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サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

京都ペレット町屋ヒノコ

2010年05月29日 | 環境と森林・林業
個人ごとの視察で、京都に2泊した。

その一環で、5月17日にオープンしたばかりの「京都ペレット町屋ヒノコ」をたずねた。

京都市は、北山スギで有名な京北町と合併し、森林政策にも力を入れるようになったという。特に、ペレットストーブの設置助成を始めるなど、その普及に力を入れている。京北町にペレット製造施設をつくり、その需要先を京都の街中に開拓したいからだ。

レットストーブの普及拠点として、京都市が設置した拠点が「京都ペレット町屋ヒノコ」。運営は「株式会社HIBANA」(松田さん経営)が委託されている。


日本では、ペレットストーブの設置よりも、薪ストーブの設置が先行しているが、街中では燃料の設置場所の確保や排気口の設置工事等を考えると、ペレットストーブの優位性もある。

ヒノコには、イタリア製、信州製等のペレットストーブの実物が設置され、比較できるようになっている。ペレットストーブの実物を見れる貴重な場所となっている。


昼食は、ハイアットリージェンシーホテルに移動し、薪を使ったグリル料理を味わった。支配人が説明にきてくれた。裏山にある松食い虫で枯れた木を、京都女子大学等の力を借りて、薪として搬出してもらい、使っている。

ホテルでは、グリルでの地場の薪利用を、地域貢献の一環として実施しているとのこと。もともと、グリルでは薪を使っており、数百万円ものコストをかかっていた。そのコスト削減にもなり、無理なくやっているという説明もあった。


京都では、街から山が見え、山と物理的な距離が近い。また、伝統の街として、薪を使った食品加工(豆腐等)にこだわる事業者もいる。

そうした街で、木質ペレットの製造、ペレットストーブの普及が進められて、国際高級ホテルが裏山の薪利用を始めている。森林資源の利用にも理解がある市民も多いだろう。


かつて、京都から多くの文化が全国に伝播した。その伝播が同心円のように重なることから、柳田國男は文化分布の同心圏構造を指摘した。

10年、20年後、ペレットストーブの普及・伝播は、全国地図上でどのように描かれているのだろうか。


参考:株式会社HIBANA
    http://www.hibana.co.jp/index.html


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