『 うさぎの言霊 』 Rabbit's Kotodama 

宇宙の謎、神と悪魔と人とは?

《 最終章 》 〈 第一話 〉 「 神の光輪 」 と 「 神の光網 」

2019年02月05日 14時47分57秒 | 小説




ここでようやく霊峰富士上空に、「神の光輪」が熟成されつつあります。

 その光輪には、大黒天様と四大天使、そして世界各国から選ばれし、
 精鋭の聖者7名が入ることを許されました。

彼等は、富士山五合目辺りの光の円陣内で瞑想をし、集中力を高めています。

 さて、神の光輪がこれからどうなるのか?

  人間の想像を遥かに超えた神業を御覧頂きましょう!


     ただ、少々問題があるようですが ・・・


  《 キャラクター&キャスト 》

「 天神六代 」 国 万 造 主 大神 ( 大黒天 )  西田  敏〇 
          
 大天使長 ミカエル  / トム・クル―〇
  大天使 ガブリエル / キアヌ・リー〇ス
  大天使 ウリエル  / レオナルド・ディカプリ〇
  大天使 ラファエル / ナタリ―・ポートマ〇


 ( 神の光輪の聖者 )

「 日 本 」   
土門 拳三 ( 二十五才 ) 妻夫木 〇 

「 アメリカ 」
マーフィー・ラッセル ( 二十五才 ) ヘイデン・クリステンセ〇

「 フランス 」  
カーリー・アモリーノ ( 四十三才 ) ソフィー・マルソ〇 

「 ロシア 」 
ミリアム・コルシェフ ( 五十一才 ) モニカ・ベルッ〇

「 エチオピア 」  
アジス・ビキア ( 四十七才 ) デンゼル・ワシント〇

「ブラジル 」   
クリスティアーノ・エデュー ( 三十八才) ユアン・マクレ〇ー

「 サウジアラビア 」
ムハンマド・ハルドゥーン ( 五十八才 ) トム・ハンク〇


         ( 推奨 BGM ) 

     ヨハン・セバスチャン・バッハ作曲 
 『 管弦楽組曲 第 3番 』 BWV1068 の第 2楽章 「アリア」

      




   二〇 X X 年十二月二十一日(日) 7:15
            カウントダウン 23:45

   (執筆当時の作者時間) 
    二〇〇九年九月二十四日(木) 午前一時三十分



霊峰富士上空 3,000 m 「神の光輪」 直径 約 2 キロ




          火之夜芸速男神(ひのやぎはやおのかみ)




        

     神裁きの三日間も遂に、その三日目を迎えました。

    そして午前七時を回り、新たに主神様の封印が解かれました。

   それは我々現界の住人にとって、
  神の存在に次ぐもの ・・・ それは先祖です。

その先祖が今まで、
神の光玉の障壁となっていたことが明かされたのです。

更に先祖の魂の光も見えるようになったのです。
それは光のドームの様に光輝いています。

 勿論、地下の様子は伺い知る事は出来ません。
  裁きの天使の姿も見えてはいません。

   その事実を知らされた子孫の皆様は、
    周囲の障壁の光を見ながら、歓喜の声を上げています。

   それに加え、聖域で亡くなった新米先祖の方々の姿も見えます。

  先祖と話をする事も可能なのでありますから、
 残された子孫が狂喜乱舞したことは言うまでもありません。

 しかし、直に自粛の空気が流れました。

  何故なのでしょう?

 それは遺体となった本人の魂がいない。

つまり裁かれた人間が僅かにでも居るという事実を知り、
その遺族に配慮したからです。 

聖者補佐役は、今まで 『救いの死』 であると
 嘘を付いていたことを深く詫びられました。

  しかし、ここまで残った者の精神力は強く逞しくありました。

 事実をしっかり受け止め、
直ぐ主神様にお詫びと感謝の祈りをお捧げしたのです。

更に一体感が増した祈りの輪は、
より一層光の帯を強く美しく輝かせています。

 その祈りの力が今、
  神の子人を救う 「神の光輪」を遂に熟成させたのです。

   我等神の子人が、幾億万年に亘って積み重ねた罪穢は、
   地球表層上に悪影響を及ぼしました。

  極限に汚染された地球の自然を、
 地球そのものと言える 「丑寅の金神」 が、
止むを得ず大浄化を行おうとするのは当然と言えます。

そして、この責任は先祖を含めた人類全体が問われて当然であります。

即ち、主神様は先祖とその子孫が一丸となってお詫びをし、
その証と功績を立てる機会をお与え下さったという事なのであります。

  これは感謝以外の何ものでもありません。

    あなたは、どう思われるでしょうか?


