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「布ぞうり 神(じん)」の布草履

2011-09-17 00:10:31 | 布物


私の母は、とっくに年金生活になりましたおばぁ~ちゃんでございます。

そのおばぁ~ちゃん、
ものスッごくパワフルで元気です

そりゃねぇ、70才をとっくに過ぎていますので、
あっちもこっちもガタガタに、
普通にお年寄りになりましたが、
農家ですか?と間違われるくらいの畑作りに、
お得意の和裁に着物リメイクにと自分の得意をフル活用して
あっちに行ったりこっちに行ったりとお出かけも楽しく、
毎日を楽しく元気に過ごしてくれています。

少し実家から遠い場所に嫁ぎましたし、
娘さんは手がかかり、あまり会いに行けませんので、
元気で楽しく過ごしてくれる事は、
本当にありがたいと感じてなりません

母は、手先が器用です。
若い頃は洋裁に編み物と、私の服を作ってくれました。
その母の娘なのに、
作るは作るのだが、
母に言わせると出来がイマイチ?な物しか作らない私を
「ホントに私の娘かねぇ~」と言わせてます


Only Oneを立ち上げた当初、
店に並べるものが少なかった事もあり、
母の作品も販売しておりました。

その頃母のマイブームになったのが「布ぞうり」です。

初めて作ったのは、
一緒に買い物に寄ったユザワヤで買った布草履のキットでした。
柔らかくフニャフニャの、履くとすぐペッタンコになる草履です。

母はそれから猛勉強しました
子供のころ農作業の手伝いはしていましたが、
草履を編んだ事はなかったそうです。
なのでぇ、
近所の農家の知り合いに、まず草履の編み方から習いました

それから布ぞうりの本を買って、いくつもいくつも草履を作って、
二年過ぎた頃だったでしょうか?
「これが私の布ぞうり!」と言うのが出来上がりました


そこからが凄かったです

母は社交的なのですが、
どんな人脈を持っているのか?どんなご縁なのかも知りませんが、
(聞いても私には理解不能)
いつのまにか、裏原宿の外国からの観光客が客層の和小物雑貨の店に、
布ぞうりを卸すようになってました
70過ぎだおばぁ~ちゃんが、埼玉から原宿に行くだけでも凄いと思いました

たまに納品に行った時にお客様がいて、
お店の店員さんが着付けが出来なくて困ってるのをみれば、
言葉も通じない相手に、
着付けもするし、それに似合う小物も進めるし、
ついでに自分のぞうりも売り込む
今日のはブラジル、今日のはニューヨーク?
売れた先の国を知らせるメールが届く

そのうち、知り合いから教えて欲しいと頼まれ、
そのうち、知り合いじゃない生徒さんまででき、
ご要望があれば、父を送迎の足に使い出張講習までする
ちゃんと講習料を貰う、「先生」と呼ばれる人になっていました

千葉の叔母が、「ねぇ~ちゃん教えて」と連絡を寄こせば
はいはい♪と電車に乗って一人で千葉まで出向き、
叔母の販売ブースに一緒にぞうりを展示して売ってくる

つい先月まで、自宅の最寄駅の前のデパートの趣味の雑貨屋にも、
頼まれちゃって~ねぇ♪と
ずっと布ぞうりを卸していて、
父に「新しいテレビを買ってあげた♪」と言ってました

さすがに年齢的に疲れたのかな?
少しお休みしま~す♪と、
「駅前の仕事一息ついたから、遊びに行くわ♪」とメールが来たのが・・・
我が家に来てくれると言う知らせが・・・一年半ぶりです
一人娘で一人の孫なのに・・・
ほったらかしされてました


母は自分の布ぞうりを、きちんとブランドと意識していると思います。
ブランドとは思っていません、
おばぁ~ちゃんなので「屋号」と言ってます

「布ぞうり 神(じん)」と屋号をつけ、名刺も自分で作っていますので、
娘のちょっとしたお手伝いのつもりで、
母にはけして出来ない、パソコン作業でチラシを作って持たせています。

今でも、Only Oneでイベント参加の時などは、神のぞうりを販売します。
とても丈夫ですが、毎日使えば消耗品なので、
繰り返しお買い上げのお客さまへの販売も、私が担当しております。




この写真は、ぞうりの裏です。

布ぞうりをご存知の方なら
よく趣味の店や民芸店などで、
500円~2000円程度で購入出来る布草履と違いがわかると思います。
強度を出すために、藁を使う事もしませんし、
裏も履き心地には大切なのだと、編み残しを出したままにもしません。

材料も、
一般のキッドの編み紐よりずっと多く使い、細かくキッチリ編みこまれています。

「鼻緒ってのが、履く草履のお洒落なのよぉ♪」と、
可愛らしい鼻緒で足にフィットする事から、太い鼻緒です。

そして、
「数回履いたらヘタレるなんてもっての他!」と
底裏の生地が多少擦り切れても、洗濯機で洗っても解れる事はない、
厚みのあるしっかりした布ぞうりです。

一足作りあげるのに、何時間かかるのでしょう?

なんどか私も作り方を習いましたが、
編み紐や鼻緒を用意するだけで四時間くらいかかりました。
着物をほぐす所からやったら、一日どころではありません。
それから編むのだって数時間はかかります。
私で確か、用意から出来上がりのトータルで8時間だったか10時間だったか。
「ドンくさいわねぇ~」と母はそんな私を言いますから、
母はそれよりは短い時間で作るのでしょうけれども、
それだって、編むのは力仕事なんで、
ば~ちゃんがよくやるよ・・・と私は思います

そんな風に時間もかかりますし、
材料も、良い着物生地を解して作ったりしますので、
神の布ぞうりは、一足3,000円~の販売価格です。

よくある布草履の倍の値段なのですが、
出来の良さと長持ちからか?
よくある布草履との違いからなのか?
古い着物生地を使うデザインが海外土産に適しているのか?
厚みのある裏が、フローリングの艶出し磨きにちょうど良いのか?
いろいろな理由があるから、
だから人気があるんだなぁと解ります。


売れてくると解る事の1つに、
この生地合わせ、この色使いなど、
お客様の求めるデザインがあります。

海外お土産用のデザインは、
履かずにアートとして飾られる物になるから、
日本らしさをタップリ出すとか
毎日履いて貰うのは、やっぱり鼻緒が命で、
素足の履き心地優先だから着物生地に拘る必要はないのだとか。

母を見ていると、
人生死ぬまで勉強なんですねぇと頭が下がります。

一休みしている「布ぞうり 神(じん)」ですが、
畑仕事が一息ついたり、
裂き布の機織りなど飽きてきたら、またすぐ再開するかと思います。

新作が出ましたら、
Only Oneでも卸してもらう予定です。

是非一度、「布ぞうり 神」のぞうりをお試しいただけたらと思います。




↑鼻緒は近頃の生地ですが、編み紐は古い着物だったかな?
実寸24cmです。
履いていると重みで少し伸びますから25cmくらいまでのサイズ。
一足3,000円です。




↑編み紐は近頃の生ですが、鼻緒が古い帯あげを使っているとか。
鼻緒がピンクの方が23cm。赤は24cm。
一足3,000円です。


「覚えてくれないと、私の作り上げた布ぞうりの技術が勿体無いでしょ
と葉っぱかけられましたが・・・

お母さんごめんなさい
私には無理です
一足編んだら、次の日親指が痛くて家事も出来ません
継承は諦めてください

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