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day by day

癒さぬ傷口が 栄光への入口

「チャーリーとチョコレート工場」

2007-07-25 | エイガ。
なんで今更?
………という作品ですが、いきつけの映画館の10周年企画で、様々な年代の人気作品をセレクトし安価で(会員は無料!)上映してたので見てきました。
ロードショー中は見たかったんだけど結局行けなかったので、ラインナップを見た瞬間行くの決定でしたよ。

そんなわけでせっかく見たので感想書いておきましょう。
見てからも2ヶ月近く経ってしまったわけですが(苦笑)。




チャーリーとチョコレート工場(公式)←まだ生きてた

【この作品の何をもってしてネタバレと言えばいいのかよくわからんが、一応、ストーリー展開や内容についても書きますので嫌な方はご注意下さい】

 チョコレートはお好きですか?


私は大好きです。
毎日食べても飽きないどころか習慣性でもあるんじゃないかというくらい。


この物語の原作を私は知らなかったのですが、欧米では非常に有名で親しまれている童話なのだとか。
そういえば(会社は色々問題起こしてしまったのですが)「白い恋人パーク」はこの童話に登場したチョコレート工場がモデルなんだそうで。

ジョニー・デップもこのウィリー・ウォンカ役のオファーを貰った時、説明のみなまで言わせず即答で「是非」と受けたといいます。


貧しかったり虐げられた主人公が何かの出来事を経て幸せになる、という物語はおとぎ話にはよくある話です。

でも、チャーリーは確かにひどく貧しいけれど、そういうストーリーとは少し違いました。
貧しいけれど前向きで明るい家族。
チャーリーはこの家族と仲良く暮らしていることが幸せだと感じている聡明で優しい子供です。
ただ、チャーリーは、街にある不思議なチョコレート工場を見学するという世界に5人にしか与えられない権利を「当たればいいな」と夢見ただけでした。



チャーリーはお札を1枚拾います。
それは、チャーリーにしては良くないことだったかもしれないけど、多分神さまの贈り物だったのでしょう。
駆け込んだお菓子屋さんでチョコレートを買い、開いてみるとそこにはなんと、最後の1枚のゴールデン・チケットが入っていたのです!

傍にいた大人たちは顔色を変えて
「そのチケットを売ってくれ」
とチャーリーに持ちかけますが、お菓子屋さんのおじさんが
「誰にも売らずにすぐに持って帰りなさい」
と諭してくれました。
もちろん家族は大喜び!
でも、やさしいチャーリーはさっきの大人たちの言葉を思い出しました。

うちにはお金がないのだから───
このチケットを売ったら、少しでもみんなでいいものを食べられるんじゃない?

でも、2人いるうちのぶっきらぼうな方のおじいちゃんがこう言ってくれたんです。

「お札は日に何万枚も印刷されて世界中に出回っているが、そのチケットは世界に5枚しかない。それを交換するなんて、馬鹿のやることだ。おまえは馬鹿になりたいのか?」

家族を思いやって、ほしくて仕方なかったチケットを売ろうと考えるチャーリー。
チャーリーのささやかな夢をかなえてあげることを、自分たちの暮らしがほんのいっとき豊かになることよりも迷いなく優先させてくれる家族。


そんなステキな家族のおかげで、チャーリーは晴れて世界に5人(+それぞれつきそいの大人で計10人)しか招待されない、不思議なチョコレート工場へ招きいれられることになったのでした。


さて、チョコレート工場で彼らを待っていたのは、チョコレートの芸術家・ウィリー・ウォンカ!

大人なのに悪戯好きの子供のようなウォンカに案内されて入った工場は、それこそおとぎの国。
おとぎ話の中でおとぎの国というのも妙な感じですがチョコレートの川やキャンディの草木、くるみを割る職員がリスたち…おとぎの国以外の何と表現すれば?

チャーリー以外の子供たちはひとくせもふたくせもある子たちばかりです。
とにかく食い意地が張ってる子。
とにかく人と張り合って賞をとることに躍起になってる子。
お金持ちのパパが甘いのをいいことにワガママ言い放題の子。
頭がよくてゲームばかりやってるけどいつも人を小ばかにしてる子。

ウィリー・ウォンカはこの幸運な子供たちに、さらに最後たった1人にもっとすごい賞品をあげようと提案します。
目の色を変える子供たち(&大人たち!)



子供よりも子供っぽいウォンカは、言う事をきかないこの子たちに一人ずつ、こっぴどいお仕置きをしていきます。
こっぴどいけど、おとぎ話だから大丈夫。
最後にはちゃんと無事に彼らも工場から出てきます。

チャーリーひとり、この工場の中を見学しているだけで楽しくて、最後の賞品をもらおうなんて考えていません。
結局、無欲なものが勝つ!?

気づけば、ウィリーの機嫌を損ねてひとりずつ脱落した結果残ったのはチャーリーだけになってしまったのです。

その賞品とは、なんと!
この工場をそっくりあげる!
でもそうするためには、ウィリーがずっとそうしてきたように工場にずっと住まなければなりません。
つまりそれは、あの仲良しの優しい家族たちと別れて暮らさねばならないということ。

チャーリーが選んだのは、チョコレート工場の主になることよりも貧しくても家族みんなで暮らすことでした。


普通のおとぎ話なら───この原作のラストがどうなっているのかは読んでいないので知らないのですが───ここで、ウィリーが家族ぐるみ工場に迎え入れて皆で仲良く暮らしました、めでたしめでたし──となるところです。
が、単にそれだけで終わらせないのがティム・バートン監督のヒネリのきいたところ。
原作には無かったという、ウィリーのお父さんとのエピソードが付け加えられています。

厳しい歯医者だったお父さん。
まるで拷問のような歯の矯正具をつけられた子供のころのウィリーは、甘いものを食べたくて仕方ないのに許してもらえずそれがトラウマになっていました。

家族と離れることを拒絶したチャーリーを見て、ウィリーは家族の大切さ、お父さんが本当は自分に大きな愛情を注いでいてくれたことを知るのです。
家族の大切さを知ったウィリーは、貧しくても明るく仲の良いこの家族を引き離すことを諦めました。

そして、チョコレート工場の中にあの傾いた小さな小屋を移して、家族とウィリーみんなで仲良く暮らしはじめたのでした。

めでたしめでたし。



主人公のチャーリーは、最初から最後まで一貫して、聡明で優しい「良い子」でした。
その優しさや家族を想う心に触れて変化したのは、ウィリーの方。

可笑しくて、馬鹿馬鹿しくて、時に辛辣でもあり、けれど最後にはチャーリーの優しさで幸せになる。

すてきなおとぎ話ではありませんか。



しかしそれにしても、本当にジョニー・デップという役者はもう…何と言うか…(絶句)。
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