『源氏物語』4帖 夕顔(ゆうがお)
友がかつて愛した夕顔との恋
光源氏17歳/夕顔19歳/六条御息所24歳/頭中将22歳
[光源氏、夕顔のもとへ通いはじめる]
光源氏は六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)のもとへ通う途中、重病に付している大弐乳母(だいにのめのと)を五条の家に見舞い、惟光(これみつ)(乳母の子)のはからいで、その時知った隣家の夕顔のもとへ通いはじめた。
巻名は、夕顔が本帖の中で詠んだ和歌による。
「心あてにそれかとぞ見る白露の
光そへたる夕顔の花」
※写真は、「夕顔(ゆうがお)」/無料(フリー)写真素材を使用
[夕顔の死]
光源氏は夕顔の家に泊まり、翌朝、近くの荒廃した某院に夕顔を連れ出します。その夜、女の生霊(六条御息所)・物の怪に襲われて夕顔は死んでしまいます。光源氏は悲嘆のあまり、病床に臥しました。
[夕顔の遺児・玉鬘]
夕顔は、実は雨夜の品定めで頭中将の話したかつての恋人「常夏の女」でした。そして頭中将との間に3歳になる女の子(玉鬘)がいました。
まもなく、空蝉は夫に伴われて伊予国へ下った。
空蝉の継娘の軒端荻は蔵人少将と結婚した。
光源氏は夕顔、空蝉との別れを惜しみます。
【源氏物語4帖に出てくる主な登場人物】
光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮に恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮も藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。
夕顔(ゆうがお)
頭中将の元恋人であり、玉鬘の母親。
なよなよと儚く可愛らしい印象の女性。頭中将の正妻からの嫉妬を恐れ、隠れて住んでいたところ、興味を持って近づいてきた光源氏と恋に落ちる。六条御息所の生霊にとりつかれ、命を落とす。
頭中将(とうのちゅうじょう)
左大臣家の息子であり、光源氏のいとこ。葵の上の兄である。光源氏にとっては親友であり、恋のライバルでもある。
夕顔との間に娘(玉鬘)をもうける。
六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)
前の東宮妃。夫の東宮が亡くなった後、光源氏と恋愛関係に。光源氏より7歳年上。美しく知性もあるためプライドが高い。
物事を考えこんでしまう気質であり、ついには葵の上と夕顔に生霊としてとりついてしまう。
六条御息所と前の東宮のとの間には娘がおり、のちの秋好中宮である。
惟光(これみつ)
藤原惟光。光源氏の乳兄弟であり、光源氏が最も信頼している家来である。惟光の娘の藤典侍は、光源氏の息子・夕霧の側室となっている。
今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』や『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。