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筑紫の国から『花つくし日記』

福岡から情報発信の山野草・庭の花などをテーマにしたブログです。
お花紹介は九州に咲く季節の花がメインですよ。

●豊前国府04 万葉の歌碑/巻6-1009/福岡県みやこ町 豊前国府跡公園

2025年05月15日 | 20.万葉の花鳥風月

万葉の歌碑を訪ねて


歌碑の設置場所/福岡県京都郡みやこ町国作 豊前国府跡公園万葉歌の森

万葉集/巻6-1009  作者/聖武天皇(しょうむてんのう)

は  実さへ花さへ  その葉さへ
      枝(え)に霜降れど    いや常葉(とこは)の木 


【意味】橘の木は花さえ実さえ その葉でさえも 枝に霜
  降って来ようと枯れることなく ますます常緑樹であるぞ

 ※「常葉」冬でも枯れない常緑の木の葉。
 ※左大弁葛城王(さだいべんかずらきのおおきみ)たちが、
                                 姓(かばね)と橘(たちばな)の氏(うじ)を
                                 賜わったときの聖武天皇のお歌

写真下 歌碑が置かれている「豊前国府跡公園」

写真下 歌碑の全景。

写真下 歌碑の説明文


万葉の歌碑とは
万葉集の歌を刻みつけた碑が「万葉歌碑」です。 多くの人々に親しまれた万葉の歌を石に刻み、その歌を作った歌人を讃(たた)え、その歌が後の世に残ることを願っているのです。


現在全国各地に設置されている万葉歌碑は2,000基を越えていると言われています。
歌碑の過半数が実際に歌碑が詠まれた場所、または歌碑に関連する場所に設置されており、「歌碑を訪ねる」=「実際に万葉の故地や史跡を訪ねる」ことになります。

私の地元「福岡県」は、大宰府政庁に関係する歌や防人の歌があり、万葉の歌碑も多くあります。
万葉歌碑から万葉の時代にタイムスリップし、万葉人に会える旅へ出かけてみましょう。!


写真下 歌のイメージ 橘(ミカンの実と葉)

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万葉集/巻7-1106 生き物を詠んだ歌 蛙(かえる)

2025年05月14日 | 20.万葉の花鳥風月

万葉集には、自然、草花、四季、生き物などがたくさん登場します。
今日、紹介するは、生き物を詠んだ  蛙(かえる) の歌です。

万葉の時代は、「蝦(かはづ)」と呼ばれています。

万葉集/巻7-1106  作者/不明

かはづ鳴く  清き川原(かわら)を  今日見ては
                        いつか越え来て  見つつ偲(しの)はむ 

【意味】カエルの鳴く清い 川原を今日見たそのあとは
    いつまた山を越えて来て 楽しむことができるでしょう

 ※「かはづ」カエル。
 ※「偲はむ」賞美するだろう。

万葉人が豊かな自然の中に暮らした時代を歌で楽しみましょう。

※写真は、Canvaのフリー写真素材を使用

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万葉集/巻20-4433 雲雀(ひばり) 2025年4月

2025年04月23日 | 20.万葉の花鳥風月

万葉集には、自然、草花、四季、生き物などがたくさん登場します。
今日、紹介するは、雲雀(ひばり)を詠んだ歌です。

万葉集/巻20-4433  作者/大伴家持(おおとものやかもち) 

(あさ)な朝(さ)な 上(あ)がるひばりに なりてしか
    都に行(ゆ)きて はや帰り来(こ)


【意味】朝になるたび空へと上がる ヒバリになりたいものだなあ
    都へ行って節句を祝い すぐに戻って来るのになあ

    ※「あさなさな」〈あさなあさな〉の約音。
 ※「てしか」願望。

万葉人が豊かな自然の中に暮らした時代を歌でたのしみましょう。


※写真は、Canvaのフリー写真素材を使用

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万葉集/巻8-1469 生き物を詠んだ歌 霍公鳥(ほととぎす) 2025年4月

2025年04月10日 | 20.万葉の花鳥風月

万葉集には、自然、草花、四季、生き物などがたくさん登場します。
今日、紹介するは、生き物を詠んだ  霍公鳥(ほととぎす) の歌です。

ホトトギスは、全体に灰色で、胸から腹にかけて横斑があります。万葉集では153首にも登場します。

万葉集/巻8-1469  作者/沙弥(さみ)

あしひきの  山ほととぎす  (な)が鳴けば
                   家なる妹(いも)し    常に偲(しの)はゆ 

【意味】帰りたいと血を吐いて 鳴くという山ホトトギス
    おまえが鳴けば家にいる 妻が恋しくなってくる

 ※枕詞:あしひきの
 ※「偲はゆ」〈ゆ〉自発。恋い慕われる。
 ※「沙弥」仏門に入り得度(剃髪)したばかりで、
              まだ具足戒(比丘・比丘尼の守るべき戒律)を受けていない者。

万葉人が豊かな自然の中に暮らした時代を歌で楽しみましょう。

※写真は、「ホトトギス」/無料(フリー)写真素材を使用

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●豊前国府03 万葉の歌碑/巻16-3876/福岡県みやこ町 豊前国府跡公園

2025年03月26日 | 20.万葉の花鳥風月

万葉の歌碑を訪ねて


歌碑の設置場所/福岡県京都郡みやこ町国作 豊前国府跡公園万葉歌の森

万葉集/巻16-3876  作者/豊前国(ぶぜんのくに)の海人の歌

豊国(とよくに)の  企救(きく)の池なる  (ひし)の末(うれ)
                       摘むとや妹(いも)が    み袖(そで)濡れけむ 


【意味】豊の国の企救の池で あなたはおいしいヒシの実
    摘もうとなさったせいでお袖が 濡れてしまったのでしょうか

 ※「豊国」豊前と豊後に分割される前の総称。
 ※「企救の池」未詳。
                         〈企救〉は北九州市門司区・小倉北区・小倉南区。
 ※「菱の末」〈菱〉一年草の水草。ここではヒシの実
 ※「摘むとや」摘もうとして~か。〈や〉疑問。
 ※「み袖」〈み〉尊敬の接頭語。〈妹〉は身分の高い女性なのだろうか。
 ※「濡れけむ」〈けむ〉過去推量、〈や〉の結びの連体形。

写真下 歌碑が置かれている「豊前国府跡公園」

写真下 歌碑の全景。

写真下 歌碑の説明文


万葉の歌碑とは
万葉集の歌を刻みつけた碑が「万葉歌碑」です。 多くの人々に親しまれた万葉の歌を石に刻み、その歌を作った歌人を讃(たた)え、その歌が後の世に残ることを願っているのです。


現在全国各地に設置されている万葉歌碑は2,000基を越えていると言われています。
歌碑の過半数が実際に歌碑が詠まれた場所、または歌碑に関連する場所に設置されており、「歌碑を訪ねる」=「実際に万葉の故地や史跡を訪ねる」ことになります。

私の地元「福岡県」は、大宰府政庁に関係する歌や防人の歌があり、万葉の歌碑も多くあります。
万葉歌碑から万葉の時代にタイムスリップし、万葉人に会える旅へ出かけてみましょう。!


写真下 歌のイメージ ヒシの実

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