  富士上空、神の光輪は一段と輝きを放ち、
 大きさも直径二キロ程になっています。

そこから更に上空の雲に異変が見られます。 

あの厚い雲の一点から一筋の光が漏れて来たのです。 
その光が次第に広がり、厚い雲に大きな穴が開いてきました。

 大穴からは、神の光輪に垂直に光が差し込んでいます。

 もう日の出の時間は過ぎていますが、太陽光でないことは明らかです。 
 つまり現時点で、太陽の位置が富士の真上には存在する筈がないのです。 

 これは紛れも無い、主神様の祝福の光としか思えません。    

宇宙の彼方から降り注ぐ光のスポットライトを浴びた神の光輪は、
半透明な黄金に輝く凸レンズの様に見えます。

その空中を縦に浮遊する神の光輪の外輪には、
 淡い炎が立ち昇っています。  

  この神の創造物は、何と幻想的で神秘的なのでしょう。

  しかも、この光の結晶には、神の子人とその先祖全てを含めた、
 有らん限りの主神様への愛情が詰まっているのです。

この模様は、例によって光の帯を通し、
音と映像が世界の神の子に配信されています。

 皆、目を瞑り、神の光輪の美しさに胸を躍らせています。
  そして殆どの者は、嗚咽の涙に濡れています。

    それは偉大なる神の経綸に参画させて頂いているという、
    至高の喜びを全身全霊で感じているからなのです。

  その炎を纏った金色の光輪の直ぐ下には、
 守護神、火之夜芸速男神様が身動ぎもせずにおられます。

その富士周辺は、火之夜芸様が烈風炎を以って焼き尽くし、
あらゆる邪気を祓い清めされた為、清浄の気に溢れています。

 こんな光景は、今だかつて無かったのではないでしょうか?

  あっ、富士山麓に異変が ・・・
  あの円陣の光が増してきています。

 そして円陣内の大黒天様を始めとした、
 四大天使と聖者達の姿が次第に変化してゆく。

 一体どうしたというのでしょう?

 地面から離れ上昇してゆきますが、
  徐々に本体の体を覆う様に眩い光の粒子に包まれてゆきます。

   これは超人スーツなのか?
   しかも巨大化してゆきます。

 邪龍は邪気の集合体ですが、
こちらは神気の集合体ということになります。

その神気の集合体、大黒天様は身長五十メートル程でしょう。
御姿は神議り場で甲冑をお召しの時と同じ様です。

 四大天使も同様に甲冑姿。

 とは言え、この甲冑は皆さんがイメージするものとは、
 かなり違うと思います。

神々の甲冑、想像してみて下さい。

 ただ、聖者達は違います。
  それぞれの性格が反映されているようです。
   全体的にはウルトラマンっぽいと言えます。

    こちらも五十メートル程。

   人間の正義の味方ですので、行き着く先はその辺でしょう。

 しかし、二人だけ妙にゴテゴテ感があります。
防御も攻撃も万全といった感じです。
つまり、他とは異質に感じるのです。
 まるで破壊神です。

   その二人とは拳三とマーフィーであります。

  悪を力で捻じ伏せようという、
 世界中の神の子では少数派となった思想。

それを正義だと思い込む、今までの悪い価値観、曲がった正義感、
邪念の整理しきれない念波が具現化、物質化してしまったようです。

それに加え現代のヒーロー像を、漫画やアニメ、
 映画等から影響を受けたであろう拳三、
  マーフィーのイメージも強く反映しているものと思います。

    この二人だけ他とは大きさが違います。
     身長凡そ三百メートル。

     これは少々不安です。

     彼等は強い精神力を持っていますが、
    その精神から感じるものは、
   多くの同志同胞を失った悲しみと憎悪です。

 それに、かすみへの思いがここで再燃してしまっています。
 この執着はマイナスに働きます。

  それに加え、全身全霊から無限に溢れるエネルギーを感じて、
   異常な自信が漲っています。
    そして雑念邪念や野心が増大してきています。


( こりゃあ凄いぞ。なんてパワーだ!

