
2000年12月リリース
1.WORLDPROOF
2.IGNITION, SEQUENCE, START
3.MAJOR TURN-ROUND
4.PALE SHELTER
5.WE ARE STARTING OVER
6.MESSAGE
7.CUBE
来月に「Get Wild」ばかり30曲以上を収録したとんでもない
アルバムをリリースするTM NETWORK。彼らの2000年リリース
の9枚目オリジナルアルバムである『Major Turn-Round』を
レビューします。
この作品、なぜかメジャーレーベルからでなくインディーズレーベル
からのリリースであまり一般にはあまり知られていません。
しかしこのアルバムは小室哲哉の趣味全開のトンデモ作品となって
いるのです(笑)
1.WORLDPROOF
30秒弱のインスト。といっても演奏されているわけではなく水の音が
するだけ。マイクを海に沈めて録音されたというもの。なんとなくだが
意味ありげだ。
2.IGNITION, SEQUENCE, START
エンジン音のようなSEが流れて、アナログシンセとギターで演奏が
始まるが、もう雰囲気はおもいっきりプログレである。ハモンドオルガン
がムーグの音が新鮮だ。一般的なTM NETWORKのイメージとは
180度違うハードロックを聴かせてくれる。ウツさんのボーカルも
心なしか荒々しさを感じてめちゃくちゃカッコイイ!
3.MAJOR TURN-ROUND
1-FIRST IMPRESSION
2-SECOND IMPRESSION
3-THIRD IMPRESSION
30分を軽く超える長~い1曲。この曲も全編プログレで攻めまくり。
小室さんの根底にあるプログレ好きな一面をこれでもか、と知らしめ
る大曲ぷり。とにかくアナログシンセの音色と生ドラム、ディストーション
が強く効いたギターが暴れたり、時には静かに奏でる。
聴ききるのはなかなか時間がかかるのが難点か。
4.PALE SHELTER
アコギとエレキの両方のギターがうまく絡み合うメロディが素晴らしい。
作曲はキネバラで有名な木根さん。この曲はバラードではないのだろう
が小室さんとは雰囲気の違う曲がまた良い味を出している。コーラスも
美しい。
5.WE ARE STARTING OVER
シングル曲だが、このアルバムバージョンではさらに暖かみを増すアレ
ンジが施されているTHE・キネバラという感じの泣きの1曲。小室さんは
この曲を ”もっともTMらしい曲” と評している。ちなみにシングルA面に木根
曲が使われるのは初めてで唯一である。
「さあもう一度出会いなおそうはじめから」という最後の歌詞はグッとくる。
6.MESSAGE
この曲もシングル曲だが、アルバムバージョンは少し毛色が違う。
僕は最初にこのアルバムバージョンから入ったせいでこちらが好きだが。
バラード寄りの曲で、雰囲気はキネバラだが小室さん作曲。
ちなみにシングルバージョンは曲タイトル表記が「MESSaGE」となる。
7.CUBE
ピアノ主体の静か~なバラード。このアルバム内の曲の中ではプログレ
色は薄いものの間奏などではオルガンが印象的に演奏されており、
アルバムから浮いてはいない。キネバラの真骨頂というべき名曲。
全7曲(実質1曲目は曲じゃないので全6曲)という少なさだが、3曲目が
異常に長いというのもあるが昔のプログレのアルバムというのはだいたいが
5曲~8曲の作品ばかりだ。当時まさかTMがプログレをやるとは思わなか
ったのでかなり驚いた。
小室さんの音楽の根底にはプログレ好きというのがあったようでこの
アルバムでは先生の好き放題やっています。完全に大衆性を廃して趣味に
走ったのは評価に値するね(笑)
ウツさんのボーカルもかなりキレがあり、セクシーさと荒々しさがよく現れて
いて聴いていて気持ちよかった。そして最大の功労者は作詞の小室みつ子
さん、全曲の作詞を担当し、プログレという難しいジャンルでも上手く詞を
当てはめていているのがお見事だと思う。
2000年という時代に60年~70年代に全盛を極めたプログレをTM風に
表現したのはなかなかなチャレンジだと思う。またTM NETWORKとして
こういう面白い作品も出してくれるといいな。
「Get Wild」「Love Train」などの曲しか聴いたことのないリスナーにも
敢えて聴いてみてほしい作品であります。
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