木村秀子 Blog

ピアニスト 木村秀子の音楽日記

セネガル旅行記16 セネガルでライブ

2018-10-02 16:48:01 | セネガル
2018.2.19

セネガル滞在最終日。ダカールにあるライブハウスで念願のライブだ。

朝起きると家の前に馬車が止まり、ハーディーが何か話をしていので行って見ると魚屋さんが魚を売りに来ていた。

ダカールは海に面しているので、魚料理が豊富だ。
それにしても扱いが雑じゃない?まあ、美味しそうだからいいけど。


そして注文していたタマ(トーキングドラム)が出来上がったという。
間に合ってよかった!
昼にタマ奏者ジビィの家に行きレッスンを受ける段取りになっていたので
行って見たが、仕事が長引いて留守との事だったので1時間半ほどジビィ宅で待つ。
グリオ(世襲制音楽家)でもタマの演奏だけで生活するのは大変なんだろう。

待っている間にジビィの親戚らしい子供がこちらを覗き
恐る恐る私に近づき「ボンジュール」と握手をして来た。
私が笑顔で「ボンジュール!」と返すと奥に控えていた子供達5.6人が
取っ替え引っ替え「ボンジュール!」と握手しに来る。
学校で覚えたてのフランス語を外人相手に試したかったのだろう。
はにかんだ笑顔がとても可愛かったので、
ボンジュール攻撃に負けじと、フランス語ができない事を悟られないように
私はとにかくニコニコしていた。

そうこうしている内にジビィが現れた。
先ずは腹ごしらえという事で、昼ご飯にチェブジェンを頂く。
セネガルは客人を大切にするもてなしの国だ。
現地のレストランに行くよりも現地のお家ご飯が大好きな私としてはこの上ないご馳走だ。

そしてタマレッスンが始まった。
楽器というのはなんでもそうだが、聞くのと演るのとは大違いだ。
しかし気持ちがいい。構え、手順などその所作は難しいのだが、
セネガルでタマを叩いているという、ただそれだけで、若干興奮していた。
この小さな楽器であれだけ沢山の音色が使いこなせるようになるにはまだまだ時間がかかりそうだ。


レッスンが終わるとサバールのジョーとホレも来ていたのでジビィに車を出してもらい、
みんなで揃って今夜のライブ会場、BLUE SAXOに向かう。


会場にメンバーが揃い、サウンドチェックが始まる。
前にここのお店でライブを聴いた時に音響が酷すぎて辛かったのだが
今日のPAジェジーが担当だ。
ジェジーは色々工夫しながら本番直前まで試行錯誤してくれたおかげでなんとか乗り切れた。
本番前まで、客席は半分も埋まっていなかったのだが、
ライブがスタートするとたちまち満席になる。
そして本番スタート。
演奏は音量も大きいし、ビートもイケイケだったはずなのに
なぜか終始、冷静かつ穏やかな気持ちで弾いていた。
オーディエンスは熱狂し、ステージ前やステージに上がって踊りまくり、
サウンドはもの凄くグルーブしていたと思う。
そして思った。ここは天国じゃなかろうかと。
ライブの様子

ライブが終わり、熱狂したオーディエンスからアンコールがきた。
そのアンコール曲もなかなか盛り上がり、よし、終わった!と思いきやもう一曲アンコールがきた。
アンコール2曲目はザールがピアノソロのイントロから始まる綺麗な曲をコールしたのだが、そこで私がコードを弾き間違える。
完全に集中力が切れていた。最後の最後でしくじるという詰めの甘さを露呈してライブ終了。
...パーフェクトゲームならず。
ライブ終了後もザールはテレビ局のインタビューなどに答えて忙しそうだった。


ライブは午前1時に終了したが、午前5時までにダカール空港に行かなくてはならず
ライブの余韻に浸っている暇もなく楽器をパックしていた。
共演したセネガルのミュージシャン達に挨拶をし午前2時半頃ザール宅に戻ると
ザールの奥さんのアワが起きて待っていてくれた。
お土産にと我々にアフリカ柄の生地でワンピースとズボンを誂えてくれていた。
最後の最後まで何て優しいんだ。

旅の印象とは概ねその土地で出会った人の印象だと思う。
類は友を呼ぶのか、いい人であるザールを通して出会った人々は
みんないい人だった。セネガルが大好きになった。

幸せとはなんぞや。
徹夜状態でぼーっとしながらも
前日ジェジーと話していた話を思い出しながら
飛行機に乗り込み日本へと向かう。

続く。










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