   まるで無限に溢れてくるようだ。信じられない!
    それに頑丈そうなボディだ。

   おまけに腰には刀まである。
  これなら邪龍が相手でも不足はないぜ! ) 


    これは拳三君の思念である。


「 おい、マーフィー何だその格好は?
  マントなんか付けて ・・・

   それに背中に何か武器を背負ってるし、
  まあ、そこそこ格好が良いと言えば良いかな。
 ところで、僕はどうかな?」


「 そうだな、まあまあじゃないか。
  僕はガンダムの方が好きだけど。

   それより背中って?・・・
  あっ、これって槍かな? んん・・・」


「 おい、もう少し何とか説明してくれよ。
 鏡無いんだからさあ。」


《 ははははぁ、何じゃあ、
 図体が大きくなって力も増したら、浮かれ気分のようじゃな。

 気持ちは分かるが、そうも言ってはおれんぞ。
 何故、二人だけ姿と大きさが違うのか、考えてみよ。》 


    大黒天様が仰せになりました。


「 は ・・・こ、これはやはり二人で邪龍を退治せよ、
 とのことでしょうか?」


    拳三君の答えです。


「 え~、冷静に考えれば、
 何かどうも浮いているようにしか見えませんが?」


《 おおっ、マーフィーよ、冷静さは大事じゃ。
 深い所は分からんようじゃがな。
 まずは今、大きな鏡を出すから、
 己の姿がどんなものか他の者と見比べるが良い。ははは・・・》


   そう大黒天様が仰せになり、右の指を パチン! と鳴らされると、
   川神ハリ様が使用された波紋鏡のような巨大な鏡が現れました。

    一辺三百メートルはあるでしょう。

  拳三、マーフィー、他の五人も鏡に近付いて己の姿を映し見ました。
  皆それぞれ満足しているようです。

   己の意思も反映されているのでしょうから、当然と言えます。

  
 

《 それで、どうじゃ、拳三にマーフィー。
 率直な感想を申してみよ。》


    彼等は鏡を見ながら答えました。


「 は・・・?

 それは勿論大きさが極端に違いますし、
 他の方はシンプルで洗練されているというか、余計な、よ?・・・

 あっ、そうか私達二人には
 余計な物が付いているのではないでしょうか?

 私の場合でも、こう何か鋭角的な部分が多いですし、
 こ、これは己の攻撃性が現象化したということでしょうか?

 そんな風に見えました。
 お恥ずかしい次第で御座います。」


《 ふむふむ、良い分析じゃな。で、マーフィーは? 》


「 はい、私も拳三と同意見です。

 延いて申せば、邪念の権化が邪龍でありますから、
 我等は愛の祈りの結晶と存じます。

 そこに来て、この姿ということでありますから、
 何か人間の消化しきれない邪な念波が、
 我等二人に集まったのではないでしょうか?

 つまり我等二人にも集める原因が強く残っているものと存じます。

 こうしていても、何か悪魔達を暴力で捻じ伏せて、
 無残に殺された人々の無念を晴らしたい衝動に駆られます。
 情けない次第に御座います。」


( ・・・流石はマーフィーだな。
 やはり熱くなり過ぎるのは問題ということだ。

 ん? いや、熱いのは悪くはないんだ。
 過ぎるのが良くないということだな。

 つまり、「 心は熱く、頭は冷静に 」かな ・・・) 


    拳三の思念です。


《 はははは、そうか二人共よくそこまで気付いたものじゃ。
 見事であるぞ。

  とは言え、その姿が急に変るものでもない。

 それに邪念により付いた汚れを払拭しない限り、
 この光輪に入る事は罷りならん。
 つまり汝等にはこの光輪に入る資格はまだ無いということじゃ。

  暫くは他の者だけで凌げる。
  故に汝等は修行をするのだ。

 あらゆる邪念邪欲、我と慢心を払拭した時、
 魂は本来の輝きを取り戻すのじゃ。良いかな。》


  「「 ははぁ!! 」」


《 うむ。修行の場は月じゃ。

その体であれば真空にも耐え得る。
それに瞬間移動も可能じゃ。

 月まではわしが送ろう。

だが帰りは自力で戻るのじゃ。制限時間は十五時間。

それまでに必ず己の醜悪なる曇りを払拭するのだ。
さすれば自然に肥大した体も適性になる。

 そうなるまで、邪念にたかる邪霊が汝等を惑わすであろう。

ただ、それもこの大神から与えられた鍛えと想い精進すること、
それを胆に銘ぜよ! 良いなぁ!!


