虫倉の里に言い伝えられている「おおば様伝説]」をご紹介します。虫倉山には、おおば様が住んでいて、村人や地域を災いから救い、子供たちを危険から守ってくれる「子育ての神様」として親しまれ語り継がれて来ています。
その一つ
<ととっ毛>
昔は、小さい男の子は「ととっ毛」をしました。丸坊主の頭の、うしろの一部の髪の毛を残し、長く伸ばしておきます。
川や池で子供が水に溺れかかった時に、大姥様が「ととっ毛」をつかんで引っ張って助けてくれるといいます。
「ととっ毛」は小学校に入学する前に切って、大姥様に納めることになっていました。大きなケガもなく無事に育ったことに感謝するものです。また病気が直るようにと願いをこめて奉納することもありました。大姥様の社殿(虫倉神社)の格子戸などに、よく「ととっ毛」がくくりつけてありました。子供がケガをしないようにという願いがこめられていました。
この風習は、昭和二十年代まであった様です。
里から見えるの虫倉山(中央の山)
虫倉神社(伊折の虫倉神社、もう一つ地京原地区にも虫倉神社がある。)