Shinji Horibe Blog

感じたこと・思ったこと・興味をもったこと・仕事のことなど

展示会の仕事

2010年10月31日 | ビジネス
9月から12月にかけては、ビックサイトや幕張メッセなどで開催される展示会のシーズン真っ盛りです。

僕も、今2つの展示会に出展する会社のプロデュースをしています。
一つは11月に開催される、アグロ・イノベーション。
農業関係の展示会です。
もう一つは、12月のセミコン・ジャパンという半導体関係の展示会です。

広告宣伝関係の中でも、展示会・イベントは他の媒体とは違い、独特の性格・特徴を持っています。
一番大きいのは、顧客とのダイレクトコミュニケーションである、ということ。
顧客と直接会話をし、説明し、反応が分かる広告宣伝活動です。
もう一つは、言うまでもありませんが、リアルな場での広告宣伝である、ということ。
商品を店舗のように、実物そのものを見せながらプロモーションできるということです。

また展示会の場合は、遠くから見ても分かるサインが必要です。
いわば大勢の人の中で「僕はここにいます」と、手を上げるようなものです。

それからその世界独特の専門用語があります。
造作とか、経師紙、行灯、またヌキ行灯、への字、などなど。

僕は10年ほど集中的に展示会、ショールームの仕事をしましたが、なかなか面白い世界です。


"Panasonic"ブランド

2010年10月23日 | ビジネス
SANYOブランドが無くなるようです。
国内の家電販売では、2012年4月にPanasonicに統一するとのことです。

この約20年ほどのパナソニックのブランド戦略は、かなり大胆な変遷をたどっています。

僕の記憶に間違いが無ければ、次のような変遷です。
ついこの間まで、社名は松下産業株式会社でした。
そして国内はNationalブランドで、海外はPanasonicブランド、そして音響機器にTechnicsブランドを採用していました。
確か欧米では、英語で国を表すNationalはブランドとして使えなかったから、Panasonicを使ったと記憶しています。

その後、海外に加えて、国内のいわゆる黒物家電といわれる、テレビやビデオの映像機器関係と、Technicsを廃止しオーディオやカーオーディオの音響製品にPanasonicブランドを採用しました。
しかしながら、国内の冷蔵庫や洗濯機などのいわゆる白物家電には、以前としてNationalブランドを使ってました。
その間、三洋電機もCIを導入し、現在のロゴタイプを採用しました。
その後、国内の白物家電もNationalからPanasonicに変更され、松下電器の全ての商品がPanasonicブランドに統一されました。

そして2008年、何と社名を松下電器産業株式会社からパナソニック株式会社に変更し、ついに2012年にはSANYOブランドがPanasonicブランドに統一されることになったようです。

この巨大なグローバル企業にしては、驚くべき軽やかで、論理的なブランド戦略の変遷です。
これで全てのグループ企業のコーポレートブランドが、パナソニックとなりました。

ブランド戦略の視点から、次は・・。
僕はタグラインの「ideas for life」を変更するような気がするのですが・・。




CEATEC

2010年10月10日 | ビジネス
エレクトロ二クスの展示会、CEATECに行ってきました。

幕張メッセで開催されていたのですが、規模的にはどうだろう、最も大規模だった頃に比べ半分くらいの規模だったように感じます。
また規模よりも、僕ががっかりしたのはその中身。
注目を引いていたのは、事前に話題に上っていた東芝のグラスレス3Dテレビ。つまりメガネなしで立体映像が楽しめるテレビ。
以上、という感じでした。

エレクトロ二クスメーカー全体のダイナミズム、新しい商品や技術を開発する力が劣ってきたのは間違いないと思う。
おそらくこの7~8年ほど、どこのメーカーも開発の中心が液晶テレビ。
確かにそれが3Dに進化したのかも知れないが・・・。

消費者が驚くほどの、そして産業構造が変わるほどのジャンプした商品、技術がない。
よく言われるようにレコードからCD、テープからディスクそしてネットワーク、ブラウン管から液晶テレビ、ゲームのカセットからディスク、フィルムカメラからデジタルカメラ、初めての家庭用ビデオカメラやDVDの登場などなど。

技術力のレベルが下がったとは思えない。
一つの商品にまで仕上げるプロデューサー能力を持った人が、少なくなったということでしょうか。

来年のCEATECでは、ジャンプした非連続の技術・商品が見られることを期待したいと思います。





「つながる脳」 藤井直敬氏

2010年10月09日 | ビジネス
先週の10月7日、東京六本木のAXISに藤井直敬氏のトークセッション「つながる脳」を聴きに行きました。

藤井さんは理化学研究所の脳科学者。
研究テーマは二つあるそうで、一つが今回のトークセッションのテーマでもある「社会脳」。
もう一つは、BMI(ブレーン・マシーン・インターフェース)。もちろんその二つともが関連しているそうです。

僕にとって脳というのは、ただの興味の対象でしかないのですが相当おもしろい話でした。
下のキーワードにまつわる話がとても新鮮で、勉強になりました。

「脳はひとりなのか」
「ヒトとヒトは、どうつながっているか」
「わたしたちは、一人で生きていけるか」
「ヒトは他者とのつながり抜きには生きていけない」
「場に存在するルールとそれに従う脳」
「社会は下位のがまんが作るルールで成り立っている」
「発達は母子関係と他者関係のせめぎあい」
「脳は認知コストの低い方を好む」
「創造は余剰の認知コストから生まれる」

仕事の上でも、全くのこじつけですが、「ブランドは消費者の頭の中にある」ということや、「企業風土が作り上げられる仕組みは」「クリエイティブな仕事とは」といったことを考えるのに、ヒントになりそうな気がします。