『源氏物語』6帖 末摘花(すえつむはな)
三角関係の後に手に入れた、鼻の赤い姫
光源氏18~19歳/頭中将23~24歳/紫上10~11歳/末摘花?歳
[光源氏、末摘花に会う]
光源氏は夕顔にかわる人を探していました。常陸ひたち宮の姫君(末摘花すえつむはな)が両親と死別してさびしく暮らしていることを聞き、ある春の夜、大輔命婦(たいふのみょうぶ)の手びきで末摘花邸を訪れ、琴の音を聞き、通っていくようになります。
末摘花(すえつむはな)は、紅花(べにばな)のことです。
※写真は、「紅花(べにばな)」/無料(フリー)写真素材を使用
不美人でありながらも生涯光源氏と関り続けた女性の一人。
「末摘花」とは、源氏がこの女性につけたあだ名で、彼女の「鼻が紅い」こととベニバナの「花が紅い」ことをかけたものでです。
[末摘花は鼻が赤い]
光源氏と頭中将が心惹かれ、競って言い寄ります。光源氏が一足早く彼女と関係してみると、翌朝、光源氏は姫君の花の咲きが末摘花(紅花)のように赤く、長く垂れ下がっているのを見て驚きます。
しかし、光源氏は姫君の生活の面倒を見ようと決意します。
翌朝、光源氏は二条院で若紫と、鼻の赤い女の絵を描いて遊びました。
【源氏物語6帖に出てくる主な登場人物】
光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮に恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮も藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。
頭中将(とうのちゅうじょう)
左大臣家の息子であり、光源氏のいとこ。葵の上の兄である。光源氏にとっては親友であり、恋のライバルでもある。
夕顔との間に娘(玉鬘)をもうける。
末摘花(すえつむはな)
常陸宮という貴族の娘だが、父親を亡くして非常に困窮している。
容貌は不美人であり、鼻の先が赤いので末摘花と呼ばれる。純粋な心の持ち主で、通わなくなった光源氏を待ち続ける。光源氏に引き取られ、二条東院に住み、面倒をみてもらうようになる。
今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』や『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。