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SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

マズルの短い犬のこと

2020-11-12 23:49:26 | まじめな話
他の媒体やツイッターで何度も繰り返し書いていることなんですが
このブログではそれほど書いていない(と思う)短頭種の犬のことです。

「短頭種?あのいつもお顔にシワよせてる子たちのこと?」

そうです。パグとかブルドッグとかボクサーとか、つまりニコと相性悪い子たちだ。

ニコはパグやブルドッグと顔を合わせると唸って怒るんですよ。
普通にすれ違ったりする分には何ともないんだけど、目線が合うと唸る。
これは推測ですが、あの顔のシワが犬が怒った時の鼻にシワを寄せる顔に見えるのかな?と思っています。
鼻にシワを寄せて怒られたから唸り返すってのも犬のコミュニケーションとして間違ってるんだけど😔 

話がそれました。

これは2ヶ月ほど前にツイッターでたまたま見つけた記事を私が引用したものです。


この記事を日本語にまとめたものがアップされたのでリンクします。

短頭種の犬の呼吸障害や関節障害は本当に深刻な問題にも関わらず
パグやフレブルの人気は世界的に高まるばかりで、多くの専門家が警鐘を鳴らしています。
彼らのゼエゼエいう呼吸音も大きなイビキも横坐りも犬種の特徴ではなくて症状です。

世界各国で短頭種の犬の健康を危惧する研究が数多く行われ発表されているので
目についた時にはいつもできるだけ多くの人の目に留まるところに書くようにしています。

上にリンクを貼った記事は研究ではないですが、オランダではここまで踏み込んだ対応をしていると紹介です。

これも私のツイートですが、18世紀のパグはこんなに脚もマズルも長かったんですよ。

マズルの短い犬たちは愛嬌があって可愛らしいです。
犬だけでなく、猫のスコティッシュフォールドの垂れ耳、マンチカンの短い脚、ペルシャの平らな顔も
慢性的な痛みや内臓への負担、呼吸障害につながります。

彼らの特徴的な姿は機能ではなく見た目の可愛らしさのために作られたものです。

人間の「かわいい〜!」という感情のために動物に負担や苦痛を背負わせるのはやめよう、
このオランダの規制はそういう精神で制定されたものです。

短頭種の犬の飼い主さんを責めているのではありません。
でもまずは知ることが、未来の苦しむ動物を減らすことにつながります。


「リンク先の記事、よかったら読んでね」

カンガルーミートのペットフードについての思い

2020-09-29 23:24:39 | まじめな話
ドッグフード原材料シリーズを書こうと、今回のフードの原材料を見ていた時のこと。

そのフードはカンガルーミートを使ったものだったんですね。
過去にもキアオラ などカンガルーを使ったブランドのことは書いているんですが
今回は、オーストラリアの大規模な山火事の後初めてのカンガルーミートだったので
ちょっと引っかかってしまったんですよ。


「いつもあたしのことをカンガルーに似てるって言ってるから?」

そういうわけじゃないのよ。

2019年末から2020年にかけて世界中を震撼させたオーストラリアの森林火災。
30億の野生生物が被害に遭い、ほ乳類だけで1億4300万が命を落としたり住処を失くしました。

元々はカンガルーの毛皮や肉の商取引は法律で禁止されているのですが
カンガルーが増えすぎて自然なバランスを崩しているとして、豪政府によって射撃が許可されるようになりました。

カンガルーを銃で撃って『駆除』して良いのは、許可証を得ている者に限られ
射撃の方法も苦痛を与えず一発で仕留めるよう頭部を撃つことが指定されるなど
色々と細かい規定があるようです。

しかし、こうして駆除されたカンガルーの肉や毛皮が商取引される=お金になると
当然のように許可証無しだったり、規制を守らなかったりする者が出てきますね。

あの大規模森林火災以前にも、このような理由でカンガルーミートにはグレーな面が付いて回っていました。

そしてあの火災。
駆除の対象となっているカンガルーやワラビーも多くが命を落としました。

オーストラリアのいくつかの州では、火災以降カンガルーの駆除が中止されています。
一方でいくつかの州では「火災の影響を受けていない」として「自然な個体数を維持するため」に
引き続きカンガルーの駆除が行われています。

食肉の問題は常に動物福祉の問題を含み、カンガルーだけを対象にモヤモヤするのは
ちょっと感情的に過ぎるかもしれません。

けれどオーストラリアという場所にしかいない野生動物が火災によって大量に命を落としたというのに
その同じ国の別の場所で、数の減った動物を銃で撃って『駆除』しているというのが、どうにも引っかかるんですよ。

それに駆除を中止している州があるということは、取引される量もかなり減っているはずで
「原材料の安定供給という面で大丈夫なのか?」「密猟されたものの可能性は?」というのも気になる。


