『源氏物語』7帖 紅葉賀(もみじのが)
藤壺の出産と苦悩
源氏18歳秋-19歳秋 宰相兼中将時代
藤壺23~24歳/紫上10~11歳
[光源氏、青海波を舞う]
10月の朱雀院への行幸に先立ち、妊娠中の藤壺のためにリハーサルが催され、光源氏は頭中将を相手に青海波を舞います。
朱雀院の行幸の日、美しく色づいた紅葉の下で、光源氏は頭中将と「清海波」を舞いました。その舞姿は誠に素晴らしく、帝をはじめ上達部や親王たちも皆、感涙を流しました
※上の写真は、「紅葉」/無料(フリー)写真素材を使用
※上の写真は、「神社で雅楽」/無料(フリー)写真素材を使用
※せいがいは【青海波】は、雅楽の曲名。唐楽。新楽。黄鐘調と盤渉調(ばんしきちょう)の中曲。舞楽の時は盤渉調の曲が用いられる。左方舞。舞人は二人。
[藤壺、光源氏の子を出産]
翌年2月、藤壺は若宮(のちの冷泉帝)を生みます。
桐壺帝は「光源氏と似ている」と言います。藤壺の生んだ若宮は、桐壺帝の子ではなく光源氏の子であため、藤壺と光源氏はその罪に心乱れます。
7月、藤壺は中宮に、光源氏は参議にそれぞれ昇進します。
桐壺帝に仕える年配の女官で血筋、人柄の申し分ない源典侍には、希代の色好みという評判があった。好奇心旺盛な源氏と頭中将は冗談半分で彼女に声をかけていたが、年をわきまえずあからさまな媚態を振りまく彼女に辟易としている。
源典侍のもとに泊まった夜、光源氏は何者かの襲撃を受け太刀をとって応戦するが、掴み掛かってみると相手は頭中将であった。わざと修羅場を演じて源典侍を仰天させた二人は、調子に乗って掴み合いをするうちにぼろぼろになってしまう。大笑いしながら帰った翌日、職場で顔を合わせた二人は昨日の騒動を思い出して、互いにそ知らぬ顔で笑いをかみ殺すのだった。
【源氏物語7帖に出てくる主な登場人物】
光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮に恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮も藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。
藤壺の中宮(ふじつぼのちゅうぐう)
先帝の内親王。「藤壺の宮」とも呼ばれる。桐壺の更衣亡き後、桐壺帝は顔がそっくりな藤壺を入内させる。光源氏の初恋の相手であり、光源氏と藤壺の間には不義の子(冷泉帝)が誕生。
桐壺帝が亡くなった後は、出家する。
桐壺帝(きりつぼてい)
光源氏の父親。桐壺の更衣を溺愛し、物語の主人公・光源氏が誕生。
桐壺の更衣が亡くなった後は、顔がそっくりな藤壺を入内させ愛する。
子の朱雀帝に譲位した後は、桐壺院となる。
自分と藤壺中宮の子が実は光源氏と藤壺中宮の子であるとは知らないまま崩御する。
朱雀帝(すざくてい)
桐壺帝の息子で、母は弘徽殿女御。光源氏の異母兄である。
光源氏と朧月夜が恋仲であることを知りながら、朧月夜を深く愛する。
やさしく穏やかな性格の男性である。
冷泉帝(れいぜいてい)
表面的には、桐壺帝と藤壺中宮の子であるが、実は光源氏と藤壺中宮の子。
藤壺中宮の没後に、出生の秘密を知り、帝位を源氏に譲ろうとするが断られる。
頭中将(とうのちゅうじょう)
左大臣家の息子であり、光源氏のいとこ。葵の上の兄である。光源氏にとっては親友であり、恋のライバルでもある。
夕顔との間に娘(玉鬘)をもうける。
源典侍(げんのないしのすけ)
宮中に仕える女官であり、年をとっているのに色好み。恋多き女であった。
50代後半の頃、興味を持った光源氏と頭中将は源典侍と関係を持つ。
70歳前後まで長生きした。
今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』や『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。
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