 「「 ははぁ、畏まりましたぁ!! 」」


  すると一瞬で彼等の姿は消え失せました。

  あらら ・・・ さっそく鍛えですねェ。
  これには他の聖者達もビックリです。

    目が点だ ・・・

  本人達は驚く暇も無かったでしょう。

  それより月面着陸を肉身のままで果たした事を、
  どう受け止めていいものか分からず、

    呆然自失といった感じですかねぇ。

  私のように、太陽の前で宇宙遊泳より増しだと思いますがぁ。
  ああ思い出しちゃった。
  凄く怖かったんですよ~。

  ただ、何故か楽しかった気もして不思議なんですがぁ ・・・


 「 ところで、この次はどう致しましょう?・・・三十郎様。」


《 何じゃ? おぬし太陽に観光したのか。
 それは豪儀なことじゃのう。

 まあ彼等は放っておこう。

 おぬしの力では同時進行は出来んじゃろうて・・・
 まずは光輪が完成してから月に参ろう。》

    んまあ~~太陽ツンツン。ププ。

  おうっ、お腹はまずいです。 ぷぷっ、チ、チカチュウ様ぁ ・・・
  チカチュウ様は、たまに私のお腹を突付いて遊んでおられます。

    チカチ~カ、マア良いではないかァ~~。
     ・・・あ、はい、畏まりました。


《 あのなぁ、真面目にやらんか。チカ殿もじゃ。》 ハァ~イ。

「 はい、申し訳ございません。」


   三十郎様は、また私の頭に顎をお乗せになりました。

   あ~お髭がブラブラと ・・・更に私の両髭がぁはぶっ
   引っ張られているので御座います。


《 おお、いよいよじゃぞう、ほ~ほ。
 皆、所定の位置に付くようじゃ。
 これで 「 神の光網 」 が完成することになる。》 チィ~チ。


「 神の光網で御座いますか?
 確かに地球全体で見れば光の網? に・・・

 しかし網というより、光輪から放射線状に延びた光でぇ、
 網にはちょっと見えませんが・・・?」


《 そうそう、その通り。
 今はその表現が正しい。

 それが神の光輪に神と人が同化融合した時、
 世界中の光玉同士が繋がる。

  つまりはこうだ。叡智晶を見よ。

 おぬしの言う通り、世界中の光玉から伸びた光は、
 地球内部を貫き日本の富士上空、神の光輪に繋がっている。

  その光に加え、地球表面上にある「神の光玉」
  「光の灯台」同士が光の帯で繋がるということじゃ。

 網目に均一性は無いが、
 これで地球上を覆う「光の網」になるであろう。》


「 はい、良く理解出来ました。

 それで光網の意味を推測致しますと、
 光玉同士の皆様の一体感が増すとか、
 それに因って更に神気も増したり・・・

 また、逆に邪神軍の邪霊力を弱めるとかの
 効果が有るのでしょうか?」


《 うむ、良い所を付いておるぞ。

 おぬしの申す通り一体感も神気も増すのは確かじゃ。
 ただ邪霊力を弱めることはない。

 それと大事なのは、光の流れが一方通行ではなく双方向になる。

 神の光輪が中心となり、
 その中に入った神々と聖者からの指令は伝わり易くなり、
 強くなった祈りを光輪内で受け止めれば、光輪の火の気が増量される。

 大きさは変らんが、
 密度と光度が増すということじゃ、ぶはははぁ。》


「 おおお・・す、凄過ぎますね。

 つまり愛の光が循環され、
 それに因り神人一体化するということですか?」


   インターネットが霞んで消えそう~~


  《 その通り。

 言わば「神の光輪」「地球の魂と心臓」じゃあ。

そして「光の帯」は、「地球の神経と血管」の意味合いがある。

神経は神々の意志疎通の為、血管は神気の循環に活用される。

その結果地球は巨大な「神の光球」に成り、
その祈りの鼓動は全次元に波及し、
 遂には最奥におられる 『主神様の魂』 に響くのだ。

  その結果どうなるのか、乞う御期待である!!》

    キャーッ、御期待、御期待ぃ~!
    パチパチパチ、ルンルン♪ るんるん♪



    け、結論は先送りですかぁ?
    ・・・しかし、気が遠くなりそうで御座います。

      ふえ~ ・・・



          ( 推奨 BGM ) 

    ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲
      ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23

        マルタ・アルゲリッチ (ピアノ) 
 



  


        《 心して見よ神の創造を~!

