1. Alive
2. I am
3. [QUIT30] Birth
4. [QUIT30] The Beginning Of The End
5. [QUIT30] Mist
6. STORY
7. ある日ある時いつか何処かで
8. LOUD
9. 君がいてよかった
10. [QUIT30] Glow
11. [QUIT30] Loop Of The Life
12. [QUIT30] Entrance Of The Earth
13. [QUIT30] The Beginning Of The End II
14. [QUIT30] The Beginning Of The End III
15. Mission to GO
16. If you can
2014年10月リリース
待望の7年ぶりのオリジナルアルバムを世に出してくれたTM Network。
現在、彼らはこのアルバムを引っ提げてのツアー中です。
この『QUIT30』が発売されて、購入し、かなりの回数聴いてきたので
そろそろレビューをするかな、ということで今回レビューさせていただきます(^o^)
TM Networkは94年の解散後、99年に再結成してから3枚のオリジナルアルバムを
世に出してきました。しかしなんか足りないな、と感じていました。今思うと当時の小室さん
自身を取り巻く状況がかなり影響していたのかな、と勘ぐってしまう。
そんなFanks(TM Networkのファンの総称)に待ちに待った朗報がこの『QUIT30』
だったという事だと思ってます。
「Alive」
・・・1曲目、このシンセのイントロを聴いて「あ、もしかして名曲かも?」と思った。
そしてコーラス+サビから始まったこの曲。表現は稚拙ですが【懐かしくも新しい】
と感じ、とても嬉しくなりました!そして作詞は小室みつ子さん。やはりTMの
曲にはかかせない人。ウツさんの円熟味を増した美声が心地よい。アウトロで
小室さんのシンセがメロディをなぞる。これぞTM Networkな1曲。
「I am」
・・・2曲目は2012年4月のシングル曲。表記はないがオリジナルよりグッとロックな
テイストにアレンジされているのが好印象。木根さんや小室さんのコーラスも
より強調されていたり、ギターカッティングがプラスされていたりと、僕は断然
このアルバムバージョンがお気に入りです。そしてやはり名曲です!
「Birth~The Beginning Of The End~Mist」
・・・3曲目から5曲目は組曲です。歌詞は何度読んでも難解でよくわかりません(笑)
しかしかなり気合の入った曲作りをしたんだな、というのが伝わってきます。
プログレ要素が強めで、プログレ耐性がない人には「なんじゃこりゃ?」となる
でしょうねこれは。クセが強いというかアクが強いというか。僕は好きですけど。
「STORY」
・・・一度組曲はお休みで6曲目は来ました木根バラ!しかも作詞はみつ子さんという
最強の組合せ。歌詞はまるでTMの3人の事を言っているんだろうな~とジーンと
きてしまいます。そして予想外のウツさんのファルセットでのサビ。往年の木根バラ
の名曲「Fool On The Planet」「Telephone Line」のような派手さはないけど
しっとりと聴かせてくれます。相変わらず木根バラクオリティは素晴らしい!
「ある日ある時いつか何処かで」
・・・4月のシングル「LOUD」のカップリング曲がアルバムバージョンで収録。
アルバムに入ったことで存在感が増して新鮮に聴けるようになった。良曲。
「LOUD」
・・・8曲目。「I am」と違い、非常に好き嫌いの分かれる曲なのだけど僕は大好き
です。しかもオリジナルより音圧が上がっているのとピアノの音が印象的。
それにしてもイントロからいきなりBメロに入るってのは斬新すぎる、という感じ
で、小室さんだからそうなったと思います。サビでのコーラスとのハモりっぷりは
とても心地よいですね。
「君がいてよかった」
・・・9曲目。この曲も「I am」のカップリングでしたが、サビのバックでのエレキギター
が挿入されているアレンジでかっこよさが倍増しています。イントロの「one two」
というボイスもウツさんの生声(オリジナルでは声にエフェクトがかかっていた)
でニヤリとするところ。この曲もアルバムに入って存在感が増した感があります。
「Glow ~ Loop Of The Life ~ Entrance Of The Earth」
・・・再び10曲目~14曲目まで組曲で構成されています。相変わらずプログレで
展開していきますが、歌詞がいかんせん難しい。それにしてもウツさんほど
