約8万円!!!

でも旅行など特別な時や、トッピング的に使うという方法もありますね。



ここからは、私の個人的な好みの話ですが...。

「あ〜、また最後にケチをつけるのね」

違うって!ケチじゃないの。


K9ナチュラルの日本法人の公式サイトでは、穀類・イモ類・豆類などを
「肉食動物である犬や猫にとって不要な、粘性の高い、ツナギや量増し」」と称しています。

また、原材料の肉に関しては
「病気で死んだ家畜や衰弱した家畜、廃棄部分(ヒヅメ、尻尾、鼻など)も一切使用していません。」としています。

犬は純粋な肉食動物というより肉食寄りの雑食動物です。
炭水化物は無しでも生きていけますが、長年の間に進化した犬の体には炭水化物を摂るメリットもあります。
低炭水化物をアピールするのは良いのですが、言葉の選び方が強過ぎて、かえって説得力が減ってる気がする。

肉に関しても同じ。
病気で死んだ家畜や衰弱した家畜の肉が、他のフードに全く使われてないとは言いません。
でも、これはとても慎重に伝えなくてはいけない事柄で、公式サイトでさらっと1行で書くことではない。
廃棄部分のうちヒヅメは、公式な規定ではミールにも副産物にも含まれないことになっています。
公式な原材料の定義を否定するような書き方は企業のサイトには相応しくありません。
尻尾や鼻、これは入っててもいいじゃないかって思うのですが、まあいいです。

ちなみにオリジナルの英語のサイトでは上記のような記述はありません。
企業の姿勢はそれぞれに戦略あってのことだとは思いますが、私の好みとしてはね、という話。


次回は「キアオラ 」のフードを取り上げる予定。

他にもリクエストがあればコメント欄でお知らせください。



お気軽にどうぞ〜!



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30 コメント

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Unknown (ぷっちょパパ)
2019-01-30 19:01:53
こんにちは!
ナチュラルバランスの解析お願いします!
Unknown (ぽんこま)
2019-01-30 20:27:29
いいフードがあれば試してみるのも良いかとフンフンと読み進んでいましたが、我が家にはあまりにも高価で手が出ないフードでした。
1カ月で8万円。。。。。
宝くじ当たらないとムリ。。。。。
高すぎ… (クロマシロ)
2019-01-30 21:13:44
この価格ならNZから生肉輸入してあげた方が安いんじゃないかと。。。うちはマシロにゃんがお腹を下しやすく試行錯誤の結果。こちらのトライプをトッピングしたら改善しました。大袋買って一日2粒が精一杯です苦笑
最近はどのフード見てもだいたいハーブが入っているので、ハーブのないお手頃フードをご紹介いただきたいです。
Unknown (H∧Lママ)
2019-01-31 20:02:29
K9をとりあげてくださって、ありがとうございました。うちは生後5ヶ月のパピーで食が細いので、手をかえ品をかえ食べさせようとしていて、やっとK9なら食べることがわかり(それでも少量ですが)K9にしています。

ジウイピークも似たようなフードかなと思っているのですが、K9との比較で取り上げていただけると嬉しいです。K9は高いけど、手作りごはんの材料にこだわるとこれくらいかかるよなあとも感じています。
Unknown (たく)
2019-01-31 22:40:34
いつもニコちゃんニヤちゃんの可愛さに萌えながら楽しく拝読しています(^^)
フード解説、すごく勉強になります!ありがとうございます。うちの柴はすぐ便が固くなるのでフードローテーションが出来ず、どうにか快便になる方法がNOWフレッシュシニア+ヤギミルク+鮭オイル+緑イ貝です。(これはこれで栄養バランス崩れてそうで不安ですが)
できればでいいのですけど、NOWフレッシュについてもお伺いできたら嬉しいです。

NOWフレッシュを取り上げていただけなくても、今後のフード解説楽しみにしています!
皆さまコメントありがとうございます (あが)
2019-02-01 08:49:15
・ぷっちょパパさん
こんにちは!
ナチュラルバランスは利用されている方も多いですもんね。
キアオラ のフードの次に書きますね。