 そして、無限の愛と生命の鼓動に全身を震わせるのじゃあ~!!

      あああ、地球が喜びに咽び泣いている。

この涙は全世界に展開する光玉の守護神の涙、そして主神様の涙なのだ。 

          ついでにわしもじゃ。
       ああ、ついでに鼠と兎もじゃあ~!》  

        チュウチュウ、ウウウ~~ン ・・・

          ああ、涙が溢れます。

     熱い涙が・・・そして全世界を覆う雲からは、
       祝福の雨が地上に降り注いでいます。

         生命の躍動を感じます。

          神の光輪の四方には、
  上空から照らされ浮かび上がる鮮やかな円形の虹が囲んでいます。

       神の愛と芸術の極みが全次元を包み込み、
         我等の魂と心の汚れが溶かされ
       洗い流されていくように思えてなりません。

    そして遂に、大黒天様が光輪中央に鎮座なされました。
         その真上にはミカエル様が、
      これは方位で表した方がいいでしょうか。

 東にガブリエル様、南にウリエル様、西にラファエル様が鎮座されました。

     


          あれれ、これはどうなのか?

  五人の神様が鎮座された場所は、何か背景が黒くうねっているような。

           それにぃ・・・あれっ?

     ほかの聖者達は躊躇してなかなか入ろうとしません。

             何故でしょう?


     《 では、拡大してみようか。ポチっと・・・》 チチッと。






            あははぁ、これは躊躇して当然です。

        こ、この光輪の内部はぁ・・・
      なななな何と、あたたたたた 太 陽 なのでしたぁ。

   ああ~あ、めでたしめでたし。
  へぶっ、頭クラクラしてきた。

 それに加えて黒くうねっている謎の部分は、黒点その物だったのです。
見るとすぐ分かります。

何しろ人類史上初の生身?
で太陽観測した第一人者でぇ、御座いますからにしてぇ。

まあ生身はともかく、
黒点とその周りは水素ガスが対流する粒状班であることは、
 もうお察しのことと存じます。

  つまり接近して見ると、あまりの非現実的な光景を前に、
   恐怖というより、唖然呆然として体が硬直しているのでしょう。

      ですが、意を決して皆様入るようです。


《 よし、その姿なら耐えうるのじゃ。
 行けぇ~い、それにその炎は地獄の業火ではない、
 生命を育む源の炎なのじゃ。飛び込めぇ~~。》 イッチャエ~~。


    はは、入りましたああぁ ・・・

  神気と火の気で燃え滾る地球の魂と心臓、そして黒点内部へ。
  これは、さながら曼荼羅絵図です。

    皆、座禅の格好をしています。

  この地球の心臓と化した光輪は、内部が凸レンズ型太陽なのに、
  周辺がそれほど熱く無いのはどうしてでしょう?

  光輪を覆う黄金の炎が障壁になり、
  熱やその他の有害な粒子を封じているからなのでしょうか?


《 ほう、おぬしの言う通りじゃ。ここからじゃぞ。良く見ておれ!》 

   チュウ。

  「 はは、畏まりました。」



  ここで神の光輪の神と聖者の位置関係を御説明致しましょう。


中 心:忠神   「大黒天」 =太陽系の中心。

    創造主、主神様は宇宙の真中心。
    その一点であり宇宙全次元全てがお体であると言えよう。
    別名 「チョンの神」

 :火:縦:上 「ミカエル様」

北 東:丑寅   「土門拳三」 (現在月で修行中)

 :水:横:左 「カーリー・アモリーノ」 (補佐役、ガブリエル様)

東 南:辰巳   「アジス・ビキア」

 :火:縦:下 「ムハンマド・ハルドゥーン」 (補佐役、ウリエル様)

南 西:未申   「マーフィー・ラッセル」 (現在月で修行中)

西 :水:横:右 「ミリアム・コルシェフ」 (補佐役、ラファエル様)

