翔殿の胡椒&故障少々blog

群馬大学医学部4年生:翔殿の、ゆるい、しょっぱい、スパイス生活が満載だゼ

容疑者x

2005-12-24 11:59:26 | 文化人
 朝方5時くらいから、blogのネタも思いつかず、だんだん眠くなってきてどうしようかなと考えていたら、まだ読んでいない本があることに気づいた俺です。

 東野圭吾で、『容疑者xの献身』です。まぁ、4時間半で一気に読みましたよ。

 この本は、2005年度の、『このミステリーがすごい』(通称このミス)で、国内第一位になった作品です。

 ストーリーは、ある親子が殺人を犯してしまいます。そしてその親子の隣人が死体処理を手伝ってくれる…。んでその隣人は超天才数学者なんですね。だから親子に完璧なアリバイを構築し、事件を隠そうとする。しかし、ここでライバル登場です。その数学者の大学時代の同級生で、やはり天才である物理学者です。彼はひょんなことから事件に関与し、警察側ではないのですが事件を明らかにしようとしていく。つまり、天才数学者が構築したトリックを天才物理学者が破れるかという話。

 と書いてみましたが、話の本質は全然別次元。だって、ネタばれがおきないように、このストーリー要約にも俺の罠を仕掛けておいたからね。ケケケ。

 読後の感想は、『切ない』。愛だ恋だを高らかに叫ぶ作品は、映画でも小説でも大っ嫌いな俺ですが、逆に言えば微かに触れることができるレベルでの愛や恋にはびびっときてしまう俺です。淡いとか静かなとかそういった話が好きな俺はまさにこの作品でそれを存分に堪能しました。

 ミステリーとしてはトリックがスゴイ!!というわけではなく、逆に凡庸。まぁ言ってみれば横溝正史時代以前から存在する、あるセオリーを知ってさえいればこのトリックの核心はすぐにわかってしまう。俺の場合、このセオリーを知っていたので「ってことは、これはこうなんだな」とそのトリックに関してはわかってしまいつつ先を読んだわけです。ところが、わからない。

 さすが東野圭吾。そのトリックだけじゃなく、全体の構成が緻密で繊細。つまり、ある1点がわかっても全体が見えてこない。ジグソーパズルの1ピースがわかっても全体の画が見えてこない。

 そして、切ない、の一言のもとに最終ページがやってきます。

 まぁ、泣きましたよ。号泣ではなく、かるく涙がポトリとおちる程度に。それくらい静かにしみじみと心に染みるいい作品でした。


 今夜は、一応クリスマスイブですね。部内のいろんな人に納会とかで話題をふりましたが、ほんとにみんなバラバラ。あ、うちは静かにコタツで今夜二人で作るグラタンを食べます。んで、アカシヤサンタで笑う予定。

 にしても、今夜は見たい番組が全然ない。フィギュァは気になりますが、芸術系スポーツって興味ないんですよね…。授業はうけたくないし、マリックもどうでもいい。オーラとか全然信じてない。うーん、苦しい展開。どうせ映画館は込むのだろうから、DVDでも借りてこようかな。

 みなさん、素敵なクリスマスをお過ごしください。横浜組のおもしろトークに一番期待しています。にしても批評系を書くときには、実は2時間以上かかるんですよこのblog。更新遅れてごめんなさいでした。

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