産経新聞で目下掲載中の高杉晋作の伝記。
年末年始に何度か抜けたらなんだか話がもの凄く進んでいて、今文久2(1862)年。
高杉晋作が上海から帰って来た辺りでついに脱藩しちゃった!(昨日脱藩して今日許されてた。展開早い)
長井雅楽が失脚し、桂小五郎(木戸孝允)の義弟来原良蔵が切腹。
桂太郎と森鴎外の時に名前を出した中谷正亮も同じ頃に病死。
中谷は吉田松陰の友人、高杉晋作や久坂玄瑞を松下村塾に引っ張ってきた人で、桂太郎の叔父になります。
文久2年というとここからが「これぞ幕末」という辺りの入り口ですか。
薩摩藩主の父島津久光の上京の際に寺田屋事件、江戸に行く際に生麦事件。
尊王攘夷運動の名目で天誅の風が吹き荒れたのもこの頃で、その為に京都守護職が置かれている。
新選組は…翌年か。
また同年に森鴎外の親類である西周が海外留学しています。
という事は榎本武揚、沢太郎左衛門も一緒です。
海軍繋がりで言えば榎本は維新後海軍卿になってますし、沢も海軍兵学校の教官なってるよねー。
広瀬武夫が海兵生徒であった時の教官に名を連ねていたのを見た時は流石に驚きました。思わず二度見した。
沢さん、こんな所にいたんか!
こういう事例を見ていると、幕末(近世)から明治(近代)って何だか色んな事が断絶しているようなイメージがあるけど、本当に続いてるなーと思います。
そりゃ明治1桁台なんて生きている人の殆どが江戸時代の人だし、明治元年にそれまでの歴史全てがリセットされた訳でもないので、当たり前なんですが。
奈良から平安、安土桃山から江戸といった時代の移り変わりにはそうした事は感じないのですが、それだけ近代はそれまでの日本史とは少し毛色が違うという事なんでしょうかね。
洋服だし洋食だし、列車だし機関銃だしエレベーターだし、生命保険だしなあ。
ツールからしてそれまでなかったものが沢山出てくるし、何と言っても近世と近代といった語感から受ける印象が大きく違う。
でも、そうとは言っても一番時代の連続性を感じるのは衣食住といった生活面ですな。
いきなり変えるというのが一番難しい所だと思われますが…
生活面を見ると大都会東京でも、昭和初期までは女の人の着物率90%。
現代の私たちが使うような水道や電気といった超基本的なインフラが民間に少しずつ普及し始めたのが明治30年代頃からで、それが地方の田舎にまで普及したのが大体大正の中頃と言います。
東京に関して言うと関東大震災と東京大空襲で江戸の風情がほぼ壊滅しましたが、明治30年頃までは本当に江戸の街並みそのままという所も多かったんじゃないかと思います。
それが110年経ったら今現在のこんな形になっていて、明治の人が今の日本やその生活見たら信じられない程変わっていて、便利で豊かでしょうねえ。
でもそのお陰というかなんというか、逆に私は当時の生活っちゅうのが中々想像出来んのだわ…
まちでしか暮らした事がないというのもあると思うのだけれど。
ただ田舎のじーちゃんの所がまだそんな感じだったんだけどね。
お風呂は五右衛門風呂だったし、トイレはぼっとん(これが一番きつかった)、台所は土間でガス使ってたけど、人数が多い時はへっついさんも使ってた。あれこれ動物もいたし…
子供心に一番強烈だったのは豚だったわー。
豚のイメージはこうだったのに、自分の背よりも大きくて見たことのない形容であまりの恐さに火が付いたように泣いた(母談)。
それは自分でもよーく覚えてる。超怖かった。笑。
豚肉大好きだけど(笑)、大きな豚はいまだにちょっと怖い。
まあ今となっては見る機会もないんだが。
もうガス風呂だし水洗だし土間もなくなってガスコンロだけになってるけど、向こうにいるまだ中学生や高校生の従兄弟ちゃんたちはそんなもの使ってた事さえ知らんだろう。
生まれた時から携帯電話やネットがある世代がいて、黒電話なんてもはや過去の遺物になりつつあるってのがなんとも。
民俗博物館とかで展示される日もそう遠くないんじゃないか^^;
江戸時代の人が明治後期の日本を見たらびっくりするだろうなーと思うけど、明治の人が今の日本を見たら腰が抜けるだろうね。
明治どころか30年くらい前の日本人が今の状態見てもびっくりすると思うわ。
***
大河ドラマの影響はすごいっすねー(棒)なんかしら漫画が盛りだくさん…^^;
幾つか見たけど、ははは…うん…
ネット上で1話無料配信していた白虎隊モノがあったのだけれど、新政府側が会津藩士の遺体埋葬を禁じたとか、まだそんなこと言ってるのかorz
しかもなんだか話の流れが若松コロニーだよ。おけいちゃん出てるし。
若松コロニー(カリフォルニア)に言葉も分からない会津藩士たちを置いたまま姿を消したシュネルをどう描くんでしょう。
普通に考えたら悲惨な結末しか待って無いんだがこれまた凄い所を題材に選んだな。
まああまり読む気はない。
サムライエース(※日本史専門漫画雑誌)でも新島八重の連載が始まってますし、幕末が引っ掛るしドラマチックな女性だし清盛よりはやり易いんだろう。悔しくなんかないやい。くそう。
そういや同紙で『光圀伝』の連載もしてますな。
原作者が『天地明察』の方の話題作ですが。
なんて言うかなー『天地明察』が私程度でも分かる間違いや、これは意図的に違う人物のエピソードを書いているのか?という点があちらこちらに散見されてなー。
あまりにそう言うのが多いとなー…え?大丈夫?という感じになって読もうという気持ちには中々ならんのだよ。
小説とはいえ歴史小説という体裁だし、あまりに知られていないことだとそのまま信じてしまう人もいるからな。
面白いだけに惜しいよね。ちゃんとチェックしろよ…
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東京の端っこなんで、親類の家は銭湯、ぼっとん、洗濯機の排水はドブに垂れ流しでした…
豚はいないけど、鶏は結構いましたね…
父が小さいころくらいは、うちの近くも農道で、肥溜めもみた覚えがあります。
その白虎隊漫画知ってます。
最近の作品は、明らかに、資料を読んでないか、妄想が、恥ずかしいレベルですよね…
清盛ではないですが、かわぐちかいじが、頼朝の漫画を描いてるのはご存知ですか?
新興住宅地に住んでいても、多分私の年代だとまだ辛うじて小さい頃にそうした風景を見る機会もあったと思うのですが、今はもう難しいかな~
白虎隊のマンガ、ジャンプ系なのでそういう点では受け狙い、悲劇強調だろうなと思いながらサラッと。
若松コロニーなんて殆ど知られてないでしょうし、題材としては良いと思うんですがねえ…はい…(言葉少な)
『深蒼海流』ですね!
ジパングの第2部だそうで。かわぐちかいじということで正統派の面白さを期待してます^^