曲も歌詞もややこしいのを歌わせたら上手い人いませんね(褒めてます)
「深い深い清い清いあやういあざといあぶない荒ぶりあい」という部分があり
ますがここ聴くといつもなんかくすぐったくなるのはなぜだろうか?(自分だけか)
「The Beginning Of The End II ~ The Beginning Of The End III」
・・・まったくTMとは関連ないけどこの組曲最後の曲が相川七瀬の「鳥になれたら」
(97年のアルバム『paradox』収録)のサビメロにそっくりで聴くたびに
唸ってしまいます。組曲と銘打ってるけど、一度間が入るのであまりそういう
感覚はありませんでした。
「Mission to Go」
・・・15曲目。このアルバム中でも「Alive」と同じくらい完成度が高い曲だと思います。
メロディーがすごく頭に残るんですよね。サビも文句なしにかっこいいし、ウツさん
のボーカルもかなり力強さを感じます。みつ子さんの作詞で、「ボイジャー」という
単語が出てくるのが好きです。
「if you can」
・・・ラスト16曲目はミディアムテンポなポップな1曲。アルバムの締めくくりにはぴったり
な雰囲気を漂わせた良曲。サビを3人でボーカルとっているのも嬉しいところ
TMのアルバムは冬の時期(もしくは近い時期)にリリースが多いせいか、聴いて
いて心が暖かくなる曲も多いけどこの曲もとても冬っぽい。
全16曲(組曲をすべて合わせて1曲とするなら全9曲)という大作になっていた『QUIT30』。
ただ組曲は「CAROLの続編」的な言われ方をしていますが、僕が聴いた感じでは
あまり『CAROL』ぽさはなく、むしろ2000年のオリジナルアルバム
『Major Turn-Round』の組曲寄りじゃないか、と思います。
『CAROL』(ただしCD版での)と似ているのは曲の配置の仕方ですね。
前半と後半はキャロルの冒険物語ですが、中盤ではシングル曲を配置して小休止
させていますし、今回『QUIT30』においても前半と後半は組曲だけど中盤は
シングル曲とカップリング曲だったし。
個人的には組曲は途中で切らなくてもよかったかも、と思いますけど。
小室さんはおそらく聴きやすくしようとしたんじゃないかと。
【プログレ】としてみると僕は『Major Turn-Round』の方が好きです。
ただあのアルバムは相当気合いれて聴こうとしないとダレるので(笑)
ごちゃごちゃ御託を並べましたが、この『QUIT30』は30周年を迎えたTMの3人の
今の姿が凝縮された掛け値なしの名盤です。1984年~1994年までと1999年~現在
を分けることに意味はないのかもしれないけれど99年の再結成後の彼らのアルバム
では一番の完成度だろう、と。
ジャケットもよい意味で拍子抜けするほどの本人たちの3人並んだ写真を使っている
だけの超シンプルなもの。ここまで良い意味で手の込んでいないTMのアルバムは
12作品中では初めてじゃないか。
1st『RAINBOW RAINBOW』→砂漠にワニ少女
2nd『CHILDHOOD'S END』→やけに派手派手な衣装の3人
3rd『GORILLA』→なんじゃこれ、な、やけに眩しそうな木根さん(笑)
4th『Self Control』→3人の横顔が堪能できる、配置も考えられてそう
5th『humansystem』→センスあるなぁ、となるジャケ
6th『CAROL』→もうイメージにぴったりなSF風ジャケ
7th『RHYTHM RED』→逆に文字だけで手抜きすぎ
8th『EXPO』→これもイメージにぴったり
9th『Major Turn-Round』→ザ・プログレ
10th『Easy Listening』→意味不明な写真
11th『SPEEDWAY』→6thを意識して再びGAINAX
12th『QUIT30』→3人が立って並んでいるのみ(それだけで泣ける)
という感じ。僕はジャケットの情報解禁されるまでてっきり『CAROL』『SPEEDWAY』
路線の手の込んだアーティスティックなものになるものと信じて疑わなかった(笑)
大半のFanksのみなさんもそうだったに違いない。
でも本当にいろいろとあった小室さん、ウツさん、木根さんの3人がTM30周年の
この2014年という年に揃いも揃って、オリジナルアルバムを作ってくれたということ
だけでもありがたい。そんな気持ちにさせてくれるジャケットと内容でした。
長々となりましたが、読んでいただければ幸いです。
評価:★★★★☆(今のTM Networkが感じ取れる素晴らしい作品)
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