北 西:戌亥   「クリスティアーノ・エデュー」


      あっ、大黒天様が動かれました。

    光輪中央の大黒点から、
    放射線状にそれぞれの大天使と聖者の黒点目掛けて、
    太い光が伸びていきます。

      次に、その外輪の黒点同士が太い光で繋がりました。


         《 皆の者、良く聞きなさい。

  これより、世界中の光の灯台となった聖者同士を光の帯で繋ぐ。

       それにより光玉同士が繋がることになる。
         それは横の繋がりを意味する。

 縦の繋がりは、神の光玉から直接この光輪に届く光そのものを意味する。
  縦と横、二つが十字に組まれた時に神人一体化が顕現されるのじゃ。

  それに加えて、月で修行しておる二人が戻ってこの光輪が完成する。

         そして充分な光度になった時、
「三十字の理」 と 「産土力」 が発動し、最奥まで伸びる光が放出される。

  そこでようやく、主神様に御降臨頂く準備が整うということになる。

        皆の者、ここまで理解出来たかな。》


       ((( ははぁ!!! )))


     《 よし、では皆、わしに波調を合わせるのじゃ。

        ムハンマド、ミリアム、カーリーは
      十字の先端部分に位置する重要な役目がある。

       それぞれ補佐役の天使の指示に従うのだ。

        では始める故、集中力を高めよ。》


        ((( ははぁ!!! )))   


   うわ、いきなり光輪内部に小型のプラズマがあちこちで渦巻き、
         光輪自体の光度が増してゆきます。

   な、何か体積も増してきたような・・・確かに膨張しています。
    直径二キロ程だったものが、一回り大きくなっています。

         更に微妙に振動してきました。

    各黒点から噴出するプラズマやプロミネンスにフレア爆発。
  それらの太陽活動から、膨大なエネルギーが蓄積されているようです。

      次に光輪内部が眩い光で満たされてゆきます。

      ああっ、その光が強烈な閃光を放ちました。
    すると、神の光輪から幾つもの光の帯が伸びています。

          一瞬の出来事でした。

     がしかし、この場所からは全体像が分かりません。

      光の神経と血管がどのように分布しているのか、
   叡智晶で見ると美しい網目模様で地球全土が覆われています。

     つまり地球を覆う雲を除いた映像ということです。


  これはインターネットなどという、愛の想念より
 悪意を蔓延させる代物ではなく、
神を想う神の子の愛と、神が我が子を想う愛とが通い合う、
魂の交流交感が顕現した姿なのです。

これで神と人との絆がより深く強く結ばれたことになります。

 その神の光輪という地球の心臓が、
  先程から鼓動を始めたようです。

   光の愛の波動がリズミカルに脈打ち、
    地球体内の一つ一つの細胞となった神の子人に流れてゆきます。

    ただ、これは一体どういう?
    ・・・みんな一様に驚いて、歓声を上げ号泣する人までも。 


   「 三十郎様、チカチュウ様・・・」


  《 はははは、無理もあるまい。

  繋がった神の光網から流れたものは、
 創造主の愛と生命の波という光じゃ。

しかも特別な光だから、今までの疲れも痛みも軽減される。
ついでに残った水も甘みが有り栄養ある物に変化させたのじゃ。
これでも感謝感激しない者は光玉には居らんじゃろう。

 当然、先祖の生命力と霊力も上がったから、
  障壁の光の強さが増したであろう。
   ほほほ、実に優美じゃのう。》

  ホホホホ、神の愛ってステキでしょ。


  「 はは、素敵で御座います。」


《 ほんに可愛い我が子は目に入れても痛くない。
 それに加え、親を想い恋い慕う我が子の姿は尚更愛しくてならん。

  神でも人でも親であれば皆そう想うもの・・
   ただ、神は甘やかし過ぎないというだけじゃ・・・

     では、そろそろ月見に行くとするかのぉ。》

 チュキツキ、早くぅ。カグヤ~~姫ェ。ウサギ殿もイキタイであろう。

  「 はは、勿論に御座います。
    何せウサギですから餅つきでも アッ、
     あの、木に生る餅を思い出してしまいました。
      ちょっと唾液が ・・・」

      垂らさないでネ。 

    「 は、はい~ ・・・」

 《 戯けめ。餅など出さんからな。》 アラ、ソウナノ~。

   「 め、滅相も御座いません。」



       
 次回、拳三とマーフィーの修行の様子を御覧頂きます。

静かな月での修行は、さぞかしはかどっているでしょうか?


   んん~~、どうでしょう?




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