1. 水のない晴れた海へ / 2. 君の家に着くまでずっと走ってゆく / 3. 夏の幻
4. 二人のロケット / 5. 巡り来る春に / 6. HAPPY DAYS?
7. Mysterious Eyes / 8. Rhythm / 9. Holding you, and swinging
10. flying / 11. 千以上の言葉を並べても... / 12. wonder land
13. 夏の幻 (secret arrange ver.)
ガーネットクロウが解散する、というニュースを昨日見た。13年間ですべてを出し切った、
という事らしい。非常に残念だ、これほどの良質の作品を出してきたグループは滅多にいない。
中村由利の曲と、AZUKI七の詞、この二つは鉄壁のコンビだった。ガーネットクロウの世界観は非常に魅力的であった。
そんな彼らの1stアルバム『first soundscope ~水のない晴れた海へ~』を紹介したい。
ガーネットクロウは国内のメジャーバンドでは珍しい、いわば「職人集団」のようなバンド、
みなそれぞれガーネットクロウでデビューする以前は同じビーイングのZARDやDEENなど
の楽曲制作に携わっていたスタジオミュージシャンなのだ。パッと思い浮かべると、アメリカ
でいうTOTO(トト)みたいなイメージだ。
倉木麻衣の全米デビューの時に、メンバー4人が楽曲制作に関わり、そこで意気投合した
というのがきっかけらしい。その倉木麻衣はGIZAから移籍し、主に彼らだけだが、その彼ら
も解散とは、今後はGIZAはどうなるのか?
1はアルバムタイトルトラックでもあり、アルバム全体を象徴する1曲。アコギとピアノからの
物静かなイントロから、中村由利の(いい意味での)冷たい雰囲気のボーカルで、引き込ま
れてしまう不思議な魅力がある。アルバム中で一番好きだ。
2のこれもアコギの優しいイントロから、中村のボーカルが入るが、1とは逆に温かみを
感じる。「お腹が空いたら電話してピザ食べよう」というAZUKI七の歌詞がなんか
ほのぼのしていて良い。
3は5thシングルとして「名探偵コナン」のEDテーマに使用された。7も先にOPテーマに使用
されており彼らの名前が広まった時期だろう。
4は個人的には1の次に好きな曲。彼らのシングルでは一番順位は下(最高47位)なのだけ
ど・・・サビメロが秀逸で中村のまだ初々しい声とが相まって良質のポップスになっている。
切ない雰囲気がなんともいえない。
5、少し暗い雰囲気を持つ曲だが、アルトの音程を持つ中村の低い声が印象に残る。こういう
雰囲気を出せるのも彼らの強さの一つだろう。 バックのアコギの音が気持ちよい。
6も5に近いが、サビ近づくにつれて徐々に盛り上げていくのは上手いな、と思う。タイトルに
?が付くのがミソなのだろう。アルバムの中では一番コーラスが多用されている。
7、おそらく知名度的には彼らの曲でもトップクラスであろう1曲。「コナン」の視聴率もまだ高い
頃でOP曲で流れていたから、僕もこの曲でガーネットクロウを知った。名曲。
8、僕はどちらかというとあっけらかんとパーッと明るい曲より、少し影がある切なく明るい曲
が好みなので、この曲は好き。しかしこのアルバム全体で飛びぬけて明るい曲はない。
「さまようかげろう」という歌詞が個人的に耳に残る。
9はサビでの中村のファルセットが堪能できる。後の曲でも時折、彼女のファルセットを聴く
事ができるが、個人的にはこれがベストだ。
10のシンセピアノイントロが特徴的なナンバー。6thシングルとして最高20位を記録した。
11、ミディアムテンポで展開する90年代風な雰囲気を出す曲。シンセの使い方がそう思わ
せるのだろうか。ひたすら優しいのが良い。
12、実質ラストの曲。中村のボーカルは特徴的で、日本語歌詞だが英語っぽく聴こえさせる
事が多いがこの曲なんか特にそう。ラブサイケデリコのKUMIとは違う(彼女はネイティブな
英語を使うが)英語歌唱を使う。
13、3のリアレンジ。「コナン」のEDだったせいか、アルバムのEDに配置されても違和感が
ない(笑)むしろ2回聴けてお得な感じがした。
このレビュー書くために、再度聴き直してみたが、非常にアコースティックなアルバムである
事に気が付いた。あまりエレキギターをフィーチャーしておらず、アナログな雰囲気を全体
を覆っていた。しかし硬くなく、耳なじみがよいポップスを聴かせてくれる。
1stアルバムにてこれぞ最高傑作だと思う。2000年代の邦楽の名盤の一つになった!
影のある楽曲を作れるのがガーネットクロウの素晴らしいところ、だと僕は勝手に解釈して
気に入っている。そんな彼らが解散するのは残念でならないが、2000年代以降の音楽界
ではなくてはならないバンドだったのは間違いないだろう。
あと、やはり「コナン」をはじめとしたアニメのタイアップが多数を占めるために、「アニソン
歌手」とか先入観を持ってしまう人も多く、ガーネットクロウを聴かず嫌いでいるのはもっ
たいない。GIZAの戦略だろうから仕方ないが、1曲でいいからドラマのタイアップでヒット
を出せたら、世間の目は変わっていたんじゃないか、と思う。
先日、リリースされたばかりの10thアルバム『Terminus』(9位を記録した)はまだ聴い
ていないが、彼らのスタンスは最後まで崩すことなく、貫いたのは素晴らしい。
今後のメンバーの活躍を期待したいところです。
個人的5段階評価 ★★★★★(S評価)
今回から評価を5段階評価にしました。(10段階にすると分かりにくいから)
ではYouTubeから「水のない晴れた海へ」のライヴバージョンをお送りします。
ちなみに「倉木麻衣の全米デビューの時に、メンバー4人が楽曲制作に関わり、そこで意気投合したというのがきっかけらしい」というのは彼らを売り出す為の口実でしょうね。
恐らく本当は古井をリーダーでAZUKIがメンバーのバンドをデビューさせる為に結成されたバンドだと思います。恐らく中村はGARNET CROWのボーカルを決めるオーディションか何かの合格者かなと思います。
そうなんですか、そういう経緯が結成からデビューにあったんですか。
しかし、13年も続くグループになるのは凄いですよね。
中村由利さんのボーカルはなくてはならない存在ですね。
最近このアルバム聞いてハマった直後に
解散と聞いたので、かなりびっくりしました。
今まで聞かず嫌いだったので
本当に勿体無いことをしたと後悔してます。
このアルバムの幻想的な雰囲気が、かなりツボです。特に1、2曲目で引きこまれました!
個人的にベストトラックは9です。
悲しいメロディと中村さんのファルセットとサビのシンセにやられました。
ホントにもっと早く知るべきでした。
コメントの返信が遅れました。というか気づきませんでした。
基本、コメントなど無いと思ってるので(笑)
ガーネットクロウのこの1st、とにかく幻想的ですね!
1曲目から虜になってしまいますね。解散は残念でなりませんが、彼らの作品はずっと聴き続けるだろうと思います。
あと、ガネクロは『まぼろし』で「科捜研の女」の主題歌に採用されています。 ただ、見ている年齢層がちょっと上のドラマなのであんまり話題にはなりませんでしたがシングルの順位は良かったはずです。