korou's Column

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松浦亜弥ディスコグラフィー 61 「初恋」

2016-04-21 | 松浦亜弥

13枚目のシングル「風信子(ヒヤシンス)」のカップリング曲。

(「風信子」にはカップリング曲が2曲あり、もう一つは「逢いたくて」)

2003年9月26日リリース。

作詞・作曲:つんく、編曲:平田祥一郎。

なお、この曲は、2004年公開の映画「ほたるの星」の主題歌となったが

その映画そのものには、松浦亜弥としては無関係である。

 

編曲の平田祥一郎は、1969年、岡山県岡山市生まれ。

高校時代からバンド活動を始め、立正大学でもバンドは継続したが

その当時はアマチュアバントの域を出なかったようである。

卒業後はコナミに入社し、ゲーム音楽を担当。

広範囲に活躍し、業界でも名を知られるようになった。

2001年には、超多忙となったつんく♂に誘われる形で

ハロプロのタレントであるシェキドルの

シングルのカップリング曲のアレンジを担当する。

これがきっかけで、翌年からは本格的にハロプロのタレントの楽曲について

おもにアレンジを担当するようになり

2003年からは、コナミを退社して、現事務所であるSUPA LOVEに移籍。

以来、ハロプロのあらゆるタレントの楽曲のアレンジャーとして

多忙なつんく♂を補佐するスタッフとなった。

ただし、つんく♂のほうから、「これは**が歌う曲」という情報が一切ないまま

アレンジだけを担当するという仕事が多いらしく

つんく♂の指示のままに音作りをするケースがほとんどらしい。

だから、細部には平田の個性が出ているかもしれないが

アレンジの基本パターンはつんく♂が指示したそのものなので

この「初恋」も、作詞・作曲・編曲すべてが”つんく”と言ってもよいのかもしれない。、

なお、平田のこれまでの仕事のなかで一番有名なものは

ハロプロ関係ではなくて、これである。

SMAP「Dear WOMAN」

(作曲:編曲 平田祥一郎。2006年4月発売。オリコン1位獲得。最終的には41万9千枚

 を売り上げて、「世界に一つだけの花」より後のSMAPのシングルでは、いまだにNo.1の

 売上枚数となっている)

 

マニアックライブ1(2008年7月)での亜弥さんのMCによると

その時点では

この曲はリクエストの第2位だったらしい(1位は「dearest.」)

すでに歌手松浦亜弥への脱皮を完成させつつあった時期で

ファンのほうもそういう方向への理解を示していた頃だというのに

アイドル時代のシングルのカップリング曲が第2位というのは

意外な結果とも言えるのだが

その反面、発売当時の好意的な評価からすれば

納得できないこともない。

曲調が落ち着いていて

それでいて、どことなく切なさもあって、程よい甘さもあって

元スーパーアイドルが本格派歌手としてパフォーマンスをしようとするなら

これほどピッタリの曲はないだろう。

同じようなイメージで書かれた「草原の人」と比べたら

こっちの方が、断然、すんなりと聴く人の耳に入っていく。

さらに、当時の”あやや”のイメージからすれば

「風信子」ではなくて、この曲をシングルカットすべきだっただろうが

谷村新司とアップフロントとの関係を考えれば

そこは仕方ないところかもしれない。

 

個人的には、どうしても好きになれなかった曲である。

強いて言えば、マニアックライブ1の歌唱くらいかなと思っていた。

今回、集中して聴いてみて、いろいろなことが分かり

その一方で、今まで思い違いをしていたことも分かった。

 

まず、なぜ好きになれなかったのか、今まで

ハッキリと自分でも分かっていなかったのだが

出だしのメロディ(Aメロ)が自分の好みと全く合わないからだと分かった。

そして、聴いているうちに結構いい曲だなと思えるようになったのは

ロンド形式のように繰り返されるAメロの後

Bメロ、Cメロと続くところで

Cメロで一気に解き放たれたような感覚に魅せられたせいである。

(「大人に近づいて みんな年齢(とし)を重ね・・・」の部分)

今まで、Aメロへの嫌悪のせいで、Cメロに行くまでに気分が萎えていたのだと思う。

 

そのCメロで一気に解き放たれたような感覚が

一番感じられるyoutubeの映像は

松クリスタルのそれだろう。

 

松浦亜弥 - 初恋

 

