恋の方程式が解けません in goo

よくわからないまま引っ越してみた?

真・福岡ぶらぶら節~伍

2015-12-09 20:47:15 | 日記
今日は我ながら頑張った!明日も頑張る!

で、続けます。

戸惑いと焦り。赤と黄色しかない信号機のように交互に点滅するかのように、

行き詰まった感覚にがんじがらめに縛りつけられる。

職員とおもわしき人々の目に入らないように美術館のロビーの片隅の椅子に座り込み、

冷房があまり効いていないのか、汗のひく気配はなかった。

足をいたわりつつ、スマートフォンの画面とにらめっこする。

ナビ機能をフルに活用するも、本来の目的地には数キロ有り、

九月の気候と悲鳴をあげているふくらはぎの事をおもえば、とてもじゃないが徒歩での移動は不可能。

が、また、バスでの移動にしても、停留所は先ほど降りた場所を使えばいいのだが、

行き先がわからない。まず、自分の現在地、目的地、博多駅の三点の位置関係がまったく描けていない。

携帯の地図は不慣れのせいと焦りでまったく読めない。

そこへ美術館の玄関にタクシーの到着するのがみえた。

そのタクシーには親子らしき女性二人が乗り込み、滑るように走り出す。

その光景を見つめる自分はさぞ呆けた顔をしていたに違いない。

止むなし。いらぬ出費に奥歯を噛むもここに座っていてもなんの解決にもならない。

時は金なり。決意は、自分の膝を叩いて歩み始めるのが合図。

美術館から出ようとするとき、ふと思い立ってもう一度、その静かな景色を目に焼き付けた。

「次、ここに来ることはあるんだろうか。」

そう思うことは瞬き如く、もう一番近い大きな道を探す事にした。

ほどなくそれらしき大きさの道に辿りつくがあまり交通量が多くはない。

タクシーと同時にバス停も探す。

どこかのバス停で腰掛けてタクシーを待とうという魂胆。

が、この通りにはバス停が見つからず、携帯のナビを見ながら、目的地を指す矢印を追いかけることにした。

歩いていくうち、まだまだ夏だということに気づかされる。

暑い、少しばかりの後悔。

と、そこへ運良くタクシーを発見。遠慮がちに手をあげてみる。

ふー、これで、残暑の猛威から逃れられる・・・。

タクシーの運転手が少し戸惑った表情を浮かべながら、自分の傍らに止まる。

その表情が何を意味するのか。開いたドアから乗り込んだ瞬間に理解できた。

エアコンが効いてない・・・。

そして、運転手さんの容赦ない一言。

「すいません、エアコンが壊れていて今晩修理するんですが、よろしいですか」

言葉を失いかけたが、まったく気にしてない事を伝え、何度も詫びる運転手さんにこちらが気を使ってしまう。

が、日の当たる方の席に座ってしまい、席をずらそうとするが、それすらも運転手に気を遣わせるのではないかと、

移動すらできずに福岡の太陽に対峙したまま、目的地である福岡市博物館に到着できた。

少しは割引でもしてくれるのかなと期待もしたが、単なる希望のまま終わった。

ほんの二十分ほど前の絶望にくらべれば、ずっと希望と期待が持てる。

ついに「大関ヶ原展」を鑑賞できるのだから。


ほんと、色々起きる旅行。ある意味、ごくごく小さな出来事とはいえ貴重な体験するものだ。

この体験を共有できないことに寂しさを感じなかったといえば嘘になる。

そして、続きます。

まあ、ある意味これがピークかも(笑)じゃあね~ヽ(*´∀`)ノ


真・福岡ぶらぶら節~肆

2015-12-06 20:04:24 | 日記
いやー、暖冬ですわー。雨がちょびちょび降ってくれますわー。

仕事が後伸ばし後伸ばしです。

で、続きです。

バスから降りて辺りを見渡す。

まったく目的の場所が見当たらない。携帯のナビを開くか。

この停留所で降りた客は3名。ついていけば、目的場所に誘導してくれるのではなかろうか。

とりあえず、そしらぬ顔で同時に降りた客の一人に的を絞りついていくことにした。

初老の女性だ。今の足の具合で尾行するには適切な判断と言えるのだろう。

もちろん、怪しい行動ではあるのだが、目的地が同じなら決して不審者と認定されることもない。

と、藁にもすがる思いで自分に防護壁をする。

思った以上に距離がある。ターゲットに指定した女性の歩幅にあわせるのに、

少し脚に負担がかけていくのもやむを得ないである。

