法で裁かれない人々

東電旧経営陣幹部3名の無罪判決が出された日の朝のこと。安倍晋三が任命した最高裁判事は安倍晋三から官邸に呼び出されていた。事前に彼らを無罪にするよう指示されたと思われる。日本の三権分立は絵に描いた餅だ。池袋で起きたプリウス暴走事故で母子2人が轢き殺された事件では、飯塚幸三への厳罰を訴える署名が30万人以上集まったにも関わらず、不起訴の方針が固められた。意見の中には「署名が集まったから厳罰を処す」という考えは、刑法の法手続の考え方に反する、というもっともらしい意見が出ているが、巧みに論理をすり替えられている。そもそも、一般国民が同じ事件を起こせば不起訴では済まないことが、上級国民だと不起訴になることが問題で、それ自体が法手続きの考え方に反している。法手続きに従えば、上級国民でも厳罰に処せられるべきなのだ。特権階級の人間は罪を犯しても現行法では裁かれない。何と理不尽なことだろう。