やはり、こういう曲・・・淡い思い出で胸を締め付けられるイメージというのは

10代のアイドル時代がぴったりくる。

(もっとも、こういう感覚というのは、あややだけの専売特許ではないだろう。

 人気があってそこそこ歌唱力のあるアイドルなら、この歌を歌って、同じような魅力を

 発揮できるはずだ。70年代なら高田みずえとか、80年代なら柏原よしえとか、それこそ

 ハロプロなら、後藤真希とか新垣里沙とか、現役なら小田さくらとか)

 

今回、マニアックライブ2の「初恋」については

ついでにチェックしておこうか程度に見ていた。

そもそも、マニアックライブ2というのは

私にはよく分からないライブで

個人的にはあまり関心が持てないのだが

亜弥さんファンの間では

ほぼ最高傑作のライブといった評価なので

なかなか、このディスコグラフィーでは扱いに困っている、というのが実情である。

 

ところが、今回だけは違った。

上記Aメロの歌い方がさりげなく素晴らしいのである。

さりげなく素晴らしい・・・うーん、これがマニアックライブ2を見るときのポイントなのかと

改めて知った。

この曲は最後にAメロを何度も繰り返して終わるのだが

このマニアックライブ2では、そのあたりが絶妙で

退屈な繰り返しにしか思えなかったこの部分に

こんなに聴きどころがあるのかと思い知った。

しかも、亜弥さんは、明らかに意図して

歌い方を微妙に変えているのが分かる。

マニアックライブ2の本当の素晴らしさを

改めて知った瞬間だった。

 

というわけで

全く個人的な趣味ですが

マニアックライブ2の「初恋」の映像でこの記事を終わります。

Aメロで退屈しないので、私には一番しっくりくる歌唱です

(とはいえ、歌詞の内容にはそぐわない大人の歌唱なので、

 一般向けには松クリスタルだろうとは思いますが・・・)

 

初恋 Ay Matsuura ManiacLive2009 9

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2 コメント

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確かにVer.2は・・? (mago_emom)
2016-04-22 23:16:51
マニアックライブ2が微妙なライブというのは意外な感じがしましたが、言い方を変えれば、このライブは彼女の我侭の結集みたいなものだったようですね。
他アーティスト曲のリクエストは全て無視して自分の歌いたい曲を歌った、というあたりもそれを象徴しているように感じます。
それだけに、それらの歌は素晴らしい歌唱です。私も実際、このライブの真骨頂は(映像になっている中では)他アーティスト歌唱の3曲と思っています。
一方で、このライブで歌われたオリジナル曲、例えば灯台などは、korouさんのように音楽に長けていない私でも余り良い出来とはいえないように思います。
この曲は、むしろ前年のVer.1の歌唱が素晴らしいです。
私もこのVer.2を最高のライブと思っていますが、この曲のようなあれ?と思う部分もあるのは感じますね。
一方で、笑顔は一連の中で最高の歌唱シーンと思いますが。
さてこの初恋ですが、しかし私は、この曲に関してはVer.2の落着いた感じの歌い方もきらいではありません。
というかホールツアー物は、私は余り好んで鑑賞してませんので、そのよさが理解できていないだけなのかもしれませんが。
返信する
マニアックライブ2再考 (korou)
2016-04-23 13:06:05
>mago_emomさん

マニアックライブ2についての印象は
私もほぼ同感です、
さらに、オリジナル曲とカバー曲という視点でみれば
まさにそういうことになりますね。
そういう視点できっちり聴いたことがなかったので
示唆して頂き嬉しいです(いいことを知った、という感じです)

亜弥さんの魅力を最初に知ったのは
以前も書いたとおり
マニアックライブ2の「部屋とYシャツと私」でした。
その後、「笑顔」にも感動した時期もあるので
素直にその出来を絶賛すればいいわけなのですが
なかなかそうもならないのは
やはり、私の個人的な体験として
アルバム「ダブルレインボウ」での歌いっぷりに衝撃を受けたのが
大きいわけです(昨冬)。

あんなに意欲的に「歌」に取り組んでいた時期があったのか、という驚きです。
それを思えば
マニアックライブ2というのは
あまりに表情が落ち着きすぎていて
その後の活動停止の前触れなのかという
何とも言えない寂しい気持ちになるのです。
もっと活き活きとした表情で歌ってほしかったという気持ちになります。
(その点、マニアックライブ3の亜弥さんは、表情が明るくて
 見ていて嬉しくなります)

とはいえ
今回「初恋」をじっくりと聴き直すことができて
マニアックライブ2への印象も少し変わりました。
また、新しい視点で聴き続けていこうと思っています。
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