「おかーさんて気になることホント多いよね」

まあ、確かにね。


またこの駆除の問題とは別に、私は以前からカンガルーやダチョウなどのフードには軽く疑問があるんですね。

犬の食性を考える時「何代にも渡って食べてきたもの」というのは大切な要素だと思います。
牛肉や鶏肉にアレルギーがある時、いきなりカンガルーを試すのではなく
その犬種が何代にも渡って食べていたタンパク質は何だろうか?と考えてみる。
ドイツやイギリス原産の犬なら羊肉や鹿、ダックなどが与えられていたでしょう。
和犬なら魚を多く食べて来たと思われます。

これらの何代にも渡って食べて来たタンパク質は体に馴染みやすいはずです。
反対にカンガルー肉を何代にも渡って食べて来た犬はそうそういないと思います。

ありとあらゆるタンパク質を試して、アレルギーが出ないのがカンガルーだけだったなら仕方ないけれど
早々に試してみるものではないと思うんですね。

...というのが、私が原材料一覧にカンガルーという文字を見た時に考えずにいられないことです。

決して「絶対だめ」とか「体に悪い」とかいうわけではないのですが、スッキリしない。

昔dog actuallyにこんな記事を書いたことがあります。
この頃に比べると、日本も他の国もペットフード事情が変わっています。
ジウィピークのような、人道的に扱われている家畜の肉のみを原材料にしたフードも販売されています。

普通に売られているものに疑問を持つことは変化のための第一歩です。
だから私は自分がカンガルー肉のフードに感じる引っかかりにこだわろうと思います。


《参考URL》
2020 kangaroo cull                       



久しぶりに、あの団体

2020-09-15 23:48:58 | まじめな話
下のリンクは2018年の記事です。
「日本の保護犬猫の未来を考えるネットワーク」さんがピースワンコジャパン の母体であるピースウィンズジャパンを動物愛護法違反で告発したという内容です。

「なんか今日もむずかしいね」

そうね。

この告発に対する福山区検察審査会の議決結果について「日本の保護犬猫の未来を考えるネットワーク」さんからの報告です。↓

ピースワンコジャパン は施設の規模と預かり数では日本最大の保護団体ですので
皆さまの中にも寄付をしたことがあるという方がいるかと思います。

もし今も寄付を続けているという方がいらしたら、ぜひお願いしたいことがあります。
寄付者として、団体がクリアにしていない点をきちんと質問してみて頂きたいのです。

PWJは広島の動物愛護センターから犬を全頭引き出して殺処分ゼロを達成するということを常にアピールして来ました。
その無茶な計画が、犬舎内の過密な状態を作り数多くの悲劇を引き起こしてきました。
同団体は現在引き取り数に上限を設けて、全頭引き取りをやめています。
それはいいんですよ。無茶な引き取りは誰のためにもなりませんから。
しかし寄付金を募っている団体であれば、方針の変更は公に報告する義務があります。
団体から公に向けたアナウンスメントは見当たりません。自治体に提出された寄附金活用計画書に「犬の引き取り数に上限を設ける」という文言が入っていたことから、方針変更が発見されました。
全頭引き取りをスローガンとして税金を使って運営をして来たのですから、その要の部分の変更をこっそり行うというのはあってはならないことです。

上にリンクを貼った「日本の保護犬猫の未来を考えるネットワーク」さんのサイトには他にも団体に対する質問項目(←リンクしています)が挙げられています。
ぜひ、これらの項目に目を通してみてください。


「長いこと黙ってたのに、久しぶりね」

黙ってちゃいけないのにね。
避妊去勢手術のことを延々と書いてると、この団体のことを考えずにはいられないし。

その理由は以前に書いたのと全く変わっていません。

今日もリンクだらけになっちゃいましたね。
全然楽しい話題じゃないんだけど、多くの方に知っておいて頂きたくて。

あ、それからまたリンクで恐縮ですが、アメリカの犬たちの続きアップしました。
何だか小林製薬の商品名みたいなブログタイトルだわね😅 

犬とコロナウイルス陽性について

2020-08-03 23:40:20 | まじめな話
《最初に》
ささやかなプレゼント企画です。 締め切りは8月10日。
よかったらこちらからご参加ください→→→参加!😙

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もうニュースをご覧になった方もいるかと思いますが、
日本では初めて、犬でコロナウイルスPCR検査で陽性という結果が確認されました。

飼い主さんがコロナに感染した場合のペットの預りサービスを実施しているアニコムが
サービスの一環として行なっている、預かったペットへの検査でのことのようです。

アニコムさんも自社での発表で「陽性ではあるが、感染かどうかは明らかになっていない」
NHKニュースなどでも陽性=感染ではないということを説明していますが
ネットの見出しだけ見てパニックになっている人も見受けられます。


「みんな落ち着いてね 犬にはそうそう感染しないから」

今のところ、世界中で新型コロナウイルスに感染が確認された犬はほんの数匹です。
4月にアメリカで初のコロナ陽性の犬と報道されたパグは6月になって「感染していませんでした!」と発表されています。
このパグは多分飼い主の顔や手を舐めて、その時に口内にウイルスが付着したのだろうと考えられています。
ウイルスは血液中にまでは侵入しておらず、感染はしていなかったようです。
今回の日本の例も、1例はすでに陰性となっているそうなので同じパターンのように思えます。

