今朝の最低気温はなんと13.0℃、室温は暖房をつけ忘れるほどの15度に。
さらに最高気温は雲量が多く陽射しは少ないのに、午前11時過ぎには20度を
越え、最高気温は22.3℃、サクラが散る頃の陽気となった奈良です。
霞む東の春日奥山、明日にかけて黄砂も来襲し花粉とのダブルパンチですが、
桜色になるのはいつ頃になるのでしょうか。
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奈良の桜・ソメイヨシノの開花予想は3月22日、満開は3月30日と予報され、
平年より6日程度早いらしい。(日本気象協会、3月9日午後5時発表)
そんなに急いで春がやって来てくれなくても良いのですが・・・
やはり地球温暖化の影響と考えた方が良いのかな。
昨日朝から大和文華館を訪れ、本館前の枝垂れ桜の『三春の瀧桜』 ・・・
昭和57年に三春町から贈られた三春の滝桜の子孫、10本苑内に植樹され、
本館前も38年を経て10mを越える高さまで育っている。
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昨年は3月26日でもう満開!とおもえば、見頃は過ぎたようだった。
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今年は蕾が膨らみ始めており、25日よりも前になるかも。
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さてその「大和文華館」では2月24日から特別企画展「隠逸の山水」開催中
4月2日までで、展示件数29点件(重要文化財3件、重要美術品1件)
香雪美術館「四季山水図屏風」と京都国立博物館「雪景山水図襖」以外は
大和文華館蔵になります。
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説明をして頂けたのは、大和文華館学芸員「仁方越洪輝」さんです。
「隠逸」とは生き方の一つ、中国宋では知識階級に属しながら政治の世界を
俗として仕官せず、山里などにひとり隠れて自然に親しみ高潔に生きる人々。
日本においては禅宗とともにもたらされ、俗世間を離れ文学へ耽る憧れとなり
狩野派は一つのモチーフとして用いている。
「山水」は心の中にある理想の風景を「丘壑・きゅうがく」と呼び、丘と谷
が転じて隠者のすまい。隠者となること、隠者としての心の楽しみを指す。
室町時代から江戸時代にかけて親しまれてきた山水画に着目し、「隠逸」と
いう視点からその意義と魅力に光をあてられ、5つに分けて展示を。
Ⅰ.室町山水画前夜・・・初期水墨画家
Ⅰ.室町山水画前夜・・・初期水墨画家
「紫竹庵図」 管道昇筆 中国・元時代
「竹雀図」 可翁筆 南北朝時代 重文
風の流れを巧みに描いている。
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「松梅佳処図」 室町時代
描き方が古いことから室町以前に入れている
Ⅱ.禅僧の山水・・・余技的画家、水辺や山中に佇む理想の書斎を描いた禅僧
「松雪山房図」 室町時代 「山水図屏風」 伝周文筆 室町時代 重文
雪舟の師匠と言われる周文、よく判っていない
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左隻👆 山水図屏風
👇右隻 人は何処へ赴くのでしょうか
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「山水図」 興悦筆 室町時代
靄の描き方がすばらしく、リズムのある岩の描き方
「瀟湘八景図画帖」鑑貞筆 室町時代
Ⅲ.狩野派の山水・・・・職業的画家
力強く整った自然の景観を描いた狩野派
特に元信は真・行・草という3種類の画体方式にまとめ、弟子に学ばせて
画の質を安定させ、大画面の作品や大量の注文に対応できるシステムを。
「奔湍図」 真 伝狩野元信 室町時代 重要美術品
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「四季山水図屏風右隻」真 狩野元信筆 室町時代 ~3月12日展示
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香雪美術館蔵
「四季山水図屏風左隻」狩野永徳筆 桃山時代 ※3月14日~4月5日
右隻と同様に水平線の高さ、人物の大きさを揃え、永徳が描いたと
考えられている。ただ筆使いが少し違うようです。
Ⅳ.文人画家の山水・・・江戸時代の中国趣味踏まえ、自らの個性を発揮する
「蘭石図屏風」 与謝蕪村筆 江戸時代
「秋渓訪友図」 岡田半江筆 江戸時代 「高士観瀑図」 山本梅逸 江戸時代後期
「親鸞聖人剃髪図」田能村竹田筆 1833年江戸後期 重要美術品
親鸞聖人が九歳で得度を受ける際に詠むまれた歌
『明日ありと思う心のあだ桜 夜半に嵐の吹かぬものかは』
明日もまだ咲いていると思っている桜も、
夜中に嵐が来て散ってしまうかもしれない
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Ⅴ.写生画派の山水・・・江戸後期の新しい流れ、現実味あふれる情景を創作
「金地山水図屏屏風」渡辺始興筆 江戸時代中期
「四季山水図屏風」 円山応挙筆 江戸時代後期
「雪景山水図襖」 山口素絢 江戸時代後期 京都国立博物館蔵
雪と松、シンプルなモチーフがよく観察されて上手く描かれている
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雪景山水図襖
最後に山水画からこんなモチーフが描かれていることが多い。
①水亭は文人のあこがれの住居で、釣りをしながら過ごす
②漁師は道教的な自由の境地を語ることのできる存在として仮託している
③訪友は訪問者とで文雅の楽しみの集いで、茶や香、音楽などに通じる。
館内はいつもより増して、静けさが感じられる展示内容でした。
展示ももうすぐ後期に入ります。
そして庭の文華苑、小さな梅林は満開、ユキヤナギも咲き始めており
下旬に咲く三春の滝桜の枝垂れ桜を見られ、よい季節になりますね。