右手に福岡城跡の看板を横目に、ターゲットの薄紫のワンピースの背を見逃さない。

が、その女性は小走りになり道路を横断し、林のなかの小道に吸い込まれように入っていった。

そして、姿は見えなくなった。

時間にして一分弱ではあったが、自分には瞬きの出来事のように感じ絶望と言う言葉がよぎる。

ここで、ここまできて、本当の迷子になるわけにはいかない。

道路の横断時に左右の確認。一台の軽自動車が横切る。

歩道での待機時間ももどかしい。

やり過ごすと、自分では精一杯に駆け出す。

ふくらはぎに激痛が走る。小さく声が漏れる。

横断し、林の入口に小さな看板があり、矢印は林の小道の中を指し、

「福岡市美術館」とある。

安堵感。先にそれらしき建物はないが、安堵感が急速に全身の力を抜けさせる。

林の中を数十歩あるいた時点でそれらしき茶色の建物が見えてきた。

もう先ほどターゲットにした女性の姿を見失った事、

その背中を追っていたことすら忘れてしまっていた。

さっきまで、出ていなかった汗がじわりと額を濡らしていく。

歩を進めるうちに、どうにかこうにか、美術館の入口にたどり着き、

意外とお客さんがいないなという感想。まあ、これならゆっくりと観覧できる。

わずかにほくそ笑むが、入口にまで来てまでも、どうにも違和感が拭えない。

が、ついにずっと抱いてきた疑念を払拭できるポスターを見つけた。

そのポスターには本日開催されている展示の内容が描かれているもので、

そこには、

「肉筆浮世絵の世界展」

とあった。

ようやく気がついた。

ここは福岡市美術館で、自分が行きたかったのは福岡市博物館だということを・・・。

歯車がずれていた・・・。

いや、もともと、歯車なぞ存在していなかったのだ。

空は青く、蝉はただ夏の終わりなぞ知らぬように歌っていた。

つづく

てな、感じです。じゃあね~ヽ(*´∀`)ノ


真・福岡ぶらぶら節~参

2015-12-01 20:42:15 | 日記
いい天気で12月とは思えない小春日和が続きます。

12月ですな。

続きです。

ホテルで買ってきた朝食を無造作に腹に収め、そこそこの身支度をする。

時刻は9時を軽く回っている。

チェックアウトの時間にはまだまだあるが、ここで一人ぼんやりしているのも、

なんだかもったいないような気がして、正体不明の焦燥感にて部屋を後にする。

ロビーにて支払いを済ませ、ホテルを出た。

昨晩より、いや、その前より、心に決めていたことがあった。

本日の動向である。

まず、福岡市博物館にて「大関ヶ原展」なるものを見に行こうと思っていた。

この博物館は以前に福岡に来た時に、あきぼにおねだりをして、

「金印」を見に行くのに同行してもらった場所だ。

バスなら一本で行けたという記憶を元に、バス停まで痛めた足を小さな悲鳴と共に運ぶ、

意外と早くバスターミナルから博物館行きの乗り場を見つけることが出来た。

完全に歩きたくない心境が眼力に現れたのかもしれない。

バスを待つ乗客の多さに少しだけの驚きと、座れるのだろうかという大きな不安が並行する。

が、ここが始点らしく運転席近くに座ることができた。

ふーっと一息。朝のコンビニでしっかりと小銭の準備を忘れてない自分にふっと笑みが浮かぶ。

やればできるじゃん!とか、後日、あきぼに褒めてもらうか!とか、

いらぬ物思いにふけるうちにバスはどんどんと街中を駆けていく。

途中、有名ラーメン店の前を過ぎる。そうだ!駅への戻り道で寄ることにしよう。

何度か福岡には来ていたがまだこの店にはいっていないことを、

その店の看板は他の思い出たちと一緒にひょっこりと顔を出してきた。

そんな思い出の中に、バスに乗っていると、福岡タワーが見えてきたよな。

と、唐突に思い出した。

青い空にそびえ立つタワーに少なからず感嘆したものだ。

窓の外の景色の中でタワーを探してみる。見えない。

一向に見えてこない。おかしい。海の傍に立っていたので北の方向をくまなく探してみる。

と、いきなり、バスは右に曲がり緑深い方角に向かっていた。

「次は、福岡市美術館東口」

女性のアナウンス、誰かが、鳴らす乗降ボタン。

辺りはまったく見覚えがない。

ここは、どこだ!

つづく

ほんと・・・・ねえ(泣)じゃあね~ヽ(*´∀`)ノ