「犬はCovid-19にかかりにくいんだっておかーさんが言ってたよ」

COVID-19を引き起こすSARS-CoV-2ウイルス(新型コロナウイルス)は、ACE2と呼ばれる受容体を介して細胞に入ります。
猫のACE2受容体は、人間の受容体とほぼ同じですが、犬のACE2受容体と人間の受容体は約70%しか一致していません。
つまり犬の受容体は新型コロナウイルスがくっつくには形がしっくり来ないので
猫や人間に比べると感染しにくいのだろうと考えられます。(すごくザックリ言ってる)

多くの国の公的な衛生管理機関やWHO、獣医師協会などが、ペットが新型コロナウイルスを人間に感染させるという証拠はないことに同意しています。

ただし、猫は猫同士での感染、猫とフェレット間での感染は可能であることが分かっていますので
猫と暮らしている方は、くれぐれも猫を外に出さないようにお気をつけくださいね。

「つまり平たく言うと...」

犬はちょっとやそっとじゃ感染しないから、ソーシャルディスタンスと手洗いとマスクしてれば
犬がコロナウイルスをもらってくるんじゃないかって疑心暗鬼にならなくて大丈夫!ってことです。
一応、念のためにブログに書いておきました。


それから最後になりましたが、先日「アメリカの犬たち」のブログに書いた
「35犬種の避妊去勢手術のガイドライン」の犬種別のガイドラインのうち8犬種
オーストラリアンキャトルドッグ 、オーストラリアンシェパード、ビーグル、バーニーズマウンテンドッグ、
ボーダーコリー 、ボストンテリア、ボクサー、ブルドッグをアップしました。
続きはまた順次アップしていきます


動物愛護法とペット業界2

2020-07-18 15:49:35 | まじめな話
先日「動物愛護法とペット業界」というタイトルでボヤいた内容の本記事がアップされたのでリンクします。

「なんだか色んな方面から数値規制って言葉が聞こえてくるけど、だからどういうことなの?」とお思いの方、
簡単に2019年からの流れと、環境省の案、議員連盟の要望、業界団体の要望をそれぞれにまとめました。

ツイッター他SNSなどで、この「動物愛護法改正に伴う数値規制」に関する情報は私も時折目にしていました。
けれど「こんな数値では話にならない!」「ひどい!」と引用されている数値が、
環境省の1月時点の案だったり、業界団体の案だったりとマチマチで、さらに説明もないものが多く
「これでは混乱して興味を失う人もいるんじゃない?」と心配していたところでした。


「で、まとめたんだけど、そこに書けない言いたいこといっぱい出て来すぎちゃったんだって」

今回は数値規制に賛同した衆院議員が所属政党を超えて、動物愛護法のための連盟を立ち上げ
諸外国の例も調査した上で、日本のペット関連の法律では画期的とも言える案を要望として提出しています。
この議員連盟は2015年に参院衆院両方から有志議員が参加して立ち上げられたのですが
今回の要望書提出は一番良い仕事だったと言えるかもしれない。

回りくどい書き方なのは、手放しで褒めたり支持したりするには足りないことだらけだから。
連盟の活動を伝える独自サイトなどもないし(あるとしても簡単に見つからない、少なくとも私は見つけられなかった)
プロジェクト名が「殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」と、多分本当には理解してないな〜感溢れてるし。

でも有権者が議員に「なんとかしてください!」と訴えることで変えられることもあるという前例としては
大いに意味のあることだと思います。
ついでに言えば「有権者として」というのは選挙で投票することが大前提です。
私のブログに来てくださる方にこんなことを言う必要はないと思いますが、投票はしなくてはいけません。
「おかーさん、話が少しそれ始めたわ」

ああ、そうね、そうね。

環境省は1月に「これでどう?」と出して来た案よりは、今回かなりの改善を見せています。
それでも上にリンクした本文にあるとおり、まだまだこれでは動物福祉が守られているとは言えない。

環境省としては業界団体と議員連盟の板挟みでギリギリの折衷案を出して来たと言う感じです。
多分、業界団体は「これでは犬猫を使ってあげられるはずの利益が少なくなる!」と言うことで
環境省にかなり圧力をかけてくることでしょう。(それはもちろん国民の目には直接触れない)
つまり今でさえ穴のある環境省案が結局さらに悪くなる可能性も残っているということ。
だから気を抜かないでこの「数値規制」の行く末に注目し続けてください。

環境省では今回の素案をさらに検討会にかけて、今秋には成案としたいという意向だそうです。
その過程で、もしかしたら国民から意見を募集する機会があるかもしれません(多分ない)
公式な意見募集の機会がなくても、各動物保護団体などが署名やメール送信の呼びかけをするかもしれない。
何かしら声をあげられる機会があれば、またどこかでお知らせするようにしますので
賛同される方はぜひご協力くださいね。


「おかーさんてネット見てもテレビ見ても怒ってばっかりいるよね」
「うん、じゃあ見なければいいのにね」

君たちの意見はもっともだ。
でも怒りたくないから見ないでいたら、人間の生活だって恐ろしいことになっちゃうんだよ。