1.The End
2.Dead!
3.This Is How I Disappear
4.The Sharpest Lives
5.Welcome to the Black Parade
6.I Don’t Love You Like I Did
7.House of Wolves
8.Cancer
9.Mama
10.Sleep
11.Teenagers
12.Disenchanted
13.Famous Last Words
赤字はお気に入り
【概要】
あの大ヒットから10年!
ということでマイケミことマイ・ケミカル・ロマンスの
3rdアルバム『ザ・ブラック・パレード』をレビューしてみます。マイケミは
アメリカ、ニュージャージー州出身のロックバンドであるが、すでに3年前
に解散してしまっている。バンドのフロントマン、ジェラルド・ウェイを中心に
メロディアスな名曲を沢山残した。
【全曲レビュー】
1.The End
心拍数を数えるSEからはじまる1曲目なのだが、タイトルは「The End」。
「死」を意識したコンセプトアルバムの幕開けを飾る、期待感が増す演出。
2.Dead!
前曲から止まらずに2曲目に突入。2曲目なのに「Dead」だし、虚を突く
感じがたまらない。ノリのいいロックンロールである。
3.This Is How I Disappear
いよいよ聴く方も体が温まってきたところでさらに激しいロックチューン。
マイケミの音楽ジャンルはエモやメロコアと言われるが僕にはロックで
統一したくなるほど突き抜けるロックだ。かっこいい。
4.The Sharpest Lives
歪んだギターがイントロで鳴り響く。ジェラルドのボーカルもキレキレで
歌の上手さも際立つ(この曲では特に)次曲から毛色が変わるのでひと
まず激しいのはここまで。
5.Welcome to the Black Parade
2000年代洋楽の名曲!ピアノからはじまり、マーチングバンド風の演奏が
入り、バンド演奏が加わり、一旦ブレイク。転調し一気に弾ける展開に。
ここまでで鳥肌モノなのだが、さらにジェラルドのシャウト入りのボーカル
が熱を帯びる。クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」のようなドラマティック
な展開を見せるが個人的にはそれ以上かもしれない。
そのためなのか全米9位というチャートアクション以上に全英1位という
イギリスでトップになったという所に意味がある1曲(マイケミはアメリカの
バンドだし)PVの中二病をこじらせちゃった的な雰囲気もたまらない。
6.I Don’t Love You Like I Did
かなり盛り上がったあとで切ないロックバラード。コーラスの美しさとギター
ソロの情熱的さが素晴らしい。
7.House of Wolves
再び熱いハードロックチューン。曲間のジェラルドの囁くようなボーカルは
ゾクっとさせられる。かなりヘヴィで突っ走る。
8.Cancer
ピアノ主体の静かめなバラード。ここらで上がった心を少し落ち着かせるに
はちょうどよい。マイケミはこういうしっとり系の曲を作ってもメロディは良い
し耳なじみが良いんだよなぁ。個人的にとても好きな1曲(とても短いけど)
9.Mama
自分の母親のことを歌ったのだろうか、ジェラルドの優しさを感じれる。
ミディアムテンポな1曲。祖母っ子であった彼は前アルバムでは彼女の
ことを歌った曲もあった。
10.Sleep
メロディが個人的に気に入っている曲。演奏は思いのほかハードで静と動
のメリハリが上手く利いている。後半のジェラルドのシャウト連発はかなり
すごい。
11.Teenagers
「死」をテーマとしたこのアルバム中ではひときわ明るいポップナンバー。
タイトル通り10代の頃のようなやんちゃさ、若さが前面に出ている。
12.Disenchanted
アコギの演奏のみから入るバラード曲。マイケミのバラードはほんとに
メロディが美しいなぁと感じる。何気にストリングスの使いどころも絶妙だと
思う。耳に残る佳曲だろう。
13.Famous Last Words
ラストは静かな始まりから徐々に上げていくタイプのロックチューン。
ギターの音色もハードながらテクニカルだし、かなり完成された曲で
アルバムの締めくくりには良かったんじゃないかと思う。
【アルバムの感想】
マイケミが放った大出世作にして最高傑作だろう。「死」をテーマをコンセプト
にこんなにドラマティックな作品を作ってしまった彼ら。皮肉なことだが、マイケミ
はこの4年後4thアルバム『デンジャー・デイズ』を出してわずか3年後に解散
してしまう。
解散時にはジェラルドがこのアルバムですべて出し切ってしまった、的なコメント
を出していた。それだけ世間にも本人達にも大きなアルバムになった。
アルバム売り上げは目が飛び出るようなセールスを記録したわけではないが
(ちょっとアルバム内容に反して物足りなさを感じるが)しっかりとリスナーの記憶
には焼きついている名盤だと信じて疑わない。
ちなみに僕がこのアルバムを知ったのは2008年あたりです。知ったかぶりして
すみません。でも『ザ・ブラック・パレード』は紛れもない傑作だね。
「Welcome To The Black Parade」のPV
メンバー達の衣装、ダサいんだけど決まってるんだよなぁ。