・ぽんこまさん
私も初めてこのフードの価格を見た時にビックリしました。
でも原産国のNZではこの半額くらい、アメリカでも3割くらい安いんですよね。
日本の国産の良いフードが増えると価格競合で値段も変わるかと思うのですが。
そういう意味では次回取り上げる予定のキアオラ は興味深い面があるフードなんですよ。

・クロマシロさん
大型犬の多頭飼いとなると、ちょっとやそっとでは手が出ないお値段ですね。
肉食の猫さんにはグリーントライプは理想的な整腸剤ですよね。
ハーブのないお手頃フード、私も意識してチェックしている今日この頃です。
近いうちにまとめますね。

・H∧Lママさん
5ヶ月のパピーさんなら、手作りではバランスが難しいし
食が細いままでは成長にも関わるから気を揉まれますよね。
ジウィピークはフリーズドライではなく、温風乾燥でそのまま食べるタイプですね。
近いうちに書くようにしますね。

・たくさん
いつも読んでくださってありがとうございます。
便が固くなった時のフードは、もしかしたらミールが含まれていましたか?
ミールはその製法のために骨の含有量が多く、そのために便が固くなる子も多いようです。
NOWフレッシュのフードはミールが使われていないですもんね。
トッピングが書かれているものなら、栄養バランスが崩れるということもないと思います。
大量の肉のみや野菜のみのトッピングだとバランスが崩れることがありますが
ミルクとオイルと緑イ貝なら栄養補充の範囲ですね。
NOWフレッシュも近いうちに書きますね。
Unknown (ぽこ)
2019-02-01 14:32:20
こんにちは。いつも楽しく拝見しています
ペットカインド、お願い致します。
キアオラ食べているので、楽しみです

給与量で悩んでいます。13歳の仔なのですが、袋に表示されている量だとタンパク質量が1日必要量の倍位になるし、必要量から割り出した量だと少なくなって他の栄養素とか心配で、
Unknown (希)
2019-02-01 15:59:54
はじめまして。30kgの犬と、2匹の猫に生食ときどき加熱食あげています。K9ナチュラルは非常食として常備してますが、大型犬の普段の食事にするにはお値段的につらいですね! 手作りなら食材厳選しても半分ほどの金額で済みますから。

ところで、チキンには骨や内臓が含まれていないですよね…うちの犬はラムやビーフだとおなか壊しがちなのですが、旅行などで数日連続して与える場合、内臓や骨を追加した方がいいのでしょうか。総合栄養食なので不要なんでしょうけど、だとするとカタカナの栄養素の割合がラムやビーフより多いのでしょうか?
お二方、コメントありがとうございます。お返事遅くなりました。 (あが)
2019-02-01 17:44:19
・ぽこさん
いつも読んでくださってありがとうございます。
ペットカインドですね。了解しました。
13歳のご愛犬は体重は何キロですか?
利用されているフードはペットカインドとキアオラ で良いでしょうか?
もし良かったら一緒に考えてみましょう。

・希さん
初めまして。コメントありがとうございます。
普段生食で、忙しい時などの非常用にはK9ナチュラルは助かりますよね。
チキン、私も骨や内臓が含まれていないなと最初思ったのですが
オリジンのように「丸ごと」とは書いていないけれど骨や内臓がついた状態で加工しているのかなと思いました。
添加されているミネラルにはカルシウムは含まれていないので
少なくとも骨は含まれているに違いないと思います。
連日与える場合も内臓や骨は追加しないで良いと思います。
旅行に内臓肉や骨を持っていくのも大変ですし。
Unknown (A.K)
2019-02-01 18:14:16
私はK9ナチュラルのベニソンを非常食としてあげていました。ですが、世界的にジビエというのか鹿肉を人間の食事として利用することが増えてきているそうで販売終了となってしまいました…
あげるときは、穀類をプラスしてあげていました。
軽い関節炎と分かってから、レクチンフリー食をしています。K9ナチュラルのベニソンは完全にはレクチンフリーではないものの許容範囲でした。
低脂肪でレクチンフリーの非常食…なかなか難しいものです。

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